カタスミ

『影踏み』横山秀夫著

あらすじが面白そうだったので購入。
死んだ双子の弟の声が聞こえる泥棒のお話。
以下ネタバレあり。






















いやぁ、渋い!
私にしてはすげぇ渋い選択をしてしまったので
読むのに時間がかかった^^;
でも面白くない訳ではなく。
もう渋いわぁ~、渋すぎるわぁ~…
俗にいうハードボイルドってやつですかね。
双子の弟を母親の無理心中で亡くし、
1人生き残ってしまった兄が
泥棒になり刑期を終えた所から物語は始まります。
なぜか死んだ弟の声が聞こえるのだが
これは幽霊なのか、それとも幻聴なのか。
昔からの恋人がいるが、
弟の事もあり、突き放してみたり、やっぱり気になったり。
話は大まかに流れはあるものの
基本的には短編と見なしていいのかもしれない。
サンタの話は泣いたわ…
弟は兄の知らない事を話しているので
やっぱ幽霊なのかもしれんけど、
最後兄に恋人への想いがまだある事を知って
あのタイミングで消えたんだろうなぁと思う。
あのタイミングで消えないと
修兄ィは刑事に借りを返す為に
また犯罪犯して牢屋に入ってただろうし。
あのタイミングで消える事で
多分修兄ィは泥棒から手を引く気がするなぁ…(願望も入ってますが)

しかし久子という人は、自分が意図していないものの
関わった双子の片割れ全部死に追いやっているので
案外死神なのかもしれんなぁ…とか思ったり。
修兄ィから離れられないエピソードを追加して頂ければ
より良かったかもしれない。

文章の表現が結構読者に考えさせる感じのものが多くて、
でもそれが余韻になっているというか…
こういうの行間を読むって事なんかな?
そういう表現がすごく上手いなぁと思った。

1点共感できなかったのは
修兄ィの泥棒やってる理由かな?
啓二への復讐の為の当てつけみたいなのがあったのかねぇ。
でもいてくれないと困るみたいな。
まさに愛と憎しみが同時にあったという事なのかしら。
啓二がいなくなったという事は
もう泥棒やる理由はなくなったって事でいいのかなぁ…
どのみちもう修兄ィには久子しか残っていないので
心入れ替えて久子と幸せになって下さい。

星は3.5。
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