《ニューヨーク直行便!》

NYでエディター&ライターとして活動しているアベカスの、
見たまま感じたままの私的ニューヨーク・レポートです。

BB KINGのライヴを観に行って来た!

2005-06-08 | NY 今日の感動

昨夜はBB Kingのライヴショーに行ってきた。
場所は、42丁目タイムズスクエア近くのライヴハウス、その名も「BB King」。
(さすがだよね、自分の名が付いたライヴハウスがあるなんて)

BB Kingといえば、福岡時代、出版社で音楽ページを担当していた私は
ブルーノート福岡で行われたショーを一度観ている。
この時点で結構なご高齢なので、一緒に行った同僚らと「(インターナショナルな長旅もそうそうできないだろうから)これがきっと最後のショーになるだろうね」と言いあったのを思い出す。
その彼を、しかもニューヨークで見られるとは夢にも思わず。

さて「BB King」(箱の話ね)はというと、ブルーノートを少し広くした雰囲気。
テーブルに座って、ディナーを食べ、それからライヴを鑑賞するというような流れはブルーノートと全く同じ。

75ドルもしたチケットに加え(日本と違ってアメリカでは、この値段は結構な破格)、
テーブルについて「ミニマム10ドルのオーダーをよろしく!」といったような札を発見。しぶしぶギネスとチキンウイングをオーダー。
飲んでる内に気分が良くなっておかわりしたけど、最後の会計で目玉が飛び出た。
あんな缶のギネスと少量のチキンウイングで、3人で100ドルぐらいとられた!
タックスやチップも入っているとはいえ…。
どうりでウエイター、めっちゃ愛想が良かったわけだ。

観客はというと、98%白人。あとの1%はアジア人と黒人だ。
前座も含めミュージシャンが全員黒人なのに、こんな高額なショーを見られるのがほぼ白人だけというのは、何とも皮肉な話だ。
皮肉っつうか、それがニューヨークの現実なんだけどね。

さてさて、9時前に登場したBB King。
まだ歌う前から、全身から発するオーラは言葉にできないぐらい「すごい」の一言。
出てきた瞬間、全観客が立ち上がって、「BB King!BB King!」というシュプレコール。
そしてそして、魂こもった歌声とギターさばきは言わずもがな。
「すっげ~」と言う以外に全く言葉にならない、自分の乏しいボキャブラリー力が、何とも情けない。

ところで、彼、今年で何歳だと思います?
驚くことに、
今年の9月でなんと80歳を迎えるんだとか!!
80歳ですよ! 80歳!!
私なんてきっと80歳ぐらいには、きっとヨボヨボでくたばってそうだけど…。
プレイはずっと座ったままだったものの、声量や声の切れ、その存在感、そしてトーク(ちょい下ネタのバイアグラの話とか(笑))、どれをとってもまったく80歳という高齢を感じさせなかった。

あそこまでいけば、大御所っていうよりも、神様に近い気がする。


夜景に酔いしれるレストラン

2005-06-02 | フード
3連休だったニューヨーク。
その最終日、前からずっと行きたかったレストランへディナーに行った。

「top of the tower」というそのレストランは、夜景がすばらしいスポットとして、数々のガイドブックで紹介されている。ちなみに数年前の「ブルータス」のニューヨーク特集でも「世界一の摩天楼が味方なら、どんな恋でも成就します。」なんてステキなコピー付でド~ンと載っている。

実は、私も以前ここを取材する機会に恵まれた。
瞬時に「しめた!」と思ったものだ。だって仕事で高級レストランに行ける、つまりニューヨークでも屈指のディナーを「タダ」でいただける。しかも百万ドルの夜景付でね。

そのときはアポまでこぎつけたものの、マネージャーに「そこは写真もあるので、リライトで」とあえなく却下され、泣く泣くキャンセルのお電話を差し上げた。

待てど暮らせど、そこへの取材の話はこないので、今回自腹で行くことにしたのだ。

場所はミッドタウンのイーストリバー沿い。ビークマンタワーの最上階にあるそこに着いたのは、夜8時前。ニューヨークは現在サマータイム導入中なので、8時といってもまだ明るい。

