漢方を利用した食養生・・・長崎から

東洋医学を応用した食養生、薬膳料理、漢方など、皆様の健康と快適な暮らしを応援する為の情報提供と健康相談を行ないます。

開生薬局の紹介

開生薬局は、「あなたの元気がすてきです!」をキャッチフレーズに、健康作りを中国漢方の立場から提案している相談薬局です。中医師と共に数年にわたって中医学の研鑚に努めてきた、薬剤師の手嶋 敏子が、お客様の訴えに対して、原因をわかりやすく説明した上で、中成薬による解決法を指導いたします。また、季節や体質に合った薬膳・薬用酒・薬湯の指導など身近な薬用植物等の利用法を紹介しています。ホームページはブックマークからどうぞ。

女性を美しくする生薬のいろいろ 第03回 芍薬

2009-08-22 00:06:46 | 漢方・薬用植物


今回のテーマは芍薬です。

立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と詠われるあの芍薬です。
何かしら美人を想像させますね。漢方では三つとも根の部分が生薬として使われます。

*ちなみに「立てば芍薬・・・」はいろんな解釈があり、例えば

  1.芍薬は立った状態で見るのが一番きれいで、
    牡丹は座った状態で見るのが一番、
    そして、百合は歩きながら見るのが一番きれいという説。

  2.芍薬は真っ直ぐの茎に花を咲かせるので美人の立ち姿、
    牡丹は横向きの枝から花を咲かせるので座った美人、
    百合は風を受けて揺れる姿が美人の歩く様子。

  3.立ったまま長くおしゃべりできる女性には芍薬を、すぐに座りたがる女性には
    牡丹を配合するとよい

  などなど

なお、この三つの花はリレーするように順番に咲きます。牡丹は4月末から5月の初め、
芍薬が5月中旬から6月末、そして百合が6月から8月。座って
いる美人が立ち上がって歩き出す
というながれです。


それでは

第03回:芍薬



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 芍薬(しゃくやく)はふっくらとやさしいシャク約(しゃくやく)を意味しています。
中国には風姿シャク約(ふうししゃくやく)という言葉があります。顔つきや姿
が美しくしなやかで、この花の色香、姿をなまめかしい美女にたとえた表現で、
一般には「芍薬美人」ともいいます。また灼耀の意味もあり、輝くような美しさ
を表しています。
 芍薬(しゃくやく)はむかしから中国の人々にも日本の人々にも親しまれて
きました。中国の春秋戦国時代に屈源が著した『詩経』という最古の詩集にも
男女の別れに再会を約して送られる植物としてその名が見られ、「二人の男女
が仲良くなって互いに芍薬(しゃくやく)を贈りあい」ました。日本でも芍薬を
顔佳草(かおよぐさ)といい、六妍(ろっけん)(芍薬、芙蓉(ふよう)、海棠
(かいどう)、木槿(むくげ)、梨花(りか)、長春(ちょうしゅん)の六種類、きれい
な花を意味する)の一員に数えあげています。「立てば芍薬・・・」のたとえもも
あり、各地で焼くよう、または観賞用として栽培されています。薬用に使うのは
根の部分です。

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 芍薬は白芍(びゃくしゃく)と赤芍(せきしゃく)の2種類に分けられます。



 白芍薬(びゃくしゃくやく)はボタン科の植物シャクヤクの根で、皮をむい
て乾燥させたものです。白芍薬(びゃくしゃくやく)は血に栄養を与える働
きがあり、月経困難、生理不順、おりもの、立ちくらみに使われています。
また主成分のペオニフロリンは鎮痛、鎮静、抗痙攣の作用があり、生理痛、
腹痛、胃痛、頭痛、こむら返り、手足の痙攣による疼痛に佳く働きます。
当帰(とうき)、川キュウ(せんきゅう)、地黄(じおう)、阿膠(あきょう)
(ロバからとったにかわ・コラーゲン)などと一緒に配合された当帰養血膏
(とうきようけつこう)は、中国の女性に大変人気があります。白芍(びゃくしゃく)
を中心とする薬は他に婦人薬としてよく使われる四物湯(しもつとう)や
十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などがあります。



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 中医学では、血の調整と貯蔵は「肝(かん)」が行うと考えています。
「肝血(かんけつ)」がよく流れると、生理が順調にきて、顔もつやつやし、
爪も輝き、お肌もつるつるします。芍薬(しゃくやく)は肝機能の回復を促進
しますので慢性肝炎、肝障害にもよく使われています。
 血が不足気味の人は「虚熱(きょねつ)」(からだの水分などが不足して
起こる発熱)が出やすく、のぼせ、寝汗をかく、落ち着きがなく、寝つきは悪く、
めまい、頭痛、耳鳴りなどの症状がよく見られます。現代医学的には、ホルモン
バランスのくずれ、更年期障害、交感神経の興奮、精神の緊張、高血圧と所見
され、芍薬(しゃくやく)は効果的です。
 一方、赤芍薬(せきしゃくやく)はボタン科シャクヤクの根をそのまま乾燥させ
たものです。
 赤芍薬(せきしゃくやく)には二つの特徴があります。まず、血に入る熱を冷ま
し、顔の赤らみ、目の充血、紅皮症、発疹などを改善します。次に、血の巡りを
よくし、ドロドロとした血の塊であるオ血(おけつ)を取り除き、オ血(おけつ)に
よる腹痛、生理痛、月経困難、みぞおちの痛み、肩こり、打撲傷、できものなど
によく効きます。赤芍薬(せきしゃくやく)はペオニフロリン、ペオノール、ペオニ
ン、タンニンなどを含んでおり、心臓の冠状動脈に流れる血液の量を増加させ
ます。
 現代人の生活は非常に豊になり、おいしいものをたくさん食べて体の中に熱
がたまりやすくなっています。そのため、血圧が上がって、顔も目も充血しがち
です。しかも、運動不足、ストレスなどが加わって、血液はドロドロと粘りけが
増して、流れにくくなり、狭心症、動脈硬化が大変多くなっています。これらの
疾病・症状に赤芍薬(せきしゃくやく)は効果を発揮してくれます。


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参考:


_.jpg  風姿シャク約のシャク

芍薬:

牡丹が「花王」と呼ばれるのに対し、芍薬は花の宰相、「花相」と呼ばれる。
ボタンが樹木であるのに対して、シャクヤクは草である。そのため、冬には
地上部が枯れてしまい休眠する。ボタンの台木として使用されるが、シャク
ヤク自体の花も美しく、中国の
代には育種が始まった。江戸時代には
「茶花」として鑑賞され、品種改良も行われた
古典園芸植物でもある。また
熊本藩では武士の素養として園芸を重要視し、奨励された。特に六種類の
植物が盛んに栽培、育種され、これを「肥後六花」と総称するが、
キク朝顔
椿等と共にシャクヤクもそこに加わっている。この熊本で育種された系統を
「肥後芍薬」と呼ぶ。これを含め日本のシャクヤクは一重咲きが中心で、特に
雄蕊が大きく発達して盛り上がり花の中央部を飾るものが多く、全般にすっき
りした花容である。この花型を「金蕊咲き」と呼び、海外では「ジャパニーズ・
タイプ」と呼んでいる。

花の形は「一重咲き」「八重咲き」「翁咲き」などがある。

株分けで増やすことが一般的。

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シャクヤクまたは近縁植物の根は、消炎・鎮痛・抗菌・止血・抗けいれん作用
がある(日本薬局方に収録)。生薬名「芍薬」(シャクヤク)。漢方ではポピュラ
ーな生薬で
葛根湯十全大補湯大柴胡湯当帰芍薬散など多くの漢方方剤
に配合される。根には配糖体である
ペオネフリン、アルカロイドであるペオニン
が含まれる。

Wikipediaより引用
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%83%A4%E3%82%AF

詩経:
シキョウ〈書物〉中国最古の詩集。西周から東周にかけて(前九世紀~前七世紀)の歌謡
三〇五編を収める。伝承によると孔子が編集して教養の書とし、のち「魯ロ詩」「韓カン詩」
「斉セイ詩」など三家のテキストを生じたが、とくに漢初の毛亨モウコウ・毛萇モウチョウの伝えた
『毛詩』が主となった。全体の構成は「風」「雅」「頌ショウ」の三部に分かれる。「風」とは
民風(お国ぶり)または、諷(ことばで人の心を動かす)という意味で、周南・召南・鄭風テイフウ
以下一五国の民謡や恋歌一六〇編を収める。「雅」とはかどのとれたことばや姿との意味で
、周の王朝や都の歌一〇五編を含む。「大雅」と「小雅」に分かれ「大雅」には宴会や祭礼
の歌が多く、「小雅」には末世の流亡をうたった詩が多い。「頌」とは誦ショウ(終わりまで通して
唱える)という意味で、周頌・魯頌・商頌の計四〇編を収め、祭礼の楽歌や神楽が多い。
一般に「国風」には短い叙情詩が多いが、雅や頌の中には「文王」「緜メン」「生民」「玄鳥」など、
民族伝説をのべた長編の叙事詩もある。詩の形式は、四言で一句、四句で一章となるのが
基本の形で、韻のふみ方は連続したり、句を隔てたり、変化に富んでいる。『詩経』は春秋時代
にすでに士人の必読の教養の書となり、『論語』『孟子モウシ』『墨子』などにも多く引用されている。
五経の一つ。十三経の一つ。
 漢字源よりの引用



Wikipedia URL : http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A9%A9%E7%B5%8C


芙蓉:

原産地は
中国で、台湾沖縄日本九州四国に自生する。日本では関東地方以南で観賞用
に栽培され、7~10月始めにかけてピンクや白で直径10~15cm程度の花をつける。幹は高さ
1.5~3m。朝咲いて夕方にはしぼむ1日花で、長期間にわたって毎日次々と開花する。

同属のムクゲと同時期に良く似た花をつけるが、直線的な枝を上方に伸ばすムクゲの樹形に対し
、本種は多く枝分かれして横にこんもりと広がること、葉がムクゲより大きいこと、めしべの先端が
曲がっていること、で容易に区別できる。

葉は互生し、表面に白色の短毛を有し掌状に浅く3~7裂する。 花は他のフヨウ属と同様な形態で
、花弁は5枚で回旋し椀状に広がる。先端で円筒状に散開するおしべは根元では筒状に癒合して
おり、その中心部からめしべが延び、おしべの先よりもさらに突き出して5裂する。果実はさく果で、
毛に覆われて多数の種子をつける。寒地では冬に地上部は枯れ、春に新たな芽を生やす。

Wikipediaより引用
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A8%E3%82%A6

芙蓉.jpg  芙蓉


海棠.jpg 海棠

木槿.jpg 木槿


梨花.jpg 梨花



長春花.jpg 長春花(中国産薔薇の一種)



Kyuu.JPG 川キュウのキュウ



阿膠:

 阿膠(アキョウ、学名: Asini Corii Collas)は、
生薬の一種で、ロバの皮を水で加熱抽出して
作られるにかわ(
コラーゲン)のこと。

 血液機能を高める効果があり、主に貧血婦人病への処方や、美容のために用いられて
いる。 

 古くは、『
五十二病方』(約2,500年前)などの書物に記載がある。楊貴妃が美容のために
隠れて服用していたという記述があるように、身分の高い女性の間で人気があった(当時、
アキョウは非常に高価であったため、一般の女性が手にすることは不可能に近い)。習慣
性流産に悩んでいた
西太后が、アキョウを飲んで不妊治療に成功し、同治帝を産んだこと
でも知られる。

Wikipediaより引用
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E8%86%A0


<次回以降予定>

第04回:川キュウ(せんきゅう)
第05回:地黄(じおう)

第06回:四物湯(しもつとう)と婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)

順次更新していきます。

++++++++++++++++++++++++

開生薬局は日本中医薬研究会会員店です。

健康相談、子宝相談、食養生 なんでも気軽にご相談下さい。

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長崎市目覚町4-10
開生薬局 (電話:095-840-9777)
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http://www1.cncm.ne.jp/~kaisei-p/toppage.htm
 




  


女性を美しくする生薬のいろいろ 第02回 当帰

2009-08-19 23:12:37 | 漢方・薬用植物


今回のテーマは当帰です。
当帰は「女性の宝、美容の女王」といわれており、あらゆる血(けつ)の症状に
重要な役割をする生薬です。

それでは

第02回:当帰



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 当帰(とうき)は女性の健康と美容にはなくてはならない生薬(しょうやく)と言わ
れています。
 セリ科の植物の根で、強い芳香があり、味は甘く、辛く、からだを温める
「温(おん)」の性質を持っています。中国の女性は昔から当帰(とうき)を
「美容の秘薬」としてよく使ってきました。現在でも中国南方の女性は当帰
(とうき)のドライシロップを飲む習慣があります。

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 女性の一生は「血(けつ)」とは切っても切れない関係にあります。



 中医学でいう、「血(けつ)」は人の生命活動を維持する基本の物質で、顔色が
良く艶やかで、皮膚がふくよかで潤っていて、毛髪に光沢があるのも、目などの
感覚器や筋肉や骨が円滑に動くのも、すべて血(けつ)が十分にあって初めて
できることなのです。こころ、思考、気分などの精神活動を支えている物質的な
基礎も「血(けつ)」なのです。
 女性は毎月の月経で一定量の血がなくなり、しかも妊娠、出産、授乳には充分な
血が必要です。だから、女性は常に血を養うように気をつけることが大切で、血の
不足、血の汚れ、ドロドロした血は女性を悩ますトラブルのもとになります。当帰
(とうき)は足りない血を養い、月経不順、無月経、貧血などを改善します。当帰(とうき)
は良い補血薬として、「血虚(けっきょ)」(血の不足などの状態)によるいろいろな症状
に効きます。また、血の汚れをきれいにし、ドロドロの血をサラサラにし、血の流れを
改善して、生理痛、無月経、月経不順、シミ、目の下のクマを解消します。当帰(とうき)
は血を調節し、多くの「血症(けっしょう)(血の異常)」を治し、血の病気にとっては非常
に重要な薬なのです。
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 当帰(とうき)には、子宮を興奮させる成分が含まれています。子宮の機能を調整し、
子宮平滑筋に対して興奮と抑制の療法の作用を持っています。子宮の中に圧力が
加わったときには興奮作用を与え、不規則な収縮を規則正しくし、収縮する力を強
めます。逆に、子宮の中に圧力がかかっていないときには、収縮をおさえる作用が
あります。また、ビタミンEの欠乏症を予防します。
 「皮膚は内臓の鏡」といわれます。血液はお肌に栄養物や酸素などを送って潤して
います。血液が不足したり、血液の流れが悪くなれば肌が荒れてきます。当帰
(とうき)には大量の精油、ビタミンB12、ビタミンA、ショ糖、ミネラルなどの成分が含ま
れ、血液に栄養を与え(養血(ようけつ))、血液の流れをスムーズにします(活血(かっけつ))。
その結果、お顔もきれいになり、お肌もピカピカになり、潤いを持った光り輝くきめ細かな皮膚
になります。
 当帰(とうき)の「養血(ようけつ)」と「活血(かっけつ)」の作用で、大腸を潤し、すべり
やすくし、便秘を自然に解消することができます。しかも当帰(とうき)は下腹部の血液の流れ
を改善し、粘膜を潤し、豊かなセックスライフを可能にしてくれます。また、赤痢菌、チフス菌、
大腸菌などが増えるのを抑える働きがあり、腸炎や下痢のときにも用いられています。
 お産の後の頑固な腹痛にも、当帰(とうき)はよく効きます。しかも、血液の流れを良くし、
血液の成分を調節し、女性ホルモンのバランスを整えますので、女性特有の「血の道」症を
改善します。母親になって若返ったという人の秘訣はこの当帰(とうき)にあるのです。
 また、肝臓に栄養を与え、その働きを保護し、強め、代謝を活発にさせますし、老化や
「生活習慣病」の「元凶」ともいわれている活性酸素を取り除き、からだの調子をととのえてく
れます。
 女性の健康、美顔、美容にとって当帰(とうき)は非常に重要で、欠かせない生薬(しょうやく)
なのです。婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、当帰飲子
(とうきいんし)はすべて当帰(とうき)を中心とした有名な中国漢方薬です。当帰(とうき)は
ほんとうに「女性の宝、美容の女王」といっても言いすぎではありません。

