メンタルヘルス…足立から発進

メンタルヘルスに関するボランティア活動や介護を担う人達とのビアサポートをお伝えします。

三重)認知症の母へ、母娘の歌「だいじこ子守歌」

2015年04月24日 | ニュース(介護)
三重)認知症の母へ、母娘の歌「だいじこ子守歌」
2015年4月24日(金)配信朝日新聞

 母は昔から「だいじこ」が口癖だった。1年前、認知症と診断された。「今のうちに、感謝の気持ちを伝えたい」。娘は歌を作った。歌詞には母の口癖を取り入れた。26日、2人で歌う。

 昨年の桜が咲く少し前だった。野田啓子さん(52)=津市=の母、宮木きみゑさん(80)=同=は「アルツハイマー型認知症」とわかった。物忘れがひどくなり、持病の薬を飲み忘れ、同じ話を繰り返すようになった。

 「とうとうか」。覚悟した啓子さんは、できるだけ多く2人の思い出をつくりたいと考えた。幼い頃に母が何度も自分に言ってくれた「だいじこ」という言葉が心に浮かんだ。

 きみゑさんは、「だいじこ」を「大事な子」という意味で使っている。「あんたはだいじこやに」と言い続けてくれた母なら、この言葉を忘れることはないだろう。

 ♪いつまでも わたしは だいじこ かあさんの だいじこ

 啓子さんが作った「だいじこ子守歌」の3番までの歌詞に、覚えやすいメロディーを友人がつけた。曲は2分程度と短く、啓子さんと一緒にきみゑさんも最後まで歌いきることができた。昨秋には友人5人の伴奏やコーラスでレコーディングし、「だいじこファミリー」としてCD30枚を自費で制作した。1月に津市であった歌やダンスの祭典「たんたらホイ!フェスin三重」では、知事賞に選ばれた。

 これまで人前で歌ったことがなかったきみゑさんは、歌い始めで啓子さんの右手をぎゅっと握る。しかし曲が進むと力は少ずつ弱くなり、表情も柔らかくなるという。

 変化は日常生活にも。きみゑさんは歌を始めるまで、「長生きなんてするもんじゃない」とよく口にしていた。しかし、今では「人と会った方が脳が活性化するのでは」と啓子さんと頻繁に外出するようになり、最近では「私、80歳の星やから。もっと元気にしとらな」と張り切っているという。

 「だいじこ」を歌う時はいつも、啓子さんの子どもの頃を思い出しているというきみゑさん。「いま、本当に幸せです」。啓子さんは「きみちゃん(きみゑさん)は私のだいじこ。歌には『ありがとう』の気持ちをのせています」。

 「だいじこ子守歌」は、26日に津市中心部の「まん中広場」である「大や門どフェスティバル」で披露される。午後1時ごろからになる予定だ。(金沢ひかり)

■だいじこ子守歌

 1、だいじこ だいじこ いつも いつまでも わたしは だいじこ かあさんの だいじこ

 2、だいじこ だいじこ ゆらり ゆられて かあさんの うでのなか かあさんの だいじこ

 3、だいじこ だいじこ きこえる きこえるよ かあさんの やさしいこえ かあさんの だいじこ

強制入院判断の妥当性検証…聖マリアンナ医科大学

2015年04月24日 | ニュース(精神)
強制入院判断の妥当性検証 指定医不正問題で病院側
事故・訴訟 2015年4月24日(金)配信共同通信社

 聖マリアンナ医大病院(川崎市)は23日、精神保健指定医資格を不正取得し、本来は権限を持っていない医師が判定した強制入院事例の妥当性について、第三者による検証を行う方針を厚生労働省に伝えた。同日提出した中間報告に盛り込んだ。

 厚労省は、患者の拘束や隔離の判断をしたケースについても調査して報告するよう求めており、病院はこれらの決定プロセスも調べる。さらに退職者を含め、過去にさかのぼって同様の不正がなかったかも調査。1カ月後をめどに、あらためて結果を同省に報告する。

