鏡海亭 Kagami-Tei ウェブ小説黎明期から続く、生きた化石? | ||||
孤独と絆、感傷と熱き血の幻想小説 A L P H E L I O N(アルフェリオン) |
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第59話「北方の王者」(その1)更新! 2024/08/29
拓きたい未来を夢見ているのなら、ここで想いの力を見せてみよ、 ルキアン、いまだ咲かぬ銀のいばら! |
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小説目次 | 最新(第59)話| あらすじ | 登場人物 | 15分で分かるアルフェリオン | ||||
『アルフェリオン』まとめ読み!―第18話・前編
【再々掲】 | 目次 | 15分で分かるアルフェリオン |
迫り来る嵐を前にして、僕はまだ戸惑っている。
――理由をください。守るべきものさえない惨めな自分に。
それでもこの手はすでに剣を握っていた。僕は理由なき戦士になる。
◇ 第18話 ◇
1 旧世界の日記―天空植民市、崩壊の真相?
《塔》の天空人の日記より
某月某日
……《アストランサー》の試作体が《処置》の直前に逃亡したのは、ど
うやらエインザール博士の仕業だと思われる。事件の直後、博士もアルマ・
ヴィオを使って地上界に逃走。彼が《アストランサー計画》に反対してい
たのは知っているが、なぜこんな暴挙に出たのだろうか?
某月某日
……逃亡した試作体《ミリュウス》の行方がようやく判明。地上に降下
したアストランサーが、ミリュウスらしきものによって倒されたというの
だ……。エインザールは自ら地上人に手を貸し、かつて地上に追放された
ルウム教授とも接触したもよう。
某月某日
……エインザールのアルマ・ヴィオによって、地上討伐軍が甚大な被害
を受けている。《全身が燃え盛る炎のように赤い、翼を持った悪魔》……。
売国奴エインザールは、最初から天上界に反逆するつもりで、あのアルマ・
ヴィオを開発していたのかもしれない。一部では、《教会》関係の地下組
織から彼に資金が流れていたという噂もある。
某月某日
……天空都市《ピスケオス》の大惨事。非戦闘員まで含め、犠牲者は膨
大な数に及ぶ。恐れていたことが現実になってしまった。《紅蓮の闇の翼》
は、とうとう天にまで達したのだ。他方、地上人たちによって討伐軍は次
第に追いつめられている。このままでは《世界樹》が奪取されるのも時間
の問題かもしれない。最後の切り札だったアストランサーさえも、あの忌
まわしいミリュウスに次々と倒されている。
某月某日
……ピスケオスに続き、天空都市《トーラ》も、エインザールの赤いア
ルマ・ヴィオの餌食になった。我々の《ゲミニア》もいつ滅ぼされるか分
からない。このような状況の中、《教会》は国に反旗を翻したに等しい。
教会を支持する天空都市《ヴィエルゴ》も独立を宣言し、地上人との単独
和平交渉を開始し始めた。
◇
「この日記も、例の友人が解読して私に知らせてくれたものです。これを書いたのは、パラミシオンの《塔》で仕事をしていた研究員あたりでしょうか……。おや、降り出したようですね」
水滴がぽつりと窓に当たったかと思うと、たちまちのうちに激しい雨が外の景色をにじませた。低くたれ込めた雲の向こう、草原の地平線はもう見えない。
小さく伝わってくる雷鳴を聞きながら、クレヴィスは言った。
「日記を納めた《ディスク》……どこにあったものだと思います? 塔の2階に並んでいた、あの何の変哲もない研究室のひとつです。無駄だと言いつつも、少しは調査しておいて良かったですね。資料室に大切に保管されていた文書よりも、机の上に転がされていた個人的雑文の方が役に立つとは、いささか皮肉なものですが」
クレヴィスの静かな声だけが部屋に漂う。
