Key_Kitaの独り映画日記

主に観た映画・ドラマの感想を書いてます。
最新映画だけでなく過去の作品や雑談も少々。

映画『この世界の片隅に』

2017年01月03日 | 映画
この作品は、『長い道』『夕凪の街 桜の国』などで知られる、こうの史代のコミックをアニメ化したドラマ。
戦時中の広島県呉市を舞台に、ある一家に嫁いだ少女が戦禍の激しくなる中で懸命に生きていこうとする姿を追い掛ける。
監督にテレビアニメ『BLACK LAGOON』シリーズや『マイマイ新子と千年の魔法』などの片渕須直、アニメーション制作にテレビアニメ『坂道のアポロン』や『てーきゅう』シリーズなどのMAPPAが担当。
市井の生活を壊していく戦争の恐ろしさを痛感する。


1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。


この作品が今年、劇場で観た記念すべき1本目。2016年11月に公開され評判も良く観たいと思っていましたが、なかなか時間の都合がつかず正月休みを利用して観る事に。
原作は未読ですが、評判通りの秀逸な作品で主人公の声を担当したのん(能年玲奈)も役にぴったりで素晴らしくいい。
良い意味で無駄に凝りすぎていないシンプルな画風、テイストでキャラや風景に温もりが感じられる。
ストーリーはもちろん戦争の悲惨さを描いてはいますが、主人公のすず、すずの家族たちの日常にスポットを当てリアルに描かれています。
戦争のため、戦争のせいだと諦め、自分を納得させていた、それらの理由が突然消えてしまうことで感情を爆発させてしまう感情の表現や演出がリアル。
ストーリーによる感動や悲しみ、怒りなどの感情を単に押し付けるのではなく、ストーリーの中に違和感なく自然に取り込まれており、それらの感情の中に静かな激しさがある。
でも、見終われば優しさや穏やかさなどの温もりが感じられる作品でかなりいい、評判通りの作品。

この正月休みを利用して観賞。
見終わってからネットでレビューを見てみると僕のように正月にこの作品を観て“正月早々に縁起が悪い”“不吉”などと低評価にしている人がちらほら見受けられ、そう感じるのは自由だが、だったら正月に戦争を題材にした作品を観に来るな!と思うし、例え思ったとしてもそんな内容の薄いレビュー書くな!と言いたい。

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