Kounou.jpg




参考:




当帰:

トウキ当帰 学名Angelica acutiloba)は、
セリ科シシウド属の多年草。漢方薬
として用いられる。
本州中部以北の山地に自生する。寒さに強く、高さ60~90cm。茎は赤く、葉は複葉
で縁にぎざぎざがある。夏から秋、白い小花を散形につける。全草に強い
セロリ
似た芳香を持つ。

根は血液循環を高める作用があり、充血によって生じる痛みの緩和に有効。膿を
出し、肉芽形成作用があるとされている。日本薬局方では「生薬トウキ」の基原植物 
は、トウキ及びホッカイトウキ(A. acutiloba var. sugiyamae)とされる。中国原産の
カラトウキ(A. sinensis)とは別種である。
当帰芍薬散補中益気湯紫雲膏などの
漢方方剤に使われえる。

Wikipediaより引用
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%A6%E3%82%AD


トウキ.jpg トウキ


中医薬:

当帰を用いた代表的な中医薬に

婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)があります。イスクラ産業が販売しており日本中医薬研究会会員店
の薬局で入手できます。

















■効能・効果
 更年期障害による下記疾患:
頭痛、肩こり、貧血、腰痛、腹痛、めまい、のぼせ、耳鳴り、生理不順、生理痛、冷え性

■特徴
 「婦宝当帰膠」は、トウキを初め、センキュウ、オウギなどを加えた処方でこれら9種類の生薬を原料とするシロップ剤です。更年期障害の方の頭痛、肩こり、貧血、腰痛、腹痛、めまい、のぼせ、耳鳴り、生理不順、生理痛、冷え性などの改善を目的としています。


<次回以降予定>

第03回:芍薬(しゃくやく)
第04回:川キュウ(せんきゅう)
第05回:地黄(じおう)


順次更新していきます。

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女性を美しくする生薬のいろいろ 第01回

2009-08-11 12:23:34 | 漢方・薬用植物


今回のテーマは「女性に対する中国漢方(生薬)の効能全般」の説明です。

それでは

第01回:女性本来の、自然の美しさを引き出す中国漢方




 「きれい」という言葉には麗しさと品格を感じさせる響きがあります。女性は日々
美しくありたいと願っていますが、生まれつき備わっている自然の美しさを引き出す
のが中国漢方なのです。

t_02.jpg 中国漢方は自然の美しさを引き出します。



 漢方薬は植物の葉、茎、皮、実、根など、また動物や鉱物など、自然にあるものを
利用
しています。その種類はきわめて多く、豊かです。その中でも当帰(とうき)、
芍薬(しゃくやく)、川キュウ(せんきゅう)、地黄(じおう)、紅花(こうか)、桃仁(とうにん)
などは、特に女性の美しさと健康にマッチした生薬(しょうやく)なのです。



 月経、妊娠、出産は女性だけのものです。この生理機能に生命のエネルギーともいう
べき「(き)」と、からだ中に栄養分を与え巡らす「(けつ)」、特にこの「血(けつ)」が
女性の健康と美しさに重要な役割を果たしているのです。