30分ぐらいしてようやく周囲のビルの窓に明かりが灯リ出してきた。
レストランからはテラスに出られる。
そこから、夜景をゆっくり眺めることにした。

夜空には残念ながら星はなく、その代わりに無数の飛行機が小鳥のように飛び交っている。
そんな夜空を照らすかのように、ビル群から光が放たれる。
「世界一の摩天楼」にさすがに酔いしれた。

夜景の綺麗なレストランといえば、ニューヨークには他にもきっと沢山あるに違いないが、ここの特徴としては、東側がイーストリバーとブリッジ、西側がミッドタウンのビル群という、どこをどうとっても様になるというところだろう。

ここまでは、よし。

さて、料理。
プリフィックスで45ドルと65ドルがあった。ついステーキに釣られて65ドルの方を選んだのだが、これが大失敗だったのだ。

アペタイザー(クレープの海老包み、サワークリーム添え)の海老は、ちんころ細かい海老が申し訳ない程度に入っていた。

気を取り直して、メイン。
期待の肉は、ナイフの入りが異常に悪く、噛み切れないくらい固い! それでもがんばって噛んでいると、そのうち肉の生臭さが口の中いっぱいに広がった。

諦めモードのデザート。
意外なことに、これが一番マシだった
もともとニューヨークはチーズケーキがおいしくて有名だが、ここのチーズケーキもまったりと濃厚な味。
まぁ満足だったけど、これに65ドルはないよな~!(怒)

「夜景代が50ドルぐらいかな」と、むりやり自分に言い聞かせる。
それでも、まだこの料理にして値段が釣り合わないんだけどね。

ということで訪れたい方は、前もってどこかで腹ごしらえしておき、ここではグラスを傾けることをオススメいたします。夜景の美しさは私の実証付なので。

マンハッタンの、もう一つのオアシス

2005-05-28 | 街の風景
この時期、マンハッタンのオアシス・セントラルパークはすごい混雑振り。
そこで、もっと落ち着けるところはないものかと探したら、ありました
マンハッタンの、もう一つのオアシス。

場所はマンハッタンの最北端で、ハドソン川沿いにある公園「フォート・トライオン・パーク」。
園内は様々な花が咲き乱れ、たくさんのリスや鳥を見かける。
園路ですれ違うのは、カップルやファミリー、そして犬の散歩姿など。やはり場所が場所だけに、観光客よりは地元の人が多いよう。

さて、この園路をずっと歩くと、その奥には「クロイスターズ」という美術館がある。
メトロポリタン美術館の分館らしい。

展示物は中世のフランス・スペイン美術で、その多くが宗教画や宗教関係の彫刻。この建物も、中世にヨーロッパで建てられたものを20世紀初頭にニューヨークまで運んで再現したものだとか。つまりこの建物そのものが展示物!

訪れている誰もが、イエスキリストの絵やユニコーンのタペストリーを真剣に見入っていた。

ちなみにクロイスターとは「修道院」とか「回廊」っていう意味なんだとか。
もちろん建物の中心には回廊があって、そこから差し込むまばゆい光がとても神秘的だった。


セレブが、そこに! 

2005-05-21 | NY 今日の感動

今日仕事で伺ったミッドタウンのロックフェラーセンタービルにある、とあるオフィスにて。

たまにここにいると、キャ~という女の子たちの黄色い声が聞こえてくることがある。
なぜかというと、1階にラジオシティ・ホールがあるから。

今日も夕方7時ごろ、女子のキャーという声が聞こえてきた。
しかし何かいつものと違う。
声のトーンが5オクターブ(?)ぐらい上がっている
しかもウェーブのように、鳴り止んだかと思うと、再び…というのが、何度も続く。

いつもは気にしない私も、「なになに?」と窓から下を眺めてみた。

すると、道路一面に、入り待ちの人・人・人。何台もの中継車とおびただしい数の警察官。
柵の手前には、ズラリと敷かれた
赤いじゅうたんが!

「何事や?」とラジオシティのHPで調べると、どうやらテレビ界のアカデミー賞といわれる「エミー賞」の授賞式だと。
どうりで、歓声がいつも以上に甲高かったわけだ。

オフィスにいたみんなも一気にミーハーになって、「誰?誰?」と、ペタリと窓ガラスに張り付く。
何せオフィスが5階にある上に、赤いじゅうたんがその真下にあるので、セレブの頭しか見えない(泣)。

それでも向こうの白いテントからこちら側の赤いじゅうたんの方へ、何組ものドレスアップしたゴージャス・カップルが向かってきた。そのしなやかな歩き方から、ドレスの裾のなびかせ方まで、どこをとっても完璧にセ・レ・ブ

セレブたちがこちらに近づくに度に、黄色い声もリフレイン。その声のデカさだけが、我々が唯一判断できる人気のバロメーターだ。

中にはファンサービスをしてあげる人までいたりして、イケメン男優の背中にあつかましく手をかけ、写真を撮るアメリカ版オバタリアン(死語)も絶好調!