 一方、今回の問題では、不正申請した医師が、自分が十分に関わっていない患者の症例に関し、先輩のリポート資料の表現を変えて提出するなどしていたとされる。病院側は、こうしたリポートの使い回しを防ぐため、症例を一元管理するシステムを構築するなどの対策も中間報告に記した。

 病院などによると、資格を不正取得した医師は100人以上の患者の強制入院を判定していた。病院側は、川崎市など関係自治体や第三者の協力を得て検証を進め、判断が不適切だった場合は、患者家族に個別に謝罪するという。

 尾崎承一(おざき・しょういち)病院長は報告提出後の記者会見で「指定医取り消しの重大な処分を真摯(しんし)に受け止め、徹底した調査と再発防止に努める」と語った。

 ※精神保健指定医の不正取得

 厚生労働省は17日付で、聖マリアンナ医大病院の30~50代の医師20人(退職者を含む)について、精神保健指定医の資格を取り消した。このうち11人は2010~14年、診断や治療に十分に関わっていない症例を虚偽申請。指導する立場にあった9人はチェックを怠り、実際に患者を担当したかどうか確かめずに署名していた。資格を不正に取得した医師が、患者の強制入院の可否を判定していたことも明らかになっている。

NPO法人地域精神保健福祉機構からのお知らせ

2015年04月22日 | 精神しょうがい
CONHBO 地域精神保健福祉機構のお知らせ

2015/05/16

精神障害を持つ親に育てられた方のための家族による家族学習会セミナーin東京
http://comhbo.net/event/report/report_20150516.html

家族による家族学習会とは
精神障害を患った人の家族は、社会や自分自身の偏見から、誰にも話すことができず、孤立しています。そのため、家族同士が学び合い、支え合う場として、アメリカで家族ピア学習プログラムが始まりました。日本では、2007年にNPO法人地域精神保健福祉機構(通称:コンボ)が「家族による家族学習会」を始め、全国で実施されるまでに普及しました。
「家族による家族学習会(以下、家族学習会)」とは、精神疾患を患った人の家族を「参加者」として迎え、同じ立場の家族が「担当者」としてチームで運営・実施する、小グループで行われる体系的なピアサポート・プログラムです。このプログラムでは、テキストを使って、疾患・治療・回復・対応の仕方などの正しい情報を学ぶとともに、家族自身の体験に基づいた知識や知恵を共有します。
プログラムの目的は「家族が元気になること」です。元気になる家族には、「家族学習会」に参加する家族も、それを実施し運営する家族も、すべての家族が含まれます。
家族学習会では、これまで「親」や「きょうだい」の立場の参加者がほとんどでしたが、精神障害を持つ親に育てられた方を対象に実施します。精神障害を持つ親に育てられた方は、家族のことを誰にも話せず大人になった方が多くいらっしゃいます。親の病状に対する不安や戸惑い・絶望感、子供の頃に受けた理不尽な過去の体験に蓋をしています。大人になっても、子供の頃からの不安や絶望、生きづらさを抱えたままです。同じ立場の者同士が体験を語り合い、共感し合う場が必要だと思っています。 (HPより抜粋)

開催概要
日程 :平成27年5月16日(土)
時間 :13:00-16:00
会場 :東京大学医学部教育研究棟2階 第1、2セミナー室(本郷キャンパス)
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_02_09_j.html

一部を紹介させて頂きました。
詳細はHPをご覧になって下さい。
会場には足立区からは
日比谷線仲御徒町下車徒歩25分 または大塚駅行きバス 湯島四丁目下車数分
                  東大構内行きバス 龍岡門下車3分
千代田線湯島駅下車徒歩15分  または大塚駅行きバス 湯島四丁目下車数分
東大龍岡門を入って前方左ににひときわ大きく高く白い建物が医学部教育研究棟です。

若年性認知症、8割失職…厚労省研究班

2015年04月20日 | 若年性認知症
若年性認知症、8割失職 働き盛り、生活に不安 職場の配慮不十分 厚労省研究班
2015年4月20日(月)配信共同通信社

 65歳未満で発症した若年性認知症の人に対する厚生労働省研究班の生活実態調査で、就労経験がある約1400人のうち約8割が勤務先を自ら退職したり、解雇されたりしたと回答したことが18日、分かった。働き盛りで家計を支えていた人も含まれ、仕事を失った後の生活への不安は強い。