2 隠された予言 !? 終焉を呼ぶ紅蓮の闇の翼
言葉を発することもできず、じっと紙の束を見つめるシャリオ。
継ぎ目の無いのっぺりとした白壁と、その内側に埋もれて見えない柱。装飾をほとんど廃した、あたかも箱の中にいるような四角い空間――いわゆる《旧世界風》の様式である。
この単純極まるラウンジは、現世界人であるクルーたちには人気がない。機能性や合理性を崇拝する旧世界人とは、審美眼も違えば、《居心地の良さ》の感覚も相当に異なるのだ。
室内にはクレヴィスとシャリオ以外に誰もいない。もっとも、ここならば空いているだろうと考えて、わざわざ2人はこの退屈なラウンジにやってきたのだが。
「人間の思い込みというのは、怖いものですわ……」
しばらくしてシャリオも、伏し目がちの表情で話し始めた。
「《平和で豊かな旧世界》の中で、あのように残酷な実験をしてまで人々が得たかったものは何か? 私たちはそんな疑問を感じていました。でもそれは全くの勘違いでした。旧世界のうち、ごく一部の平和で豊かなところ……つまり《天上界》の人間たちが、《地上界》との戦いに用いる兵器として、人体を改造し、何か恐ろしいものを作り出そうとしていたのでしょうか? わたくしにはそんなふうに思われますの」
「旧世界の真の姿と、あの塔で行われていた実験の意味。おぼろげながらも見えてきましたね。シャリオさんのおっしゃる通り……《アストランサー》というのは、追い込まれつつあった天上軍がなりふり構わず開発した、本来《禁じ手》であるような類の生体兵器ではないかと考えられます。しかし我々の現世界にとって深刻な問題は、むしろ……」
そうですね、と頷いたシャリオは、クレヴィスの書いたメモを見た。そこには《沈黙の詩》に出てくる《紅蓮の翼》という箇所が記されている。
暗き淵に、すなわちその蒼き深みに宿りし光が
憎しみの炎となりて、真紅の翼はばたくとき、
終末を告げる三つの門は開かれん。
「日記の叙述にある《紅蓮の闇の翼》や、《全身が燃え盛る炎のように赤い、翼を持った悪魔》という表現は、たしかにこの一節を連想させますわ。旧世界の滅亡を伝えるとともに、その惨禍の再現を暗示する《詩》のことばを……」
現世界の終焉をほのめかす予言詩――シャリオの心の中で、その謎歌がにわかに現実味を帯び始める。
彼女はおもむろに顔を上げ、深刻な視線をクレヴィスに向けるが、彼の方はいつも通り落ち着いていた。
「おっしゃる通りです。かつて天上界に恐怖をもたらした《紅蓮の闇の翼》が、つまりエインザールという人物の生み出した赤いアルマ・ヴィオが、現世界に再び蘇るとき……。いささか早計である気もしますが、そんなふうに置き換えてみるとどうでしょう」
「赤い、アルマ・ヴィオ……」
「えぇ。ところでシャリオさんは、《空の巨人》という言葉をご存じですか?」
「《大きな木》の昔話に出てくる《雲の巨人》とは、また違うのですね?」
3 光と闇、アルフェリオン、そして少年
首を傾げた彼女にクレヴィスが説明する。
「難しいところです。両者が同じものを指しているという見方も、できなくはないのですよ。それはともかく、《空の巨人》というのは古文書にも実際に登場するのですが、どうやらこの《巨人》が旧世界滅亡の引き金になったらしいのです」
太古の昔を幻視するかのような、遠い目をしてクレヴィスは語り続ける。
「私はこれまで、《沈黙の詩》に含まれる《紅蓮の翼》の一節は、実は《空の巨人》について述べているのではないかと考えていました。そして《炎》や《真紅》というのは、《憎しみ》を強調するための比喩だと理解していたのです。しかし友人から先程の《日記》のことを伝え聞くに及んで……《紅蓮の翼》とは文字通りの赤色だったのだと、自然に解釈する方がよいと思ったのです。ならば……あの件は、私の取り越し苦労だったのかもしれません」
