ポリティカルセオリスト 瀬戸健一郎の政治放談

政治生活30年の経験と学識を活かし、ポリティカルセオリストの視点から政治の今を語ります。気軽にコメントして下さいね!

5月24日の100条委員会~実質審議1日目

2006-05-25 16:45:31 | 市議会議員として
昨日は100条委員会の実質審議初日でした。木下市長から報告のあった13件の暴力団役員F氏からの苦情事件の内6件について、草加市役所の当時の担当者2名から説明を受けました。まだ事件の全容解明スケジュールの入り口に過ぎませんが、既にいくつかの重要なポイントが確認されました。

■F容疑者の知人、関係者による事故~公共工事現場の安全管理

昨日、100条委員会が説明を受けた事故は全13件中6件についてですが、この内3件については、F容疑者の知人、関係者による車同士の接触事故1件とバイク転倒事故2件に関わる工事中の車両誘導ミスと路面復旧の不備など、安全管理上の苦情であったことが明らかにされました。これらについて工事請負業者側は事故補償などの対応をしていたことが説明されています。

■F容疑者の提案で「安全大会」が開催される

工事現場での車同士の接触事故の原因は車両誘導員のミスなど、公共工事請負業者の安全管理上の不行き届きにあるとして、F容疑者は草加市の公共工事請負業者全体に対して、「安全大会」の開催を要求。その翌月の2002年3月に草加市の公共工事請負業者15~20社が参加して実際に開催され、この席には草加市幹部4名も出席。F容疑者も顔をだしたことが説明されました。

■F氏個人のプロモーション~草加市発注工事の安全管理に影響力

草加市内の公共工事現場における安全管理にクレームをつけ、実際に公共工事請負業者から事故補償を受けて、安全管理を徹底させるために「安全大会」の開催を要求。これが実現し、草加市の幹部4名もここに出席したという事実。しかも、その場に、業者でもなく、市役所職員でもない、F容疑者が顔をだしていたという事実。これらを通じて、F容疑者は草加市内で行われる公共工事の安全管理について草加市役所への影響力があることを公共工事請負業者に対して印象づけていたことが客観的にも明らかになりました。

実際に安全大会が開催される意志決定がどうして実現したのかが今後の審査の課題となりました。

■F氏に104万円支払え~議決前に木下市長が指示

昨年12月に議会が承認した104万円の損害賠償事件について、相当な時間をさいて質疑が行われました。低速でしか走行出来ない狭い橋の上で、長さ60㎝幅20㎝高さ5㎝の石板を跳ね上げて車両底部を傷つけたとして草加市からF容疑者に直接支払われた104万円の損害賠償金が12月議会の議決を得る前の10月13日の時点で木下市長から担当者に「概算払いしろ。」と指示があり、既に賠償金が支払われていたという新たな事実が明らかになりました。

■不適切な賠償金の概算払い~市民の税金で便宜供与

「概算払い」とは通常、保険金額が確定する前に、被害者に対して緊急の治療行為などを行わせるために認められる措置。しかし今回の損害賠償事件は議決要件となる賠償金100万円を超えるケースであるため、議決前にこのような処理を先決できるかに疑義があります。議会の議決前に、しかも議案提案から1ヶ月も遡って賠償金を草加市が市民の税金から支払っていたことは不適切であり、大問題です。

今回、木下市長は市民の税金を使って、賠償金を事実上3ヶ月以上も早く前払いするよう指示を出し、明らかに暴力団役員のF氏に対して大きな便宜供与をしたことになります。

皆さんが何らかの事故に遭遇しても、保険金が下りるまでは立て替え払いしなくてはならないのが、市民の一般常識。補助金だって確定して支払われるまで、どんな市民団体も立て替え払いしてしのいでいるのが現状です。

■木下市長のしてきたこと~暴力団への便宜供与

議会にF容疑者が、自分が5年間も携帯電話などで親密に連絡を取り合っている暴力団であることを告げず、市議会の承認がなくては支払うことのできない100万円を超える賠償金を、議会に提案する1ヶ月も前に暴力団に対して支払ってしまった。そして、その事実を説明せずに、「一般市民に対する損害賠償金を支払いたい。」と議会提案し、議会を欺いて、木下市長自身が暴力団に対して行った便宜供与を隠蔽(いんぺい)した。これが昨日の100条委員会で明らかになったことの一部です。

木下市長を、市民の皆さんはどんな人物だと感じるでしょうか?私はこみ上げつつある怒りをこらえて、出来るだけ冷静に事実を解明していきたいと決意を新たにしています。

明日の100条委員会での審議の内容も、あらためてご報告いたします。

■今朝の読売新聞~暴力団と木下市長の関係は否定していない

読売新聞は「建設部幹部は、藤澤被告が苦情等を寄せた際、職員の前で木下博信市長に携帯電話をしたとされる点については、「一切ない。」と答えた。」とありますが、100条委員会に説明にきた職員の1人が、「当日の現場で、そのようなことはありませんでした。」と答えたのが事実であり、暴力団役員である被告と木下市長が携帯電話で連絡を取り合う関係であることを否定する発言ではありませんでした。引き続き、読売新聞の草加に関する記事については注意してお読み下さい。

木下市長と暴力団が携帯電話で連絡を取り合ってきたことは、木下市長が5月1日の市議会への全体説明会の中で自ら告白したことであり、風聞(ふうぶん)や噂(うわさ)の類(たぐい)では一切ありません。事実です。

瀬戸健一郎
Kenichiro Seto
草加市議会議員
Soka City Councilor
自由市民クラブ議員団団長
President, Liberal Citizens' Club


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