 若年性認知症の発症年齢は平均51・3歳。症状には個人差があるが、早期に適切な治療を始めれば、進行を遅らせることができる場合もある。労働時間の短縮や配置転換など、仕事を続けるための配慮が十分とはいえず、企業側の意識改革が求められそうだ。

 調査は国や大学と認知症の共同研究をしている認知症介護研究・研修大府センター(愛知県大府市)が2014年夏から年末にかけて実施。秋田、岐阜、大阪、香川など15府県の医療機関や介護、障害者施設に調査票を送り、18~64歳の認知症患者2129人について、施設担当者らから回答を得た。

 就労経験があると確認できた1411人のうち、定年前に自ら退職したのは996人、解雇されたのは119人で、合わせて79%に上った。定年退職したのは135人だった。

 さらに施設担当者とは別に、本人や家族から回答があった383人について詳細に分析。発症時に就労していたのは221人で、内訳は正社員・正職員120人、非常勤・パート40人など。221人のうち、その後に退職や解雇となったのは計約74%だった。約20%の人は労働時間の短縮や配置転換、通勤などの配慮が全くなかったと回答。中重度の要介護者が多く、現実的に就労が難しいケースがある一方、職場での配慮があれば、働き続けることができた可能性もある。

 発症を境に世帯収入が「減った」のは約59%、家計が「とても苦しい」「やや苦しい」は計約40%で、今後の生活や経済状況について不安を感じている人は約75%に上った。

 ※若年性認知症

 65歳未満で発症する認知症。2009年の厚生労働省研究班の推計によると、全国に約3万8千人で、平均の発症年齢は51・3歳。女性よりも男性に多いとされる。脳卒中が原因で起こる血管性認知症とアルツハイマー病が大半を占める。働き盛りで症状が出ることが多く、経済的な影響が大きい。40歳以上であれば介護保険を利用できるが、デイサービスなどは主に高齢者向けで、使いづらいといった指摘がある。

精神保健指定医資格の不正取得…聖マリアンナ大学

2015年04月20日 | ニュース(精神)

聖マリアンナ医大病院から患者受け入れを 川崎市が近隣病院に要請

2015年4月17日(金)配信神奈川新聞

 聖マリアンナ医大病院(川崎市宮前区)の医師が精神保健指定医資格を不正取得し取り消し処分を受けた問題で、川崎市は16日、市内の精神科診療体制を維持するため、近隣病院に患者受け入れを要請する考えを明らかにした。

 市によると、同病院の精神科受診者数は1日当たり平均約130人(2013年度)で、県全域で進めている精神科救急医療体制にも協力している。今回の不正取得問題で指導医を含む20人が資格を取り消され、常勤の指定医は5人に減少。病院側は当分の間、「神経精神科」の診療態勢を縮小するとしている。

 市役所で同日会見した市健康福祉局の坂元昇医務監は「人権に関わる重大な問題。病院に対して厳正に対処したい」と強調。資格を取り消された医師に大学側が懲戒免職や停職などの処分を下した場合を想定し、「最終的にどれくらいの指定医を確保でき、他の病院で患者を吸収できるのかなどを話し合いたい」と述べた。

 その上で、同医大病院が担っている精神障害がある患者の受け入れについて「市立川崎病院や、横浜市内の総合病院などにもお願いしたい」とし、地域の精神科医療体制を維持するための方策を検討する考えを示した。また、身体合併症がある患者の受け入れなどについては、「早急に医療継続のために努力してほしい」と要望した。

■強制入院28人に関与

 川崎市は16日、精神保健指定医資格の不正取得で取り消し処分を受けた聖マリアンナ医大病院の医師が2010~14年度、本人の同意なしで強制的に入院させられた患者28人の判定に関わっていたと明らかにした。28人のうち4人は、不正取得した医師本人が判定していた。市は保健所などに勤務する市職員の指定医に依頼し、28人への判定が妥当だったかどうか、当時の診断書などから確認する。

