視覚障害者きうっちの自立への道

視覚障害者きうっち(S52年生)が気の向くままに日々の生活をツラツラとつづるブログ

寮での休日生活1日目

2009-07-18 17:54:05 | 休日生活
 本日は土曜日。つまりここの施設の職員も基本的には『お休み』なわけで
当然ながら正規の訓練もありません。ですが、お休みの今日も自分はここにいるわけで……そんなわけでお休みの時も
この訓練施設にいる時は基本的にこれからもこうしてブログに行動を書いていこうと思います。

■本日の朝食のメニュー
 今日は朝起きたら昨日洗ってなかった分から3文の1程度の洗濯物を持って洗濯場へ。そしてそれから朝ご飯を食べに食堂へ。
で、本日の朝メシ。まず食パン一枚、ロールパン1個、『手のひら』サイズくらいのグラタン、ツナサラダ、いつもの牛乳、そしてポークビッツ…かな?
最後の物はちょっと判別不明(苦笑)。間違いなく何かのスープだとは思うのですが…。
今日の朝ご飯はここでは珍しくパンの日でした。しかも何故か食パンとロールパンが一緒に出てきたのですが(笑)。
普通別々の食事で出てくると思うんですけど…ここでの食事はたまに
『こういう組み合わせってアリなのか?』という献立のパターンがたまに出てきますね。
恐らく1日のカロリー量とそれに伴って1週間、1ヶ月分の献立をコンピューターが全部キッカリ計算して自動的にその日の3食分の献立が決められているから
たまにこういう『不可解な』献立のご飯が出てきたりするんでしょうけど。…ま、』人間ポリバケツ』の自分としては美味しいものが食べられれば何だっていいのですが(笑)。


■誰も職員がついてくれなくても歩きます
 今日は土曜日でここの施設もお休み。当然訓練もないわけですが、それでも自分は一人で歩行訓練、というか先日まで順次行っていた環境確認をしました。
まぁどうせ他にやる事なんかないですし寮の自室の中に篭っているのも暇ですしね。
というわけで午前9時頃、相変わらずクソ暑い中を意を決して自室を出発。とりあえず歩くルートは昨日、一昨日と歩いた『自室から病院に行くルート』を再確認。
自室から病院に行くルートは少しややこしい部分があって自分の中でもちょっと確認しておきたかった部分があったのでとりあえずはそのルートへ。
こうやって『自主的』に今週やった訓練の復習、歩行訓練をするというのはとてもいいことだとは思います。我ながら(笑)。
ま、でもそれも限度というものがあるわけでして……この程度の復習くらいで止めておけばよかったのですが。
そう。本当によかったんですよね…。

■階段のてっぺんから転落して大流血!!
 上で述べたように午前9時からは自室から病院に行くルートを確認し、ちょっと歩きつかれたので同9時45分頃再び自室へ戻ってきて休憩する事に。
で、15分くらい休んだ後、再び訓練施設内を散歩する事に。今度は『これまで自分が歩いた事がない場所』を歩く事にしました。
まぁ正確にはここの職員に訓練施設のだいたいの構造は事前に教えてもらっていたので全然知らない場所ではない……つもりだったのですが……それがそもそも間違いの第一歩だったんですね。

 こうして自分がここへ入所してからまだ歩いた事がない場所へ足を踏み入れたのですが、自分がまだ歩いた事のない場所を歩いているのだから
当然詳しい『その辺り』の地図や『その辺り』に一体どんな物や障害物があるのか、なんて事は知らないわけです。
これは目の見えている人には中々理解できない感覚かもしれないですが、自分のようにほぼ目が見えていない視覚障害者は
目で見て視覚で周りに何があるのか確認できないですから、どこに何があってここにはこんな障害物がある、

ここから先は数メートル幅の廊下を横断しなければならないけどその先は平らの壁しかないから大丈夫、逆にここの廊下の横断は渡った先が壁が角ばった曲がり角のような感じだから少し注意が必要、
ここから少し入ったら下り階段があるからなるべく足を踏み入れないように、などなど-。とにかくこんな感じでイチイチ覚えて頭の中に周囲の地図を作らなければなりません。
だから自分のようなほぼ目の見えていない視覚障害者が歩いた事がない場所へ足を踏み入れるということは『本当に知らない場所』を歩くようなものなので、これが本当に怖いわけですよ。

 話が随分反れたので戻します。いくら事前に『こんな構造だよ』と教えられていても基本的には知らない場所へ足を踏み入れているのだから
案の定その『知らない場所』をフラフラとさまよう事に。それでも辺りにある手すりと事前に教えられ、その時頭の中に入っていた『知らない場所』の地図を頼りに
辺りを探りながらどうにか自分の知っている、実際に自分自身が歩いた事がある場所へ懸命に戻ろうとしていました。
そうやってどうにか『自分の知っている場所』へ戻ろうとしているある時、自分はとある廊下を横断するポイントに出ました。
当然そこは自分が今まで歩いた事がない『知らない場所』です。でもその時自分は何故か何の根拠もなく
『数メートル歩けばその先には反対側の廊下の壁がある』と思い込んでいました。そうやって思い込んでフラフラと歩き始めて2、3メートル進んだ後にあったのは……

ドタァァァァァァァ!!!

突然前のめりに勢いよく転ぶ自分。というか前方に向かって思いっきり転落!そう、そこは壁でも何でもなく下のフロアへと降りる『下り階段』だったのです。
つまり、自分は階段のてっぺんから前のめりの状態で思いっきりダイブしてしまった、普通に歩き始めてそこに普通に『平らな床がある』と思い込んでいたら
そこは下り階段で踏み出した足を思いっきり踏み外してしまい、そのまま思いっきり階段へ転落してしまったわけですね。ちゃんと数えたわけじゃないですが(当たり前)だいたい10段くらいは前のめりにダイブしたような気がします。

 一応、とっさに両手を出して受身はとっていたみたいで幸い致命傷までには至らなかったみたいですが、そんな『ダイブ』をしてしまったのだから当然無事なわけなんかありません。
中でも顔面へのダメージが一番ひどかったみたいで、顔は血みどろになっていました。左瞼の上あたりと口元の左上あたりから血がドクドクと。
それに何だか頭がクラクラするし首も何だか痛い。骨まではいってないと思うけど打撲?-。そんな風に思っていたら、そんな自分の惨状に気づいてここの施設の職員さんが何人か駆けつけてきてくれて…。

 ちなみにその何人かの職員さんが来た後の自分は会談の端っこに座って寄りかかり応急処置を受けているような状態でしたが、立つ事はできても歩くのは正直言ってキツイ、そんな状態でした。
でも血も相変わらずドクドクと出ているし頭も打っているみたいな自分をこのまま放っておくわけにもいかない-。そんなわけで自分は車椅子に乗せられて同じ敷地内にある病院へ急いで行く事に。
ただその日は土曜日。そこは国立の病院で基本的にはお休み、入院している患者さんがいるので病棟にそれをお世話する看護士さんはいても
お医者さんは宿直で出ている人以外は基本的にはいません。その時外科のお医者さんが運良くいればよかったのですが…
元々ここの病院は外科の先生はあまりいないみたいで、結局ここにいる看護士さんだけでは傷口の消毒や止血といった事ぐらいしかできません。そこで近くにある、
外科の治療が出来る病院へ救急車で移送される事に。…ただここでわざわざ救急車を使ったのは、別に自分がほとんど移動できないような状態だからではなく
ただ単にそれを使うのが一番早かったから(苦笑)。その時点で、移送される先の外科が後30分しかやっていない、と言っていたので恐らくそういう判断をしたのでしょう。
そういうわけで自分は人生2度目の救急車に運ばれながら、顔の傷口を治療するために外科のある近くの病院へ行く事になりました。

■人生初、顔面を縫合治療
 だいたい正午頃かな、外科のある近くの総合病院へ運ばれてきた自分は早速外科の先生に診てもらう事になりました。
ただ、このままではどうしようもないという事で顔面の傷口を何針か縫って塞ぐ事に。
まぁ自分が会談から転落した時点でその時駆けつけてきてくれた周りの職員たちからそんな話もチラホラ出ていたので、たぶんそうなるだろうなとは思ってはいましたが。
というわけで顔の傷口、左瞼と口元の左上辺りをそれぞれ4針くらいずつ縫うことになりました。
顔面の縫合はまぁものの10分で終わったのですが、正直ちゃんと傷口を縫う時よりもその前段階、傷口のあたりに麻酔を打つ時の方が痛かったですね。
麻酔は縫う前にそれぞれの傷口にたいして 5本ずつくらい打ったのですが、最初の2本くらいがとにかく痛いんですよ。後に打たれるものにしたがって麻酔が効いていく関係なのか、ほとんど痛みを感じなくなっていくのですが。

