100条委員会のポイント

5月24日（水）から100条委員会「公共工事にかかわる事件等調査特別委員会」の実質審議が始まります。6月定例議会までに2度の委員会が開かれますが、まずこの2回の委員会では、草加市がＦ容疑者から受けた苦情事件について担当部局の職員から事情聴取する予定です。

■ Ｆ 容疑者の苦情事件13件とその対応～一般市民として対応

すでにこれら13件の苦情事件のひとつについては、草加市が市道の管理に瑕疵（かし）があったことを認め、損害賠償金104万円をＦ容疑者に支払い済みですが、この額が100万円を超えていたために市議会もこれを承認していました。

しかし、その時点での木下市長の説明はＦ氏はあくまでも一般市民であり、警察にも事故報告済みで、草加市の瑕疵（かし）は明白であり、損害賠償は妥当な対応であるというもの。

■木下市長の説明責任の欠如～市議会への配信・信義違反

この時点で、木下市長はすでに、Ｆ氏が自分の最初の市長選挙から関わっている組織暴力団役員であることを知っており、同市による苦情事件が多数、担当部局に寄せられていることを知っていながら、それらの事実を議会に説明しなかったことは、アカウンタビリティ（説明責任）が果たされていないばかりか、議会との信義に反することでした。

■必要な情報を報告せず議決を誘導～不作為の作為

積極的に説明しない。説明しないことで、議会の議決が正反対の結果になることを木下市長が意図していたとすれば、これこそ、「不作為の作為犯」～刑法12条違反なのではないかと思います。もちろん、違法行為であるなしに関わらず、木下市長の議会への信義違反は、住吉駐車場の小野産業への売却の時に、その一部が駐車場として使われることを「説明しなかった」ことにも示されています。

駐車場の必要性がない。駐車場の役割は終えたという説明と、譲渡後に民間有料駐車場として今も使われ続けていることは明らかな矛盾ですし、議会への背信行為です。ちなみに、売却処分した住吉駐車場は駐車場事業としては唯一黒字経営の公共駐車場であったことも忘れてはいけません。

■ Ｆ 容疑者からの苦情事件への対応～業者処分の実績

今週から始まる100条委員会審査のポイントは、13事件の実情を担当職員、請負業者、保険会社などから聴取すること。市役所内の意志決定過程がどのように事件に影響していたかにあると思います。また、損害賠償金を支払った事件以外にも、苦情対象となった業者に対して、罰則などの不利益が課されたのかどうかが確認すべき重要な事実だといえるでしょう。

■ Ｆ 容疑者の手口～携帯電話で市長と連絡＋業者処分への影響力

Ｆ容疑者が苦情申し立てをする現場において、Ｆ容疑者の恐喝の材料として、①木下市長との個人的な関係を携帯電話で印象づけることが実際に行われていたか否か。②現実にＦ氏の申し立てによって指名停止などのペナルティが発動された事実があったのか否か。が確認すべき重要事項。もしこれらの事実があったとすれば、これらがＦ氏に対する職員や請負業者の毅然とした態度を突き崩す要因なのであり、木下市長の政治的、道義的な責任は大きいと私は断じざるをえません。皆さんはいかがですか？

これから始まる9回の委員会審査の行方に注目していこうと思います。

※追記>青年Ａさん　市立病院問題、前助役逮捕問題、そして今回の問題と、普通の自治体ならば数十年に一度起こるか起こらないほどの大問題が立て続けて起きている草加市ですが、草加市民はいたって冷静です。100条委員会の審議のいくえを見守るということなのかもしれません。獨協大学前駅という駅名については、これを変えようとする市民的な声が、相当大きくならない限り、変えるべきではないと考えています。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor