林間学校の第2日目。「農業体験」のプログラムがありました。
いつもは、スーツの私達も、今日はポロシャツ+チノパンというラフな格好に
なります。私が同行・添乗したのは、『ニワトリの世話+田んぼの草取り』を
するグループです。
「ニワトリの世話」といってもピンとこないが、単に餌をやるだけでも、「餌を
つくる」ところから始めるので、案外手間がかかるもの。餌の材料はハコベや
藁、それから貝殻まで様々です。「卵が栄養タップリ」ということに妙に納得が
いきます。
今回お世話になった民宿の庭先で、小屋掃除をしたり藁を刻んだり、貝殻
をつぶしたりたくさんの作業を順調にこなします。
自分達が作った餌を食べるニワトリを見て、生徒さんもちょっとホッとした
様子です?
さて、お次は「田んぼの草取り」の作業です。実は、私も田んぼの中に入っ
たことは無かったのです。チノパンの裾をグルリと巻き上げ、水田に足を付
けます。思ったより暖かい。田んぼの中は、ヤゴやゲンゴロウ、おまけに蛙
までゆうゆうと泳いでいます。虫があまり得意でない私には、泥の暖かい感
触は良かったけれど、あまり居心地の良い場所とは言えません。
と、その時、私の背中をギュッとつかむ手が。振りかえると泣きそうな女の子が。
「キャー、むし!むし!!!添乗員さん、追っ払って~~~!!」
見ると、その子の担当の畝をゲンゴロウが泳いでいます。
私も、ゲンゴロウはちょっとな~と汗をかきつつ、手で、「えいえい!」と追い
払う。その後も、その子は、「いや~タニシ!」「キャー!蛙!」を繰り返し、私
に助けを求めます。2人して、虫と闘いながらふと気がつくと、一番早く草取り
を終えていました。民宿のおばさんはニッコリ、「よう頑張ったね~。」といって
くださいます。
作業が全部終わると、民宿の方が手作りのパウンドケーキとカキ餅、それ
から冷たい麦茶を出してくださいました。
冷たい麦茶を一気に飲み干したあと、ふと、私の背中に、二つの茶色い
手形がついていたことに気がつきました。手形の主をふと見ると、さっきの
泣きべそとは大違いの、ニコニコ顔で友達とオシャベリしていました。
忙しい添乗のさなか、ちょっと幸せな気持ちになったひとときでした。