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PLCパブリックコメントへの意見(案)

2005年11月08日 | 無線
締め切りも近づいてきたので,そろそろ何と書こうか考えてみました。
以下が素案ですが,まだ時間もあるのでもう少し考えます。

今回の共存案は,学術論文で言えば「根拠・検討不十分でリジェクト(却下)」です。

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高速電力線搬送通信と無線利用との共存について(案)に対しての意見

提案されました高速電力線搬送通信(PLC)と無線利用との共存案ですが,以下のように検討が不十分であり,この共存案には反対します。

1.PLCの必要性について
 検討されているPLCは宅内系PLCですが,家庭内での接続は無線LAN等,より高速接続が可能な手段がありかつ普及している現在,PLCにより発生するノイズをゼロにすることが今のところ出来ていない技術水準で,あえてPLCを行う必要性はどこにあるのか。技術的興味関心での研究は結構であるが,いまだPLCは実用の域に達していないと言わざるおえない。

2.「 PLC機器の妨害波もこの周囲雑音レベル以下に抑制することが望ましい」とあるが,わずか1台のPLC機器が出す妨害波のレベルを周囲雑音程度にしたのでは不十分である。なぜなら,PLC機器を2台設置した場合を想定すると,妨害波レベルは2倍になり,周囲雑音レベルを超えてしまい,既存無線局は多大な影響を受けることになる。
 平成13年度6月21日の衆議院総務委員会(24号)での小坂副大臣(当時)の「総務省といたしましては、アマチュア無線のみならず、その周波数帯を使用している、今おっしゃった船舶通信とか短波放送受信など、既存の無線通信に妨害を与えないことがあくまでも前提である」という答弁が尊重されるべきであり,今回提案されている雑音レベル基準では,既存の無線局に影響を与える懸念が大きく副大臣答弁と矛盾する。
 無線局(受信アンテナ)の周囲に複数台のPLC機器が設置されるような,PLC機器が普及した場合のモデルケースを想定し,その条件での既存無線局への影響を考慮していない点で,今回の共存案の検討は不十分といえる。

3.構造物による遮蔽の見積もりについて
PLC機器の許容値算出のための,無線局等の空中線との距離は
 田園環境において  30m
 商業環境において  10m
で計算されているが,住宅環境はその中間の20mで考えればよいのであろうか? いずれにせよ,今回の見積もりにおいては,商業地域ではアンテナから10m以内にはPLC機器を設置しない前提となっているが,これはあまりにも現実離れした見積もりである。日本の住宅環境を考えると,戸建ての住宅でさえ隣家と受信アンテナとの距離が10m以上離れる事は難しい。集合住宅ではなおさらである。受信アンテナ内蔵の短波ラジオでは,物理的にPLC機器との距離を確保することも不可能である。先に述べたように,住宅環境が商業環境と田園環境との中間の20mで考えているのであればなおさらのことである,
 今回構造物による遮蔽を検討したそもそもの初期条件が,日本の実情と大きくかけ離れた条件での見積もり計算となっていると言わざるおえなく,不十分な検討である。

 このように,既存の無線局への影響の見積もりを「過小評価」した共存案では到底賛成できない。

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