風のBLOG

東京演劇集団風の時事通信!
公演情報や稽古場速報、全国巡回公演の情報など
日々の出来事を速報!!

2015年秋『ハムレット』ツアー7週目(最終週)

2015-11-09 15:15:10 | 全国巡回公演

9月に広島、山口から始まって日本を縦断し東北までを駆け抜けた『ハムレット』の旅。いよいよ最終週を迎えました。

11月2日 燕中等教育学校(新潟県)

11月4日 古川学園高等学校(宮城県)

11月5日 郡山開成学園 郡山女子大学・短期大学・高等学校(福島県)

11月6日 船引高等学校(福島県)

 

燕中等教育学校

 

中等教育学校は六年制の学校で、ちょうど中学一年生から高校三年生と同じ年代の生徒さんたちが通っています。

新潟で今季一番の寒さの中、朝早くから大勢の先生方が劇団のバス・トラックを出迎えてくれました。初の演劇公演への大きな期待が伝わってきます。

今回の公演は学校の公演にしては珍しく自由席で、早く体育館に来た人から前の席で見られるようにしたと聞いていましたが、開場と同時に生徒さんたちが歓声を上げて入ってきました。「近くで見たかったので急いで昼ご飯を食べました!」という生徒さんも・・・!

開演前に照明・音響席を見に来た生徒さんたち

公演が始まると好奇心いっぱいの視線が舞台に注がれ、小さな動きにも生き生きとした反応が返ってきました。

公演後には4年生の男子と5年生の有志の生徒さんたちが片付けに参加してくれました。予定の下校時刻を過ぎても、最後まで手伝いたいと残ってくれた生徒さんもたくさんいて、その頑張りに先生方も感心していました。

また、体育館にはたくさんの女子生徒さんたちが手帳や下敷きなどを持って集まってきました。劇団員のサインをもらいながら観劇後の想いを語ってくれました。

生徒さんの人に対する真っ直ぐさと、先生方の暖かい眼差しを感じる一日でした。

 

 

 

 

古川学園高等学校

10年前に『星の王子さま』を上演し、5年前には『Touch~孤独から愛へ』を公演している学校です。

開演前の校長先生の挨拶では、岡本太郎さんの言葉を引用して「芸術とは見たり聞いたりする事を通して“なんじゃこりゃ~!!”と驚くことです。」と話してくれました。舞台袖で待機している私たちも、生徒の皆さんが驚きに出くわし心に深く残る場が創れるようにと願いました。

観劇後に代表の生徒さんからこんな舞台挨拶が。「このままでいいのか、いけないのか。ハムレットの言葉のように、私たちにも考えたり悩んだりすることがたくさんあります。私は考え続けることを辞めないでいたいと思いました。」10代の若い人たちがそのように感じる時間をこれからも創っていきたいと改めて思いました。

風の活動をずっと応援し続けてくれている先生が「今回の公演では、生徒がなぜこんなに興味を持って見入っていたのか・・・不思議なくらいよく見ていました。」とおっしゃっていました。きっと生徒さんたちの心の奧にあるものが動き出す場だったのではないでしょうか。

 

 

 

郡山開成学園 郡山女子大学・短期大学・高等学校

 

来年で創立70周年を迎える郡山開成学園の《建学記念講堂大ホール》で、年に3回行われている「芸術鑑賞講座」での公演。今回で192回目という歴史のある行事です。風では12年前に『星の王子さま』で訪れて以来久しぶりの上演です。

高校、短大、大学の女子生徒さん1200人が集まっての観劇でした。

公演が始まるととてもリラックスして楽しみながら、時に緊迫した空気に変化していく客席。カーテンコールでは会場中の皆さんが笑顔で思いっきり手を振ってくれました。

行事を企画している広報部の方々が呼びかけて下さり、「ぜひ劇団員と話がしたい」と100人を超える皆さんが会場に残ってくれました。中には昨年公演をした郡山商業高校の卒業生で「ハムレット」の観劇は2度目という学生さんもいました!客席内で行った座談会では、高校生と大学生が一緒になってハムレットを演じた佐野との話に盛り上がりました。座談会後も「他の劇団員にも会いたい」と舞台裏を訪ねてくれた学生さんたちと交流が続きました。

芸術・福祉・幼児教育などの学科がある学校で、子どものための演劇を創作、発表する場もあるとのこと。自分の夢や学園生活について話してくれた学生の皆さんの表情から、穏やかでのびのびとした学校の雰囲気が感じられました。

 

 

 

船引高等学校

いよいよ千秋楽の公演です。この日は意外な訪問者が・・・!

