川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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憲法につきまとう復古(ナショナリズム)勢力

2005-07-05 18:53:02 | Weblog

◇旧天皇制度維持への執着-「大逆罪」維持を企む
国立国会図書館の日本国憲法の誕生読みますと、日本側が旧天皇制度の秩序維持に力を集中していることがよくわかります。それを象徴するかのように、新憲法公布の日として、明治天皇誕生日である11月3日に定めました。

吉田首相の感想はこうです。「新憲法は、種々難点があるが、現状では一応満足するほかない。また一応けりをつけておいたほうが内外の状勢上よい。」吉田首相はまた、大逆罪の廃止を要求したGHQに対して、存置するべしとして交渉をしました。

占領開始の1945年秋から1946年秋までの1年間、新憲法制定に至る過程は、明治憲法下の天皇支配体制を少しでも残したい日本側(ナショナリズム勢力)と、日本の侵略体質を徹底的に葬り去りたい連合国側(リベラリズム勢力)のせめぎ合いでした。

◇非軍事化体制作り・天皇制廃止・自由で民主的な社会の建設
連合国側(リベラリズム勢力)が日本の侵略体質を葬るために第一にしなければならないことは、非軍事化体制作りでした。第二にしなければならないことは、軍事国家日本を作り上げてきた社会体制を葬ることでした。それは天皇制を廃止し、自由で民主的な社会体制を作ることを意味していました。

◇二つのポイント-天皇制と軍備
ここに、戦後日本がずっとひきずってきた二つのポイントがあります。日本の支配層には、軍備を残そうとする動きがありました。これは日本が敗戦と同時に連合国の大軍に占領されていたので、あっさり否定されました。しかし、この地下水脈が今も生きていて、「憲法9条改変運動」につながっています。もう一つのポイントは、天皇制を守ることでした。

◇ポツダム宣言-国体護持のために受諾が遅れた
1945年7月26日のポツダム宣言は日本に降伏を迫る宣言でした。そこには「日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切ノ障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由並ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ」とありました。

日本政府は「国体の護持」を降伏の条件としていました。「国体の護持」とは天皇制の維持であり、昭和天皇を戦争犯罪人にしないという意味でした。もう死に体であった日本は、その間にも、満州で南方で広島で長崎で、厖大な死傷者を出していました。

◇違憲判決と靖国神社・護国神社
地裁段階では靖国神社や護国神社を特別扱いすることに違憲判決が出ています。それでも靖国神社を特別な存在にしておこうとする勢力には非常に強いものがあります。

◇ワールドカップ応援は愛国心の発露ではない
また今、政府は教育基本法を改正しようとしていますが、その主眼の一つは「愛国心の育成」です。オリンピックやワールドカップなどで、我が日本人は熱狂的に日本チームを応援しています。それでも「愛国心が足りない」という人たちがたくさんいます。

その人たちにとって、ワールドカップに熱狂するたぐいの心は、愛国心ではないのです。彼らのいう愛国心とは、「従順で聞き分けがよく、日本の伝統や天皇にに盲目的な愛着を持ち、他国の物言いをすぐにケシカランと感じる」心ではないかと想像します。

◇今に続く旧体制日本の血-復古勢力
旧体制日本の血がどうしてこんなに濃いのか不思議に思います。その血が天皇制度の強化を願い、軍備の強化を願い、旧体制型愛国心の強化を願い、憲法9条改変を願っています。



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