そんなこんなしていたら、私がオフィスを出なければいけない時間に。

「ビル出たら、手を振ってみたら?! 見知らぬアジア人セレブだと思って、キャ~って言ってくれるかもよ」ってそそのかす同僚に、「そんなことないですよー」と謙遜するあたし。

ドキドキしながらビルを出ると、警官に「早く行け!」と追い払われただけだった…。

※【写真】赤いじゅうたんはビルの真下なので、壁がじゃまして撮影できず…。その雰囲気だけでも伝わればいいなと思って撮影しました。


寄付金集めパーティーのご報告、アメリカ人にとっての寄付とボランティア

2005-05-20 | NY よもやま話

<font size="2" color="black" style="line-height:160%;">

ご報告が遅れましたが、【ハーレム・エピスコーパル学校】の来年度分の運営費を集める
寄付金集めパーティーが、先週無事に終了しました。

100ドルするチケットが250枚が売れ
当日は生バンドによりジャズ演奏あり、DJあり(すべてボランティア)、ダンスパーティーありで大賑わい。
そしてオークションも大盛況に終わりました!!

後日、関係者に聞いた話では、この夜だけで日本円にして400万円ほどのお金を集めることができたそうです。驚くことには、60万円近くの小切手をポンと寄付した人までいらっしゃいました。
私はその太っ腹に驚くばかりだったのですが、
詳しく聞くと、昨年度のパーティーでも100万円以上もの寄付をしてくださった方が20人以上もいるそうです!
こんなまだ名も知られていない、誕生したばかりの学校に!!

で、今日こちらに駐在している日本人ご夫婦と話す機会があったのですが、同じような話がでてきました。
その方の息子さんが行く私立の幼稚園でも、資金集めパーティーをしたそうなのですが、
子供が描いたただの絵(って書くと失礼かもしれないけど)に
30万円50万円単位の落札がポンポンとあったそうです。

もうため息の一言。

最初は、「やっぱりアメリカ人はやることがでっかいな」とか「アメリカ人は慈悲深い」と驚くばかりだったのですが、単にそれだけの話じゃなさそうです。

「なぜ、アメリカ人は寄付好きか?」

これには、いろんな要素が絡んでいるなと改めて思ったので、少しだけ追加&補足しますね。

【理由】
金持ちが多い。裕福層と貧困層がはっきりと分かれ、金持ちは想像を絶するくらいのお金を持っている。
特にニューヨークは”大”金持ちがごろごろいます。

●その金持ちは、ただお金を遊ばせるだけでなく、この国を”もっと”平等にしたいと考える。
”もっと”というのがポイントです。なぜなら、完璧に平等になるのは不可能だから。

●確定申告のときの税金控除も、理由の一つ。
多額の税金が国に取られるくらいなら、困っている人に寄付し、それだけ控除を受けられた方がいいから。

キリスト教信者が多い。

などなど様々な理由があって、チャリティー活動が盛んになっていると思います。
募金の余裕がない人は(私みたいに)労働で奉仕したりします。それがボランティアですね。

話が飛びますが、アメリカでは身近な場面で【volunteer】って言葉を使うので、それも書いておきますね。

学校の授業なんかで誰も発言者がいない場合に、先生が「Can I have a volunteer?」(誰か発言してくれない?)って言ったりします。つまり、「誰か率先してしてくれる人いませんか?」ってこと。

つまり、肩肘はらずにまず自分のできる身近なことで、何か人のためになることがボランティア

私もボランティアといいながら、この学校のためにどっぷりはまっているわけではなく、自分のできる範囲内でお手伝いさせてもらっています。

今年のパーティーはひとまず終了しましたが、今後も何らかの形でこの学校を見届けていきたいです。

※写真は、サイレントオークションを品定めしているゲスト。自分が気に入った品物があると、競り落としたい値段を紙に書き込んでいきます。