3月11日を境に様々な価値が大きく変容を遂げたんだと思う。
このあたり、いずれ一度真面目に振り返りたいのだが、考えがまとまらない。
まとまらないので、当たり障りの無い事柄を先にアプしてしまう。
幸か不幸か、いや、偶然でしかないのだろうが、ひさ個人は東北地方との縁は極めて薄い。
縁者も知人も誰一人住んでいなかった。
その事実さえ、今回の事が起きて初めて認識したくらいなもんだ。
そんなだから、土地勘も距離感も今もって我が身の腑に落ちる感じはない。
思い返せば16年前、神戸で地震が起きた際には
国営放送以下の在京メディアは軒並み地名を読み間違えたり場所を間違えたりした。
市町村名さえ覚束無かった。
そりゃあ、東京の人間にとってみれば500キロも離れた地の事など知る由もない。
仕方が無いことだ。
自分を顧みれば、他地域の事など地図とネットがなければ全く概要を掴むことさえできないのだから、
他人がそうであることを非難することはできない。
それなのに、
あの地震以降、被害状況が次々と報じられるなかで居ても立っても居られなくなった。
出てくる地名が全て聞き覚えがある。
県庁所在地や大型地方都市だけではない。
相馬も会津も、二本松も白石も。
ネット上で宮城県亘理町で命からがら逃げ果せた人の文章に行き当たるに至って、
今すぐに駆け出したい衝動に駆られた。
これらの地を、ひさは知っている。
行ったこともないし知人も居ないが、その地の由来となった武将の名は全て思い当たる。
そう、あの名作大河ドラマ、「独眼竜政宗」のお陰だ。
この辺りの土地の成り行きはひと通り把握している。
ひと通りどころか、むしろ第二の心の故郷と呼べる程に慣れ親しんでいる。
江戸時代初期、亘理町を治めたのは、伊達政宗の従兄妹にあたる伊達成実だ。
奥方の実家が亘理家だった。
政宗が仙台に城換えされた時に成実を亘理に配置し、以後居城となった。はずだ。
地元の武将の名がそのまま地名に残っている地域は東北を除いて案外少ないのではないか。
安定的に地方政治を敷いていたとも言えるし、地元に目ぼしい風物がない事の表れかもしれない。
(松島とか石巻とか一部では残っているけれども)
裏返してみれば、自然災害が頻繁に起こるため自然物から地名を名づけづらい環境なのかもしれない。
この辺りは妄想でしかないが。
だから、もう一度彼らに会いたくなった。
ただの観光気分で現地に入るのはまだ時期尚早かもしれない。
それなら、せめてあのドラマで時期が至るまでの間、復習しようではないか。
ということで、買っちゃいました。
DVD「独眼竜政宗 完全版」。
NHK大河ドラマ 独眼竜政宗 完全版 第壱集 第1回 ~第27回収録 [DVD] 価格:¥ 44,100(税込) 発売日:2004-01-23 |
何がどう完全かというと、何と日曜午後8時からCM無し45分間放送していたあれを全部ノーカット収録しているという、
マニア垂涎の一品。
ちうか、マニア以外誰も手を出さない一品。
中古品で購入したため、それなりに安くは買ったものの、
制作者にも東北地方の方々にもビタ一文寄与していない。いいのか己。
誰得な買い物ではあるのだが。
東北への思いを目に見える形で表明し、今回の地震が己にとって無関係ではないことを明らかにしたかった。
誰に対して明らかにしたかったのか?
誰だろうなあ。己ではない何者かにだろうかなあ。
ということでアマゾンでポチっとボタン発射したことで入手したDVD。
普通に平日徹夜で観続けてしまうんですが。
何ですかこの魔力。
超おもしれーじゃねーか。
目を離す隙がないというか45分間一度もムダかなと思う瞬間がないというか、
個々の役者の芝居力がなくてもぐいぐい引きつけてくる構成力。
専門家ではないのでよく分からないのですが、
脚本が巧みなのか演出が上手いのか、映像の編集方法が絶妙なのか。
今観ても全く色褪せていない映像の力を感じました。
国営放送はむしろいっそ大河ドラマの再放送枠にこれを毎週流せばいいと思うよ。
ちうことで(?)
暫くはこちらに鑑賞後の感想を書き連ねそうです。御免。
……まあ、地震の前から某BASARAゲームで奥州筆頭にいれこんでいた事は敢えて声高には言うまい。