川本ちょっとメモ

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安倍首相によるNHK間接支配 (中) 天皇は現御神(アキツミカミ)であると言う長谷川NHK経営委員

2014-12-04 21:27:41 | Weblog



1993年10月20日、右翼団体「大悲会」の野村秋介元会長の拳銃自殺事件がありました。自身の政治団体「風の会」を週刊朝日のイラストで「虱(しらみ)の党」とやゆされたとして抗議。朝日新聞東京本社15階応接室で拳銃自殺を図り、死亡しました。右翼人生の掉尾を飾る舞台として、朝日新聞東京本社を選んだのでしょう。以後、同年の文芸春秋社長宅発砲事件など言論テロが続きました。

昨年2013年10月には野村秋介追悼20年の会が開かれ、NHK経営委員の長谷川三千子氏は記念文集に追悼文を寄せました。この追悼文を読んで驚きました。旧仮名づかいは別として、戦後教育で育った人の中に、人間天皇をそのまま神であるという思想を持つ人がいることに驚きました。長谷川三千子氏は、埼玉大学名誉教授であり、哲学者とされていて、安倍首相がNHK経営委員に推せんした人物です。

長谷川氏はまた、「2012年安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」発起人で代表幹事を務めていました。次回に述べる百田尚樹NHK経営委員も、この「民間人有志の会」の発起人の一人です。


◇右翼人礼讃、天皇利用、憲法否定の思想

追悼文の中で長谷川氏は、「野村秋介氏の自殺は神に命をささげた行為であり、たとえ昭和天皇が人間宣言をされた後であっても、現行憲法にどのような規定があっても、その瞬間に今生きておられる天皇がそのままの姿で神になった」と書いています。

昭和天皇自身が1946年(昭和21年)1月1日付の詔書のなかで、天皇を現御神(アキツミカミ)とするのは架空の観念であると述べて、自らの神性を否定しているにもかかわらず。


追悼文の中の「『人間宣言』が何といはうと、日本国憲法が何といはうと」という言葉は、昭和天皇と今の天皇の人間天皇としてのあり方を否定し、自分の思想のために利用する行為です。さらに、「人間宣言」を前提とした憲法を否定しています。

長谷川三千子氏はまた、日本会議の代表委員の一人でもあります。日本会議は右翼的活動団体として日本社会に幅広く裾野大きく活動している団体です。この団体と関連団体等をウィキペディアで概観されるようおすすめします。日本社会でよく知られた人名や団体名を見ることができます。

安倍首相は長谷川三千子氏のような思想傾向の人たち、また日本会議を構成する人たちを自らの政治基盤としていて、そのような人たちをわが国の中枢に送りこんでいます。安倍内閣にも多数、日本会議のメンバーが入っています。

次に、長谷川氏による野村秋介追悼文を掲載します。報道写真から文字化しました。

追悼文の次に、この件に関する新聞記事を転載しました。併せてお読みください。

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長谷川三千子(埼玉大学名誉教授)

 ■追悼文(「野村秋介追悼二十年 群青忌」の文集に掲載)

 神にささげるお供へもののほとんどすべては、人間がもらっても嬉しいものばかりである。上等の御神酒は言ふに及ばず、海山の幸やお菓子の類―。或るとき神社の奉納のお祭りをごく真近で拝見する機会があったとき、ちゃうどお昼を食べそこねて空腹で、目の前を運ばれてゆくお供物に思はず腹が鳴って恥ずかしかった記憶がある。ああ、さぞや神さまも美味しく召上るだらうなあ、と思ったものである。

 しかし神にささげることはできても、人間に供することは決してできないものがある。自らの命である。よく陳腐な口説き文句に「君のためには命をささげる」などといふセリフがあるが、言ふ者も聞く者も、そんなセリフを文字通りに信じはしない。もしも本当にさう言って、女の前で割腹自殺する男がゐたら(よほどの毒婦でないかぎり)喜ぶ女はゐないであらう。下手をしたら、精神的打撃をかうむったと言って遺族に賠償を請求するかも知れない。人間は、人の死をささげられれば、それ以上の奉納はありえない。それは絶対の祭りとも言ふべきものである。

野村秋介氏が二十年前、朝日新聞東京本社で自裁をとげたとき、彼は決して朝日新聞のために死んだりしたのではなかった。彼らほど、人の死を受け取る資格に欠けた人々はゐない。人間が自らの命をもって神と対話することができるなどといふことを露ほども信じてゐない連中の目の前で、野村秋介は神にその死をささげたのである。

「すめらみこと いやさか」と彼が三回唱えたとき、彼がそこに呼び出したのは、日本の神々の遠い子孫であられると同時に、自らも現御神(アキツミカミ)であられる天皇陛下であった。そしてそのとき、たとへその一瞬のことではあれ、わが国の今上陛下(※きんじょうへいか=今の天皇)は(「人間宣言」が何と言はうと、日本国憲法が何と言はうと)ふたたび現御神(アキツミカミ)となられたのである。

