LONG ISLAND ICED TEA 別館

日常の出来事、雑感等々・・・本館の営業が甚だ更新しないので(爆)こちらにup.

【本日読了】暗黒館の殺人@綾辻行人

2008-10-13 21:25:38 | 
 熊本の山中奥深く、湖に浮かぶ小島に建つという暗黒館.
 資産家・浦登家が所有するこの漆黒の館は、地元の人々曰く「良くないものが棲む」と言い、近づくことを憚る禁域とされている.
 出版社に勤務する江南孝明は、一人暗黒館に向かう.彼が暗黒館に向かう理由・・・中村青司 江南が関わった殺人事件の舞台となった幾つかの館の設計者が、この暗黒館にも携わっていたと言う.
 稀代の天才建築家が関係する館でまたしても忌まわしい連続殺人が発生する.
 
 私「中也」は浦登家の長男・玄次に招かれ、玄次と共に暗黒館を訪れた.
 中也は、暗黒館の当主で玄次の父である浦登柳士郎に認められ、浦登家以外には席に着く事が出来ない「ダリアの宴」に出ることを許される.
 謎の宴「ダリアの宴」に出てからというもの、この一族の暗部を垣間見、そして自分自身も「ダリアの祝福」の呪縛に巻き込まれていく.
 そして館では、一人、また一人と惨劇の被害者が増えていくのであった.

 江南自身も十角の塔と呼ばれる施設から墜落し、記憶を失う.
 記憶が戻った時に、江南の前で連続殺人と、浦登家に宿るダリアの秘密の全てが暴かれる.
 そこには驚愕の事実が!



 予め言っておきます

1.今までに「館」シリーズを読んでいない方は、遠慮した方が賢明.
  出来れば6作読破してから挑戦した方がよろしい.

2.本格推理を期待している方は読まない方がよろしい.
  これは探偵小説ではありません.ホラーに近い感覚で読むが吉.



 ようやく読了しました.長い間下巻が行方不明だったもので、足掛け2年掛かって本日メデタク解決.
 その後読んで直ぐ、ネットで書評を確認しました.それは・・・自分が感じた事が人と違っているのか否かを知りたかったから.結論としては賛否両論・・・と言った方が良いのだろうか!?

 *以下悪意がある訳ではないのでご容赦を.更にネタバレとして捕らえられても仕方の無い内容を含んでいます.

 実の所、綾辻派の方以外の大多数が否なのではないか、との思いがどうしても拭えません.確かにこの文量と内容、そして結末のバランスから考えると、手放しで賞賛出来ません・・・綾辻好きの私でも.
 何より「視点」の在り方が読んでいく上で非常に難敵.
 まぁ、そこがこの物語の肝であり、ある意味生命線なのは良くわかるんだけど、超常的というかオカルトチックに導入されるのは・・・要は神の視点ってどうなのよ!?ってことですわ.

 けど、僕的には最大のサプライズである館シリーズの心臓部ともいえるアレが書かれていることで救われたし、ある意味納得して頁を閉じました.