DrKの株日記

現役医師が仕事の合間をぬって株と格闘するブログ

原発作業員は何人死んでも健康被害なし

2011年06月18日 | Weblog
福島第一原発の作業員、宿舎で意識不明に
「東京電力は10日、福島第一原子力発電所で働く協力企業の40歳代の男性作業員が早朝、宿舎で意識不明になり、ドクターヘリで福島県いわき市内の病院に搬送されたと発表した。」
(2011年6月10日12時35分 読売新聞)

原発作業員男性の死亡、心筋梗塞が原因と発表
「東京電力福島第一原子力発電所で作業中に意識不明となり、搬送先の病院で死亡した60歳代の男性作業員について、東電は15日、死因は心筋梗塞だったと発表した。
 男性は、福島第一原発では13日から作業を行っており、同日は3時間で被曝(ひばく)線量は0・51ミリ・シーベルトだった。翌14日は作業を始めて約50分後に突然、体調不良を訴えて意識を失った。被曝線量は0・17ミリ・シーベルトだった。」
(2011年5月15日20時42分 読売新聞)


臨界事故における放射線障害の特徴

高線量被ばく(参考文献3)
 「被ばく後、数時間から数週間に起こる臨床症状の総称を急性放射線症(Acute radiation syndrome:ARS)といい、その病態は多くの組織や臓器の複合障害と位置づけられている。一般にX線やγ線の急性放射線症は、約1Gyの線量を全身に被ばくすると起きるとされている。急性放射線症について、JCOの臨界事故を例につぎに少し記述する。(ATOMICA <09-02-03-01>参照)
 その病態は、大きく分けて被ばく線量に依存して現れてくる臨床症状から、血液・骨髄障害(Hematologic injury)、消化管障害(Gastrointestinal injury)、循環器障害(Cardiovascular injury)、中枢神経障害(Central nerve system injury)の4つに分けられる。また急性放射線症は、時間的経過から前駆期(Prodromal phase)、潜伏期(Latent phase)、発症期(Critical or Manifestation phase)、回復期もしくは死亡(Recovery phase or Death)に分けられる( 図1 参照)。」


がん以外の疾患による死亡
「寿命調査(LSS)死亡率データ(1950-1997年)の解析により、がん以外の疾患による死亡が被曝線量と共に統計的に有意に増加していることが明らかとなった。過剰症例は特定の疾患に限られてはいないようである。DS86結腸線量が0.005 Gy以上の49,114人の中で、18,049人ががん以外の疾患で亡くなっている(血液疾患による死亡はこの中に含まれていない)。循環器疾患がこれらの死亡のほぼ60%を占め、消化器疾患(肝疾患を含む)は全体の約15%、呼吸器疾患は約10%を占めている

「LSS集団の心臓疾患による死亡率データから、放射線は主に高血圧性およびうっ血性心疾患と関連があることが示唆されているが、AHSデータからは、心筋梗塞およびアテローム性動脈硬化症(大動脈弓石灰化)とも関連があることが示唆されている。従って、AHS臨床データおよびLSS死亡率調査により、被爆者(特に若年被爆者)における心臓血管疾患の発生率が増加していることはほぼ明瞭である。このような結果の基礎となる可能性のある生物学的機序に関して研究が行われている。」


被爆者には、これまでがん以外にどのような健康への影響が認められていますか?

「原爆被爆者では、がん以外の病気の一部は、免疫機能の変化に関係しているかもしれません。被爆者を対象とした免疫学的調査で、被曝線量の増加に伴いヘルパーT細胞の割合が有意に減少することが示されました。(放射線生物学/分子疫学部の「免疫学研究」のページを参照してください。)
更に、ヘルパーT細胞の割合が低い人は心筋梗塞の有病率が有意に高い、ということも分かりました。これらの結果から、原爆被爆者の心筋梗塞はヘルパーT細胞の異常が一因であるかもしれないことが示唆されています。このような異常は微生物感染に対する免疫防御を低下させ、アテローム性動脈硬化症につながる可能性もあります。


ウクライナにおける事故影響の概要

チェルノブイリ事故被災者の死亡原因の構成は以下のとおりである.
循環器系の病気   :61.2%
腫瘍        :13.2%
外傷        :9.3%
呼吸器系の病気   :6.7%
消化器系の病気   :2.2%


被爆者のほとんどは心疾患で死亡する!

よく覚えておいてね!

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