 市によると、28人は、複数の指定医の判定に基づき、他人への危害や自傷の恐れがあるとして市長が決める「措置入院」となった患者。残る24人は指導医が判定していた。28人のうち1人は聖マリアンナ医大病院に入院し、27人は別の病院だった。現在も入院中の患者はいない。

 病院側は15日、措置入院に「不正取得の11人は関わっていなかった」とし、指導医については触れていなかった。16日になって「内部調査を院内に限っていた。他の病院に入院した患者については記録がないため、確認していない」と説明した。大学と病院側は調査委員会で事実関係を調べている。


不正取得指定医、4人の措置入院判定 聖マリアンナ病院
2015年4月17日(金)配信朝日新聞

 聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)の医師による精神保健指定医の資格不正取得問題をめぐり、川崎市は16日、不正取得を理由に資格を取り消される指定医11人のうち4人が、患者を強制的に入院させられる「措置入院」の判定に関わっていたと発表した。

 措置入院は指定医が判定し、都道府県知事や政令指定市長の権限で本人の同意が無くても患者を入院させることができる。川崎市によると、指定医4人が判定に関わり、措置入院した患者は、2014年度までの5年間で4人。現在も入院中の患者はいない。市は「重大な人権に関わる問題」として、指定医の資格を持つ市職員による独自の検証を行うという。

 この問題をめぐっては厚生労働省が、医師20人の資格を取り消す処分を決めている。病院によると、医師らは措置入院とは別に、家族などの同意を得て入院させる「医療保護入院」の判定に関わっていた。関係する患者は100人おり、病院は今後、判断が妥当だったか第三者の専門家に検証してもらうとしている。


人権と法への意識欠如 識者談話

2015年4月16日(木)配信共同通信社

 精神障害者の家族でつくる全国精神保健福祉会連合会の本條義和(ほんじょう・よしかず)理事長の話 強制的な入院治療をするかどうかをめぐって患者とその家族はしばしば対立し、大きなストレスを抱える。その入院の可否を判断する精神保健指定医には、人権と法令順守への高い意識が求められるはずだ。今回、資格取得に不正があった背景には、そうした意識の欠如があったのではないか。医師個人はもとより病院と大学の責任も重く、入院制度自体に疑いの目が向けられても仕方がない。医療現場や行政には、患者と家族に寄り添う気持ちを忘れず、適正な制度運営に努めてほしい。

精神保健指定医」資格 11人、不正取得か 聖マリアンナ
2015年4月15日(水)配信毎日新聞社

「精神保健指定医」資格:11人、不正取得か 聖マリアンナ

 聖マリアンナ医科大学病院(川崎市)の11人の医師が、精神障害のある患者を強制的に入院させるかどうかを判断する「精神保健指定医」の資格を不正に取得していた疑いがあることが病院への取材で分かった。他にも別の3人の医師が同様の方法で資格の取得を申請中だったことも判明。厚生労働省は15日に開く医道審議会の資格審査部会に諮った上で、資格の取り消しや停止の処分を検討する。

 厚労省によると、指定医は精神保健福祉法に基づき、患者本人の同意なく強制的に入院させる措置や、隔離や身体拘束などの行動制限が必要か判断できる医師の資格。資格取得には一定期間の実務経験に加え、資格を持つ指導医のもとで自ら診察した入院患者8例以上のリポートを同省に提出する必要がある。2012年3月末で1万3880人の指定医がいるという。

 しかし、病院によると、11人が提出したリポートには、同じ患者の症例を使った酷似した内容や、自分が担当していない症例を報告した内容が記載されている疑いがあるとされる。2月中旬、同省から「不適正な申請が行われている」との指摘を受け、発覚した。

 病院は調査を継続しているが、指摘を受けた医師については一般外来の初診からは外した。そのため神経精神科では今月から「外来診療および入院病床の確保・維持が極めて困難な状況となった」として診療体制を縮小しているという。

 病院側は「厚労省の(処分の)発表を待ちしかるべき対応を取っていきたい」としている。【鈴木敬子、桐野耕一】