 野村秋介氏の死を追悼することの意味はそこにある。と私は思ふ。そして、それ以外のところにはない、と思ってゐる。


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長谷川NHK経営委員 新聞社拳銃自殺事件を礼賛
毎日新聞 2014年02月05日 02時30分(最終更新 02月05日 03時35分)


 1993年に抗議先の朝日新聞社で拳銃自殺した右翼団体元幹部について、NHK経営委員の長谷川三千子埼玉大学名誉教授(67)が昨年10月、この自殺を礼賛する追悼文を発表していたことが分かった。メディアへの暴力による圧力には全く触れず、刑事事件の当事者を擁護したと読める内容で、NHK経営委員の資質を問う声が出ている。

 自殺した元幹部は新右翼「大悲会」の野村秋介・元会長(当時58歳)。警視庁公安部などが銃刀法違反容疑で同氏の自宅などを家宅捜索した。長谷川氏は元幹部の没後20年を機に発行された追悼文集に「人間が自らの命をもつて神と対話することができるなどといふことを露ほども信じてゐない連中の目の前で、野村秋介は神にその死をささげたのである」と礼賛。野村氏の行為によって「わが国の今上陛下は(『人間宣言』が何と言はうと、日本国憲法が何と言はうと)ふたたび現御神(あきつみかみ)となられたのである」と憲法が定める象徴天皇制を否定するような記載をしていた。

 また長谷川氏は、朝日新聞について「彼らほど、人の死を受け取る資格に欠けた人々はゐない」と不信感をつづっている。

 追悼文は昨年2013年10月18日に東京都内の会合で参列者に配布された。政府は同25日、衆参両院に長谷川氏ら4人をNHK経営委員会委員とする同意人事案を提示、11月8日に正式同意されている。

 長谷川氏は毎日新聞の取材に「非常勤のNHK経営委員には自らの思想信条を表現する自由が認められている。自らの仕事として精神思想史の研究を行ったり、民族主義者の追悼文を書いたりすることは、経営委員としての資格とはまったく無関係のこと。経営委員には番組作りに関与する権限はなく、追悼文を書いたからといって意図的な特集番組を放送することはありえない。経営委員は常にルールに従って行動している」としている。

 NHK経営委員の政治的な発言を禁じる規則はない。しかし放送法31条は、同委員の資格として「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する者」と定めており、議論になりそうだ。


 ◇資質疑う声も

 経営委員会は事業計画や毎年の予算の議決、会長の任命・罷免などを行うNHKの最高意思決定機関。委員12人(任期3年)は衆参両院の同意を得て首相が任命する。委員には政党役員や同一政党に所属する者が5人以上いてはならない。

 長谷川氏は昨年11月、作家の百田尚樹氏らとともに選ばれ「安倍カラー人事」と言われた。百田氏は3日、東京都知事選で田母神俊雄候補(無所属)の応援演説に立ち、南京大虐殺はなかったなどと歴史認識に関する持論を展開、波紋を広げた。

 放送法では個別番組の編集などに関与することはできないとされている。ただし経営委員会事務局によると、個人の思想・信条に基づいた行動は妨げられないとしている。

 服部孝章・立教大教授(メディア法)は「長谷川氏は言論機関に拳銃を持ち込み、発射したというテロ行為とみなされる刑事事件を何ら批判せず、むしろ礼賛している。このような人物をNHK経営委員に任命した責任を政府は問われなければならないし、国会は同意した責任を問われなければならない」と指摘した。

 作家の柳田邦男さんは「品格と見識を疑われるような言説だ。経営委員は、不偏不党が求められるNHKのあり方を左右する立場だ。その職に、こうした人物が選ばれることに時代の危機を感じる」と語った。


 ◇長谷川三千子(はせがわ・みちこ)

 1946年生まれ。埼玉大名誉教授、哲学者。「2012年安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」の代表幹事。少子化対策として、女性が家庭で育児に専念し、男性が外で働くのが合理的という趣旨のコラムを1月に発表、議論になった。


 ◇野村秋介氏拳銃自殺事件

 右翼団体「大悲会」の野村秋介元会長が、自身の政治団体「風の会」を週刊朝日のイラストで「虱(しらみ)の党」とやゆされたとして抗議。1993年10月20日、朝日新聞東京本社15階応接室で拳銃自殺を図り、死亡した。以後、同年の文芸春秋社長宅発砲事件など言論テロが続いた。

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<私のアピール>

2012年末の安倍政権成立以後の短年月、武器輸出3原則の緩和、特定秘密保護法の新設、憲法9条解釈変更の7・1閣議決定と、先行き不安な政策ばかり急激に推進されています。第2次大戦後の日本において安倍政権は最も危険な政権です。

安倍内閣打倒の機運を盛り上げていきましょう。与党であれ野党であれ、安倍首相と同じ考えの人を選挙で落としましょう。


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