《取り越し苦労》と言った後、クレヴィスが微笑んだのを見て、シャリオにも感ずるところがあった。
「それは、ひょっとしてルキアン君とアルフェリオンのことですか?」
「察しがいいですね。アルフェリオンの持つ想像を絶する破壊力と、6枚の翼とを目にしたとき……私はあの旧世界のアルマ・ヴィオこそ、蘇った《空の巨人》ではないかと危惧し始めたのです。勿論、まだその可能性が否定されたわけではありませんが」
「副長のお考えでは、《空の巨人》、《紅蓮の翼》、《エインザールの赤いアルマ・ヴィオ》は、全て同じものだということになりますわね。もしそうだとすれば、白銀色のアルフェリオンは……」
微かに浮かぶ安堵の表情。やはりシャリオにも、これまで不安感があったようだ。あまりに凄まじい力を秘めたアルフェリオンが、現世界に大いなる災いをもたらしかねないと。
溜息とともに、シャリオも笑みを浮かべた。
「するとクレヴィス副長は、アルフェリオンが《空の巨人》かもしれないと思いつつ、それでもルキアン君を信じて賭けたのですね」
「さぁ、どうでしょうか。とりあえず私は、彼の心が闇にとらわれてしまわぬように……私にできる手助けをしてあげたかっただけなのかもしれません。不遇の中でもルキアン君が決して失わなかった優しい心、《暗き淵に宿る光》が《憎しみの炎》となってしまう前に、彼に自分の生きる意味を見いだしてほしかったのです。その《意味》を彼が探し出せるに違いないという点では、彼を信じていたことになりますね。大丈夫ですよ、ルキアン君なら……」
クレヴィスは気楽な口調で、他人事のように物語る。
「昔、1人の男がいました。彼はこの世界を憎んでいた。それでも世界をどこかで信じていた。そんな彼をこの世界としっかり結びつけた細い光の糸……彼が本当に信じ、心から愛した人間。そのたった独りの大切な人と道を違えたときから、彼は虚無の中で戦いに身を投じ、修羅の日々をさまよい、憎しみの炎の命ずるまま多くの血をすすった。そんな男でも、変わることができたのですからね……」
いつも淡々と笑っている彼の目が、一瞬、寂しげに曇った。
4 精霊迷彩! 姿無き死神インシディス
◇ ◇
切り立つ断崖を舐めるようにして、麓の方から風が吹き上げてくる。
凍て付いた空気の中で、季節に取り残された雪が舞い散った。
一陣の風と共に、突然降ってわいたかのごとく、不気味なアルマ・ヴィオが次々と姿を見せる。議会軍・特務機装隊の用いる《インシディス》だ。
暗灰色の機体が辺りを埋め尽くし、細長い腕をカタカタと揺らしながら、赤い独眼を光らせるその様子は、あたかも霧の中に浮かび上がる死霊の群を思わせた。
――何だ、新手か!? 卑怯だぞ、機装騎士なら一対一で堂々と勝負しろ!
アレスはダンに見当違いの念信を送る。サイコ・イグニールとエルムス・アルビオレが、まさに斬り結ぼうとしていた時のことだった。
――ち、違う……オレは名誉あるパラス・ナイトだぞ! そんな汚い手なんか使ってたまるか。関係ない、こいつら議会軍が勝手に出てきたんだ。
勝負を邪魔されたダンは、腹立たしげに答える。
――議会軍? そうか。お前たち悪者を退治するために、軍もアルマ・ヴィオを差し向けてきたんだな。へっへっへ。ざまーみろ。
全く状況を理解していないアレス。
彼やパラス騎士団のアルマ・ヴィオは、《精霊迷彩》で姿を隠しつつ接近した特務機装隊によって、今や完全に包囲されていた。うごめくインシディスは20数体にも及ぶ。
元よりパラス騎士団側には、話し合いに応ずる意思はない。その点についてはファルマスがすでに指示した通りだ。
エルシャルトは不敵な調子で念信を発する。上品だが冷ややかな心の声が、議会軍のエクターたちに伝えられた。
――わざわざこんな山奥までお出ましとは、ご苦労なことです。しかし事前に何の連絡もないどころか、多数のアルマ・ヴィオを送ってよこすなどとは、穏やかではないですね。一体何のご用です?