 女性は初潮を迎えてはじめて本当に女性らしくなります。生理のサイクルが順調で
あれば、いろいろなホルモンが溢れ、お肌も美しくなります。しかし、生理の乱れは、
逆にお肌やからだの調子にいろいろな悩みやトラブルを引き起こします。月経不順は
女性ホルモンのバランスのくずれによるもので、お肌の光沢をなくします。当帰(とうき)
は血を増やし、月経を調節し、お肌をつややかにします。また、生理痛の多くは血の
滞(とどこお)りによって起こり、顔にはシミも出やすくなります。川キュウ(せんきゅう)、
紅花(こうか)、桃仁(とうにん)は血をサラサラにし、生理痛をやわらげ、シミをとり、
潤いを持った光り輝くきめ細かい皮膚をつくります。



 若い女性は貧血になりやすく、生理の量が少なく、基礎体温が低く、冷え性で、肌は
カサカサ、ザラザラし、ふけが多くなりがちです。その時に、芍薬(しゃくやく)、当帰(とうき)、
川キュウ(せんきゅう)、地黄(じおう)などを飲むと、血を生き生きとさせるとともに健康的な
お肌になり、ふけがなくなり、生理が順調になってきます。

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 年を取るのは自然の摂理で、止むを得ないことです。しかし、当帰(とうき)、地黄(じおう)
は細胞を活性化し、からだが持っているパワーをいかし、老化のスピードに少しブレーキ
をかけることができます。同じ補血薬(ほけつやく)の仲間の何首烏(かしゅう)は白髪を黒く
させてくれます。

参考:



Kyuu.JPG 川キュウのキュウ

生薬:

生薬は、薬事法によって医薬品として扱われるものと、食品として扱われるものの2種類に
分類される。
日本国の薬事法では生薬も医薬品として扱っており、ヨーロッパでもドイツなどでは医薬品
であるが、アメリカ合衆国では薬局方に生薬が収載されているにもかかわらず、生薬から
精製した有効成分は医薬品として認めるものの、その原料である生薬自体は医薬品とし
て認めていない。それ故、生薬を指して未精製薬(Crude Drug)と呼び表したり、民間伝承で
用いられる場合などでは薬用ハーブ(herbal medicine)と呼び表すことも多い。日本における
生薬は、漢方処方や民間伝承の和薬などの東洋医療で用いられる天然由来の医薬品
すべてであるが、漢方医学の影響が大きい為、生薬と漢方薬とが同一視される場合も多く、
混乱を招いている。生薬は漢方医学以外にも、民間薬として単独で使用する機会もあるが、
漢方薬とは複数の生薬を漢方医学の理論に基づいて組み合わせた処方であり、決して
同一ではない。

生薬となる天然産物には、植物由来のもの、動物由来のもの、菌類由来のもの、そして
鉱物由来のものが含まれる。そして貼薬の様に原体をそののまま使う場合もあるが、
多くの場合は煎じ薬やエキス剤、チンキ剤など、加工してから薬品として用いる。西洋医学
のように注射剤として用いるものは無く、経口剤か貼薬として服用する。

日本国における公定医薬品書である第15改正日本薬局方(2006年)では、生薬と生薬製剤
および漢方エキスが「生薬等」に収載されており、薬局方に記載された方法で検定したものが
医薬品として使用される。すなわち、生薬のすべてが日本薬局方で認められているわけでは
ない。

生薬は天然物であることから、含有されている薬効成分は一定ではなく、同じ植物であっても
産地や栽培方法あるいは作柄によっても成分は変わる場合も多い。たとえば薬用人参を例に
取ると朝鮮半島産のものは「朝鮮人参」や「高麗人参」と銘うたれて重宝されるが、朝鮮半島
より導入した国産のものは「御種人参」(オタネニンジン)とよばれ格が下がるとみなされている。

Wikipediaより引用
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%9F%E8%96%AC

気:

Wikipediaより引用 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%97

(き)とは、中国思想および中医学漢方医学)の用語の一つ。一般的に気は不可視
であり、流動的で運動し、作用をおこす。しかし、気は凝固して可視的な物質となり、
万物を構成する要素ともなる。宇宙生成論や存在論で論じられた。

正字は「氣」。日本での通用の字体「気」は漢字制限
当用漢字常用漢字教育漢字)による略字。現代中国語では「气」が通用される。

中医学おける気はその主な活動部位により名称が異なっている。

原気(元気)




両親から受け継いだ先天の精が変化生成したもの。生命活動の原動力となる。
原気は、中焦からもたらされる後天の精により補給、臍下丹田(
陰交穴気海穴
石門穴関元穴のあたり)に集まり、三焦の働きで経絡を介し、全身を循って、
臓腑・器官・組織に活力を与えるものである。原気が旺盛なら下腹部に張りがあって、
体内の臓腑・器官も力強く働くため、活気があって粘り強く、疾病にもかかりにくい。
原気が衰えると、下腹部が軟弱となり、臓腑・器官も弱く障害を受けやすくなるので、
活動も弱々しく、疲れやすく、冷えて、疾病にかかりやすい。



宗気


肺において後天の精と天の気が交わって、胸中(サ中)に集まる気である。宗気は、
五臓の
六腑においては三焦の内、上焦)と関係が深く、臓の活動を支えて
いる気(心の拍動を力強く、規則正しく行わせたり、呼吸や発声をしっかりとさせる気)
である。宗気が不足すれば、呼吸の異常(少気、短気など)が起こったり、語声に力が
なくて、細くなったり、心の拍動が弱まったり、規律性を失ったり(脈の結、代など)する。



営気(栄気)


営気は、後天の精から得られる陰性の気(水穀の精気)である。営気は、津液
変化させて、血とともに脈中を行き、1日に人体を50回以上も循って臓腑や手足など
の内外諸器官を栄養して、それらの活動を支える。



衛気


衛気は、後天の精から得られる陽性の気(水穀の悍気)である。衛気は、脈外を素早く
循る気で、特に体表近くで活動、肌膚を温め(体温保持)、`理を開闔(皮膚の収縮と
弛緩)し、外邪に対する防衛的な役割をしている。衛気は、昼間に人体の陽の部
(体表部)を25周して、夜間に人体の陰の部(体内部)を25周する。



真気(正気)


真気は、先天の気と後天の気からなるもの。人体の正常な活動を支える気である。




推動作用


人の成長・発育や、一切の生理的活動及び新陳代謝をする働きで、原気、宗気、
営気、衛気、臓腑の気など全ての気に備わっている。
に関係する。


温煦作用


臓腑・器官などの一切の組織を温め、体温を保持する働きで、特に衛気・原気・
腎気と関係が深い。



防御作用


体表において、外邪の侵入を防御する働きで、特に衛気と関係が深い。


固摂作用


血・津液・精液などをつなぎ留める働きで、血が脈外にもれない(脾の固摂
(統血作用))ようにしたり、汗や尿がむやみに漏れ出る(遺精→腎の固摂
作用)を防いだりする。営気、衛気、脾気、腎気と関係が深い。



気化作用


精が気に、気が津液や血に変化したり、津液が汗や尿になって体外へ排泄
する働きで、営気、衛気、宗気、脾気、肺気、腎気と関係が深い。





臓気


五臓におさまり、それぞれの経絡の活動を支えている気である。


経気


経絡中を行き全身を循り、それぞれの経絡の活動を支えている気である。


胃気


胃を働かせる気、胃の働きによって得られた後天の気のことで、有無は予後に重要
な影響を及ぼすとされ、診断上(特に脈診)も重要視されている。脈は中脈で診る。




血:

 Wikipediaより引用 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80


(けつ)とは、中医学においては、脈中を流れる赤色の液状物である。生体内で活動
するものとして、
とともに重要なものである。

源は飲食物であり、
からもたらされる後天の精から造られ、素材は、津液と営気
であり、
による呼吸作用が深く関係している。

作用としては営気とともに脈中を流れて、四肢や臓腑を潤して、その働きを支え、夜に
は臥床時に
に戻るものであり、覚醒・活動時には、必要に応じて脈中を流れて全身
を循り、知覚活動や手足の動作、運動などの活動を円滑に行わせる。

心、肝、脾と関係が深く、心は、脈を介して血を全身に送り出し、血の循環や拍動に
関与(
血脈)し、肝は、血量を配分して、昼夜の別、活動する部位、器官に応じて血量を
調節し(
蔵血)、脾は血の生成に関与し、全身的な血量の多少に関係し、営気を介して
血が脈外に漏れない(
統血)ようにしている。

<次回以降予定>



次回以降、生薬個々の特徴や効能について説明していきます。

第02回:当帰(とうき)
第03回:芍薬(しゃくやく)
第04回:川キュウ(せんきゅう)

順次更新していきます。

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開生薬局は日本中医薬研究会会員店です。

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URL : 
http://www1.cncm.ne.jp/~kaisei-p/toppage.htm
 


女性を美しくする生薬のいろいろ 第00回 (はじめに)

2009-08-07 11:09:31 | 漢方・薬用植物


今回から「女性を美しくする生薬のいろいろ」と題して中国漢方で使われる生薬の
解説をいたします。今回は「はじめに」として内容概略を紹介します。


表紙.jpg


・著者紹介

著者.jpg


手嶋敏子のプロファイル詳細は「開生薬局ホームページ」を参照下さい。

 URL : http://www1.cncm.ne.jp/~kaisei-p/toppage.htm


・はじめに


はじめに.jpg


参考:

・楊貴妃:

楊貴妃(ようきひ、
719年開元7年) - 756年7月15日至徳元載(元年)6月16日))
中国代の皇妃。姓は楊、名は玉環。貴妃は皇妃としての順位を表す称号。
玄宗皇帝の寵姫。玄宗皇帝が寵愛しすぎたために安史の乱を引き起こしたと言
われたため、傾国の美女と呼ばれる。古代中国四大美女(楊貴妃・
西施王昭君
貂蝉)の一人とされる。現代でも世界三大美女の一人とされている。(クレオパトラ
と楊貴妃に、
ヘレネ(日本では小野小町)が加わる)。実際は太っていたという説もある。

Wikipediaより引用
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A5%8A%E8%B2%B4%E5%A6%83


Hua-Qing-Chi-Yang-Gui-Fei.jpg

    華清池にある楊貴妃像


・茘枝:

レイシ(茘枝、学名:Litchi chinensis
ムクロジ科の常緑高木の果樹。ライチ
広東語 )とも呼ばれる。

中華人民共和国南部原産で熱帯亜熱帯地方で栽培される。中国語では
リーチーで、属名もこれに由来する。「ライチ(ー)」は、
広東語での茘枝の読みを
片仮名表記したものである。英語のlycheeは、広東語風にライチーとも、北京語風
にリーチーとも発音する。ちなみに中国語で使われている漢字では3つの「刀」では
なく、3つの「力」である。

Wikipediaより引用
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%82%B7

Lychee.jpg 茘枝


・竜眼:

リュウガン(竜眼、龍眼)は
ムクロジ科ムクロジ属の常緑小高木またはその
果実。中国語では簡体字:刳瘁A繁体字:龍眼(ロンイェン)、タイ語では(ラムヤイ)。

 Wikipediaより引用
  
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%82%A6%E3%82%AC%E3%83%B3

longan_fruits.jpg 竜眼


・三峡:

 Wikipedia URL: 
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%B3%A1

Kuimen_gate.jpg

   瞿塘峡のキ門(きもん)(2006年) (Wikipediaより引用)




<次回以降予定>

第01回:女性本来の、自然の美しさを引き出す中国漢方
第02回:当帰(とうき)
第03回:芍薬(しゃくやく)

順次更新していきます。


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