KAGURAファン必読の1冊!神楽童子「お神楽初恋巡演記」

かつて「デーリー東北」新聞で掲載され共感を呼んだ幻の書が待望の発刊!
若き神楽師の巡演の旅が今ここに鮮明に蘇る!

笑門来福

2011年01月10日 | 日記
皆さま新年おめでとうございます。昨年,和力事務所の加藤木様がブログで「お神楽初恋巡演記」を紹介してくれてます。写真を掲載できませんが以下原文のままお読みください。
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「お神楽初恋巡演記」を読む
2009年11月19日 | Weblog 10月24日に吉岡一男さんからメールが入った。自費出版で「お神楽初恋巡演記」を出版するという案内だった。
「和力のHPを拝見しています」とコメントがあり、一関市「るるるの里」での和力公演でお会いしている方のようだ。
「お会いしているようだ」というのも失礼な話で恐縮なのだが、「るるるの里」公演は山里にふかく入りこみ、野っ原に組んだ野外舞台で昼夜2回の公演をし、野趣味あふれるものだった。
 青天井の下、賄いの煙がなびき、かがり火用の薪を積み込むおじさんたちが軽トラで出入りし、木の根っこを座席として並べ、観客席になる神楽殿のガラス戸を外し、座布団を用意する人などでごった返し、誰もが主人公の慌ただしい喧噪が心地よかった。

 名刺交換などの雰囲気などはない。

お互いに呼び合うのを聞いて、覚えるしかなかったから、わたしはこの里の主人、佐々木忠雄さんしかお名前を覚えられなかった。

 るるるの里・野外舞台

 吉岡さんのメールに添付された、ブログ「とりら」http://torira.exblog.jp/
を開いてみると、お神楽だけでなく、民舞やお祭り情報が色彩豊かに記されている。
「ふるさと岩手の芸能と暮らしの研究会」として、催される芸能が活き活きと取材され、コメントで多くのことを教えられる。

 さっそく書籍を注文して送ってもらうことにした。

 著者は吉岡さんの父、吉岡義三(昭和4年生)さんで、神楽師として65年のキャリアがある方だ。

…「小学3年のとき、神楽をみて自分でもやってみたいと思った。4年生になり仲間をつのって、神楽のお師匠さんに太鼓を借りた。チャンチャコ(手平鉦)は鉄びんのふた、竹を切ってきて焼け火ばしで穴をあけ笛をつくり、5人で門打ちをやりどこの家でもお米などを出して喜んでくれた」…。
 
 お祭りで買った、刀やひょっとこの面などを家から持ってきて道具をふやしていく。弾む心が伝わってくる。

 小学校を卒業し中学にはいる。
家業の農業・炭焼きを手伝いながら、師匠のもとに週に2回通って修行、その後、毎晩けいこに通うようになり、巡演に出ていく話がつづられるのだ。

 わたしは、送られてきた116ページの本を一気に読んだのだ。

 神楽舞の数は21演目ある。鳥舞・剣舞・傘舞・山の神舞などの他に、屋島の合戦という演目もある。
 狂言は11演目だ。鬼神のお松・根こ切り・太郎のがきなどだ。

 これらの演目をもって、正月(旧)に氏子の家々を門打ち(戸毎に悪魔退散・五穀豊穣を祈祷)しながら夕方までまわり、宿を提供してくれる「大宿」(おおやど)で、神楽舞、狂言を披露する。ここにはたくさんの人たちが集まる。
 大宿に宮司と神楽の師匠が泊まり、神楽師は村の有志が一人か二人泊めてくれる「小宿」に案内されて泊まるのだ。

「明日もやってほしい」と長逗留になることもある。演目がたくさんあるから、「次は○○」とリクエストも出る。
 集落の人たちの見送りをうけながら、山越えをして次の集落に入る。ホラ貝で合図をして門打ちに廻り、晩は大宿で興業をする。

 昭和23年の記録だと、1/3日~1/28日にかけて18カ所、2/7~2/28日までは14カ所を巡っている。
山間地から太平洋沿岸にかけてのかなり広い地域だ。氏子が広範囲にいたのだろう。

 65年の神楽師の思い出が淡々と語られる。

 芸を受け継ぎ、人々と喜びを共有する、歴史の重さを感じながらわたしは一気に読みすすめたのである。
 わきたつ思いにさせられる絶品、ぜひ一読をおすすめしたい。

 るるるの里・かがり火の台と花

※表紙絵・押し絵も魅力的です。スキャンをしてこのブログに転載したいと思いました。いろいろ試しましたが「容量をこえている」と機械に拒否され、載せられないのが残念です。
※出版元 ツーワンライフ出版 電話019-698-2333 1冊 1,000円

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和力事務所加藤木さま感謝感謝です。笑う門には福来る。今年も宜しくお願いします。

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1 コメント

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すばらしかった (みちのく神楽会)
2011-01-11 07:35:00
和力さんの公演を偶然にもみることができました。滝沢村に岩井沢邸という古い家でした。神楽と太鼓と笛の融合で現代風にアレンジされ素晴らしかったです。神楽童子さん今年もご活躍期待しております。