しばらくにらみ合いが続いた後、議会軍側から返答があった。
――知れたこと。貴殿たちがここで行っている作業を、ひとつ拝見させていただきたい。
――残念ですが、それはかなわぬことです。そもそも私たちは陛下にお仕えする者。議会軍から口を出される筋合いなどありません。
――ならば聞こう。《大地の巨人》の復活は、この世界全体の行く末に関わる問題……それでも我々には無関係であると?
エルシャルトと特務機装隊の長との間でやりとりが続く。
――確かに無関係とは言えません。しかし世の中には、敢えて関わらない方がよいこともあるのです。
――あくまで拒否するというのなら、こちらも強硬手段を取る他はあるまい。
隊長がそう伝えた瞬間、再びインシディス各機の姿がかき消えた。そして目に見えぬ包囲陣の間から、MgSに装弾する音が微かに響く。
5 フィスカの純真、凍てついたメルカの心…
◇ ◇
「さぁさぁ、お立ち会いですぅ。ここに取り出しましたる、未来を占う22枚のカード。知りたいことが何でも分かる、不思議なカードなのですぅ」
怪しげな能書きを並べて、フィスカはテーブルの上にカードの山を作る。鈍そうに見える彼女だが、札を切る手つきは予想外に滑らかだった。
フィスカの正面にはメルカが退屈そうに座っていた。ご機嫌斜めのメルカは、むっつりとした顔つきで目をこすっている。
クレドールの医務室――フィスカとメルカの2人しか居ないと、がらんとして随分広く感じられる。薬草の香りが漂う閑静な部屋に、フィスカのとぼけた声だけが響く。
「まず、こうしてカードをかき混ぜます。それでぇ、あの……メルカちゃん、聞こえてますかぁ?」
フィスカはメルカの前で手を振った。
黙って首だけを大きく動かし、うなずくメルカ。
カードを山から1枚、2枚……全部で5枚手に取ると、フィスカはそれらを裏返しにして、卓上で十文字型に並べた。
カードの裏に描かれている絵は2種類。
揺れる炎のたてがみを生やした、二重瞼の太陽。
寂しそうに涙をひとしずく垂らしている、横顔の三日月。
フィスカはカードの山を手に取り、もう一度ていねいに切り直すと、メルカの前に差し出した。
「ほいっ。メルカちゃんもカードを1枚引いて下さいねぇ」
だがメルカは両手を膝の上に置いたまま、動こうとしない。
彼女の小さな手は何かを握りしめていた。1枚の便箋、それはルキアンが書き綴ったあの手紙だった。インクが点々と青黒く滲んでいる。
俯いたメルカは、頭の上にそっと手が触れるのを感じた。
ふんわりとした金色の髪が寝癖で乱れている。フィスカは少女の髪に手ぐしを入れて、軽く整えてやった。
「お姉ちゃん……」
か細い声でつぶやき、フィスカを見上げるメルカ。
「喋りたくないときには、無理して口を動かすのじゃなくって……とりあえず手を動かしたりするのが一番ですぅ。さぁさぁ、カードを引いてください」
フィスカの笑顔は、どことなく間が抜けた感じがするものの、真夏の花のように明るく純真だ。その暖かさは、少女の凍り付いた心にわずかでも届いたのだろうか?
