kamacci映画日記 VB-III

広島の映画館で観た映画ブログです。傾向としてイジワル型。美術展も観ています。

デス・プルーフinグラインドハウス

2007年09月03日 | 洋画(良かった、面白かった、気に入った)
日時:9月2日
映画館:TOHOシネマズ
パンフレット:B5版700円。当然「プラネット・テラー」との2in1。米版のパブリシティを使った表紙もカッコいいんだけど、ここはやっぱり日本の70年代パンフっぽく、写真のコラージュとドスの効いた赤文字をデザインして欲しかったところ。

久しぶりのタランティーノ映画。「地獄のバスターズ」のリメイク話はどうなったんだとぼやくのは野暮ってもんなんだが、仕掛け満点のこの映画、これがクソ退屈で、クソ面白い映画なんだ、困ったことに。

言うまでもなく退屈なのは、女の子たちのおしゃべり。そんなの日常生活だけでいいよ。
もちろん、面白いのは、車が走り出してから。

前半、「森は深く~」の秘密のメッセージがドン・シーゲルの「テレフォン」の催眠メッセージと一緒とか、一気飲みするのがシャルトリューズって辺りがなかなか楽しいんだけど、やっぱり退屈。XXXなラストは「おぅ!」と思うけど、食い足りなさが残る。(ちょっと「フォールームス」に近い。)

後半はもう完全に「ファスター・プッシー・キャット・キル!キル!」。(てぃやーーーーーー!!!)
さらにカーチェイスにかかるのが、イタリア・ポリス・アクションのサントラ!これがカッコよくって、ワタシも出勤時のテーマ曲にしています。

カート・ラッセルと言えば、どちらかと言えば人のいい役が多いが、我ら(って誰?)にすればカーペンター&カート・ラッセル。「スタントマン・マイクって呼べ。」とは言わないけど。

珍しいぶざまな役どころに「カート・ラッセルぅ~」と嘆いている観客の人がいたけど、この情けないダメダメ悪役具合がちょうど70年代っぽいんだよねえ。イーストウッドの映画に出てきそうな感じ。

タランティーノって、単にリメイクするだけじゃなくて当時の映画が持っていた雰囲気を再現する天才なんだよな。携帯電話にATMも出てくるんだけど、気持ちは完全に70年代にタイムスリップ。劇中で言及された映画以外にも「悪魔の追跡」とか「ガントレット」「デス・レース2000年」を彷彿とするのは、ワタシだけではあるまい。

ところで、大阪と東京では「グラインドハウスUSA版」の上映があったらしいんだけど、二番館ものをわざわざ新幹線で見に行くというのは、この映画の製作精神からすると邪道(のような気がする)。
ここは全国に残る二番館的な映画館で上映してほしいね。広島なら当然「横川シネマ!!」。「怒りの荒野」も「ラス・メイヤー映画祭」も上映したこの映画館こそ、その名誉を担うにふさわしい。


 題名:デス・プルーフinグラインドハウス
 原題:QUENTIN TARANTINO'S "DEATH PROOF"
 監督:クエンティン・タランティーノ
 出演:カート・ラッセル、ヴァネッサ・フェルリト、ローズ・マッゴーワン、ゾーイ・ベル、ロザリオ・ドーソン

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