遺言の内容には、認知、相続人の廃除・その取消し、遺贈、寄付行為などのように、これを実現するために一定の行為を必要とするものがあるところ、これを行う職務権限をもつ者として、遺言で指定され又は遺言で指定を委託された者から指定され、あるいは利害関係人の申し立てによって家庭裁判所から選任された者のこと。
前者を指定遺言執行者、後者を選任遺言執行者といいます。
遺言者は、必ず遺言執行者を指定しなければならないというわけではありません。
ただ、遺言で「認知」「相続人の廃除」を行う場合において遺言執行者を指定をしていなければ、利害関係人は家庭裁判所にその選任を申し立てる必要があります。
遺言で遺言執行者を指定していたとしても、それを受諾して遺言執行者に就任するか否かは、指定された者の自由です。
※遺言執行者は、必ずしも弁護士や行政書士などの専門家である必要はありません。相続人のうちの特定の者を遺言執行者と指定することも可能です。但し、未成年者・破産者は遺言執行者になれません。
遺言執行者が複数人指定されている場合、原則としてその任務の執行は過半数でこれを決定することになります。ただし、遺言に「遺言執行者は各自単独でその職務を執行することができる」旨の文言があれば、それに従います。
遺言執行者は就任後、相続財産目録を作成し、相続財産を管理し、遺言執行に必要な一切の行為を行っていきます。
遺言執行者がいる場合には、相続人は相続財産を処分したり、遺言の執行を妨害するようなことはできません。
なお、遺言執行者の報酬は、遺言で定めることができます。もしその定めがない場合には、家庭裁判所が定めることができます。
参考条文 民法1006条以下