6 「僕は、僕でしかあり得ないのだから」
◇ ◇
カセリナとの間の悪い再会に、ルキアンは力なく肩を落とした。
少年の胸を吹き抜けた春風は、ほんの一瞬でどこかに去ってしまった。
虚ろな目に漂う自嘲、唇には歪んだ微笑。
――あはは。そうなんだよね。そうさ……いつもの通りだ。こんなことだと思ってたんだ……。
「親爺殿、彼がルキアン・ディ・シーマー君です」
ルキアンの背中をランディが両手で軽く押した。
「えっ? あ、あの……その、公爵、は、拝謁できましたことを、光栄、に、存じます」
突然のことだったため、ルキアンは自分が何と言って挨拶したのか分からなかった。頭の中が真っ白のまま、ろくにお辞儀もせずに固まっている。
彼の無様で不作法な態度にナッソス公は眉をひそめた。もっともランディと相対するときと比べれば、公爵は遙かに機嫌良く思われるが。
ルキアンの肩をぽんと叩きながら、ランディが言った。
「彼は私たちを二度も危機から救ってくれましてね。これでなかなか頼もしい仲間なのですよ。《銀の天使》と共に、彼は私たちに奇跡(マジック)を見せてくれたのです。まぁ、この少年は本物の魔術師ですな」
「ほぅ。ランドリューク、お前からそんな素直な言葉を聞くとは珍しい」
公爵はいかにも疑わしげにルキアンを見やった。この陰気で軟弱な青二才が、果たしてそれほどの人間なのだろうか? 公爵の瞳はそう語っている。
他方、ルキアンの顔つきもわずかに変化した。
――頼もしい、仲間? マッシア伯は僕のことを《仲間》だと思ってくれているのだろうか。僕なんかのことを。どうしてこの人たちは、僕にもこんなに自然に接してくれるのだろう?
そう、《いつもの通り》ではない。貧乏くじを引いて傷ついたところまでは、確かにこれまでと何ら変わる点がなかった。だがそんな自分を支えてくれる人たちがいる。今は……。
ルキアンの目から涙が流れ出た。
こんな場面が来ることは永久にないのだろうと――予め失われた瞬間を空しく待っていた心の雫だ。
慌ててそれを拭い、姿勢を正す彼。
ふと見ると、冷たくそっぽを向いているカセリナが涙のむこうに映った。
しかし。彼は《怯え》なかった。体の中で何かがこれまでとは違っていた。
今までずっと、誰かに認めて欲しいと、おぼれる子供のごとく誰かに必死ですがろうとしていた。そうすることを止めてしまったなら、自分が人間だという証がなくなるような気がして。怖くて、怖くて。
そして他人に拒否されるたびに、背中に負っている影が膨らんで、なおさらの重荷となって自身を苛んだ。
自分を責めた。衆人とは違う己の性格は、要するに《心の奇形》なのだと。僕だけがおかしいのだと。
しかし。今なら心の目を開くことができるかもしれない。
――逃げるな。ここで立ち止まれルキアン。ひとりの人間として……世界と孤独に向かい合うときの、この巨大な重荷を恐れるな。潰されちゃダメだ! たった一歩でもいいから、前に、前に出るんだ!! そうすれば、いつか誰かが分かってくれる。いや、分かってくれた。やっと本当に僕を受け入れてくれる人たちに出会えたんだ!! だから……。
ルキアンは何度も念じる。
自分の体に、一点、小さな亀裂が走ったような気がした。
――恐れないで。勇気を出すんだ。許してあげようよ! 自分を許してあげようよ! 僕は僕を許そう。そうしなくっちゃ、だって、だって……。
《僕は、僕でしかあり得ないのだから》
投げやりではあれ、生まれて初めてそう思えた。彼にとっては奇跡だった。
◇
そのとき……。
格納庫に眠るアルフェリオン。
鋼の体の下、動力筋と液流組織に覆われた暗闇の奥。
あの黒い珠が微かに光った。
――今のあなたになら、できるはず。私を見つけて。早く、私を……。
【続く】
※2001年3月~4月に鏡海庵にて初公開
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