快風丸

俺の船に乗らないか。

音楽が止む時

2018-06-24 22:39:33 | Weblog

4bit-fruitsのライブを、大阪、マザーポップコーンに見に行った。

パーキンソン病を患っている、ギター内村さん、今回のライブで、一旦バンドを、離れるとのこと。音楽をやめるわけではなく、このバンドに一区切り着けるとのこと。

ボーカルのあゆみちゃん、ずいぶん成長したなと思った。衣装、身振り、もちろん歌も、表現力が増したなと思った。キーボードのきしこさん、とても効果的な音をバンドに与えていた。

なんとも、気持ちの入った清々しい演奏だった。

 

このバンドが一旦終わるわけだ。

どこかで感じたことのあるデジャヴ。

 

大学を卒業するときだ。

これで、バンド、ロック、音楽は終わりだと思った。

自由を失い、荒波の海にサバニを漕いで行くのだと、さしたる覚悟も無いまま、不安と焦燥が全てをカバーした、あの気持ちを思い出した。

 

今日の内村さんのギター、良かった。

歌心のある、あたおのドラム、全てを包み込む筒井さんのベース。

ギターは、今日くらいシンプルで良いんじゃないかと思った。

 

5月26日の名古屋のライブの時にも同じことを思った。

以前と同じような、鮮やかな早弾きは影をひそめたが、バンドのアンサンブルとしては、とても良かった。

 

4bit-fruitsの本質は、どこか危ういバランス感覚だと思っている。楽器を持つ4人は、実は違う方向を向いている。主張の強い音が常に放射状に放たれた光の速さで響き合っている。

ギリギリのアンサンブルを、つなぐのがボーカルのあゆみちゃん。

 

この刺激的なサウンドが好きだ。

丸くまとまったバンドなんか退屈だ。

 

音楽は、時間と空間を、使って感情を表現する芸術だと思う。

録画も録音もそれを再現したに過ぎない。

ぜひ、もう一度、いや、何度でも、4bit-fruitsのライブが見たい。