昨年『肝っ玉おっ母とその子供たち』を公演した神奈川県の善行中学校から、職場体験のために風の劇場を訪れていた2年生の生徒さんが、演出の江原早哉香、俳優の白根有子と共にはるばる福島県の船引高校まで来てくれました!

「なかなかできない経験です。」と舞台裏を見学したり、出演者にインタビューしたり積極的に劇団の活動にふれていました。

 

さて、開場時間になり生徒さんたちが入ってきました。『ハムレット』の公演に向けて図書や世界史の先生が中心になり、生徒たちが少しでも関心を持つようにと事前学習に取り組んでくれたそうです。校長先生の挨拶も「みなさん一人一人がハムレットになったつもりで観劇してください。」と、生徒に見て欲しいという願いが込められていました。

その成果も有り、幕開きから興味津々で楽しんでいる生徒さんたち。小さな出来事も見逃さない眼差し、感じたことを言葉に出して参加してくるエネルギー!本当に生命力溢れる客席でした。

公演後の片付けには、バトミントン部とサッカー部の皆さんが手伝いに駆けつけてくれました。「写真を撮りたいので、片付けも手伝います!」と有志で参加してくれた生徒さんもいて、最後まで盛り上がりました。

一方、演劇部の生徒さんと顧問の先生がぜひ座談会をしたいと申し出て下さり、体育館の後方で車座になり、ハムレットと話し込んでいる様子・・・!たくさんの質問が出たようです。(下の写真は演劇部のみなさん)

舞台の撤去が終わり、いよいよお別れの時には「なんだか切ないなあ」「寂しいです~」という生徒さん。

たった一日の出来事にもかかわらず、心を開いてくれた一人一人との出会い。私たちツアーメンバーの心に深く刻まれ、次の旅へと繋がっていくと思います。生徒の皆さんにとっても、かけがえのない自分の心が動いた感覚が、この先も自分らしく人や物事と出会っていく力となることを願っています。

公演のためにご尽力いただいた先生方、道具の搬入、撤去を手伝ってくれた皆さん、このブログやホームページの「掲示板」にメッセージを寄せてくれた方々、そして観客席から「ハムレット」を一緒に創り出してくれた皆さん、本当にありがとうございました!!

 

文:稲葉礼恵(オフィーリア役)

 

 


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひな)
2015-11-09 20:08:18
先日は開成学園に来ていただきありがとうございました!
ステージからすごく近い席で見れてみなさんの演じてる迫力に圧倒されてました。
なかなか自分で劇をみることはないのですがとても楽しく見れました!
雑談会でも質問に熱心に答えてくださりとてもわかりやすかったです!
舞台裏まで連れて行ってもらえて写真やお話もたくさんさせていただきみなさん温かい人で大好きになりました!
最後までお見送りできてよかったです!
また開成学園にきてください!
今度は劇場にも観に行きたいです!ありがとうございました!
返信する
ひなさんへ (kaze-blog)
2015-11-12 22:12:05
こちらこそ有り難う!!

ひなさんは最後まで見送ってくれたメンバーの一人でしたか、寒い中皆が笑顔で見送ってくれたのはとても印象的でした。

僕にとっても姉が通っていた関係で小学生時代からたびたび訪れていた開成学園の舞台に立てたことは本当に嬉しかったです。

残念ながらブログの記事にあるように今年は『ハムレット』のツアーは終わってしまいましたが、今度は東中野の劇場での再会を願っております!!その時も是非、声をかけに来てくださいね♪

ハムレット役 佐野準
返信する
Unknown (ひな)
2015-11-12 23:14:33
忙しい中お返事ありがとうございます!

座談会のときに「ハムレットと一緒にいる白い人」は誰か聞いた時分かりやすく説明してくれてハムレットという物語をより良く知ることが出来ました!

あの日はほんとに寒かったですね!!
風など引かないように気をつけて頑張ってください!!
返信する

コメントを投稿