 というわけで顔面の縫合治療はかなりあっさりと終了。で、その後は頭を打ったので一応頭の写真を撮って脳内を検査。それも『特に問題なし』と判断され
次は病室に運ばれて緊急入院でもさせられるのかと思ったら、そのまま病院の待合室に通されて『今回のお会計が済んだらもう帰ってもいいですよ』と。
実はここの病院に救急車で運ばれてくる前は『場合によっては緊急入院』なんて話もチラホラ出ていたので
『帰ってよし』と言われてちょっと拍子抜け。まぁ階段のてっぺんから思いっきり転落した割には『この程度』の負傷で
済んだのだから本当に運がよかったです。…まぁ悪運かもしれないですが。そもそもこんな事ばかりに運を使っているから本当に必要な場面で運が回ってこないんだよな(苦笑)。

 そんなわけで帰ってよし、とお墨付きももらったのでとりあえずは元々自分がいた訓練施設へ帰る事に。
この治療を受けた病院から訓練施設まではクルマでだいたい10分程度の距離だったし、元々今日は午後3時くらいに実家へ帰るつもりだったので
その荷物をまとめに訓練施設にある寮の自室へ戻る事に。

■本日の昼食のメニュー
 というわけでだいたい午後2時前くらいに治療を受けた病院から訓練施設へ戻ってきた自分は早速昼ご飯を食べる事に。
あんな大変な目に遭ってもわたくしは決して飯の事だけは忘れません(笑)。だってそれが現時点での最大の楽しみだから(さらに笑)。
で、本日のお昼の献立。白いご飯、もやしと油揚げの味噌汁、もやしとワカメの酢の物、豚のしょうが焼きにキャベツ。
他にも何かあったような気がするけど……とにかくこの時点での自分はまだ頭が少しクラクラしていたし首も何だか痛かったので
食べるだけで精一杯だったから。…それでも目の前にある食事は美味しく完食したのですが(笑)。いや、我ながら食い意地だけは人一倍、いや人百倍だなと思いますね。

■実家に帰ってから自分に対する怒りが沸々と
 そんなわけでだいたい午後3時過ぎくらいには寮を出発し、実家に着いたのは午後5時前。
実家に着いて波乱の一日もようやく終わったのですが…でもここで今日一日の自分の行動を振り返ってみました。
今回自分が起こした『事故』はどう考えても100%自分に非があります。そしてその自分が起こした身勝手な行動派
様々な人たちに『余計な仕事』をさせてしまったわけです。
自分が階段から転落した際真っ先に駆けつけてきてくれた施設の職員、自分が近くの外科治療ができる病院へ移送されるまで応急処置をしてくれた看護士さん、飛び込みで運ばれてきた自分を緊急で縫合処置してくれた外科のお医者さん-。これらの人たちは明らかに自分のせいで『しなくてもいい仕事』をしてもらったわけです。
そう考えるとだんだんと自分に対する怒りが沸々と…。7月6日にここの訓練施設に入所して以来、自分は結構色々な事がすいすいできるようになっていました。
自分を指導してくれていた担当の職員の人たちにも『きうっちさんは覚えるの早いですね~』なんて言われていたし、自分も相当その気になっていた部分があったと思います。
それが自分自身への慢心というか油断を生み、自信過剰になっていた自分がした身勝手な行動が今回の『事故』を引き起こした、そんな風に自分は考えています。

 今回の事は本当に反省しています…。むしろ『この程度』の怪我で済んだのだから本当に運がよかったと思います。
幸い間に『3連休』が挟まったおかげで『転落』で痛めた首や頭、腕や足の痛みも徐々にひいてきて
来週歌謡からの訓練はほぼ普通通りに行う事ができると思います。今回これで相当『痛い目』にも遭ったわけだし
周りの多くの人たちにもたくさん迷惑をかけたのだから、今回の事は本当によくよく反省してこれからの行動に必ず生かさないといけないですね。
それがこれから自分ができる、今回の事への唯一の償いの方法なのかな、と。とにかく今回はただただ反省と懺悔をするばかりです。








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