アメリカに暮らす

アメリカのTV番組や日常生活等について綴ります。ニュースのネタバレ度は弱~中、エピガイのネタバレ度は強です。

Lost 3-20 "The Man Behind the Curtain" 【前半】

2007年05月19日 | TV: Lost
【アメリカ合衆国での初回放送 = 2007年5月9日】※ベンのフラッシュバック。ジェイコブ、遂に登場?

ジャングル(?)。エミリーという女性が夫のロジャーにサポートされ、男児を出産する。その直後、エミリーは痛みを訴える。ロジャーはエミリーに「赤ん坊をしっかり抱いてるんだぞ」と指示し、エミリーを赤ん坊ごと抱えて走る。やがて、彼らは…高速道路の脇に出る。標識によると、そこはオレゴン州ポートランド市から32マイル離れた場所だ。

ロジャーは行き交うドライバーたちに助けを求める。やがて、オープンカーに乗った男女(ホラス・グッドスピード夫妻)が停まってくれるが、エミリーは「名前はベンジャミンにして」と言い残して死んでしまう。

現在。

アザーズのキャンプ。ベンジャミン・ライナスは木彫りの少女の人形を眺めている。思い出の品らしい。テントに入って来たリチャード・アルパートが「それ、何だい?」と尋ねる。ベンは「バースデー・プレゼントだよ。今日がちょうど、私の誕生日なんだ。誕生日というものは覚えてるだろう?」と意味ありげに答える。

Ben: It's a birthday present. Mine just happens to be today. You do remember birthdays, don't you, Richard?

リチャードはそれには構わず、「それで、ジュリエットへの指示を録音したテープだけど、医療ステーションに持って行ってあげようか?」と訊く。ベンは慌てる(こともあるのね)。ベンはリチャードがテープをすでに持って行ったものと、すっかり思い込んでいたのだ。ベンはテントの外に出て、トムに訊くが、返事がない。トムはあんぐりと口を開けている。

その視線の先には父親の死体を担いだジョン・ロックがいる。ロックはベンが出した条件をクリアしたのである。今度はベンが約束を果たす番だ。


Locke: You said that if I killed my father, you'd tell me everything I wanted to know about the island. (父の死体を地面に降ろして) So why don't you start at the beginning?

ベンのテント内。ベンとロックは2人きりで話をする。ベンは「島に関する全ての事を話してあげると約束したが、そう簡単には行かない」と今さら言うのだった。

Ben: I know I promised to tell you everything, John, and I wish it was as simple as me taking out a dusty old book and opening it up... but it's not that simple.

まずはジェイコブという名の本当のリーダーにお伺いを立てないといけないらしい。ロックは「じゃあ、ジェイコブの所に連れてってくれ」と要求するが、それもできないという。ロックは立ち上がり、「あんたが連れてってくれないのなら、リチャードに頼む」と言う。ベンは「リチャードもジェイコブの居場所は知らない。ジェイコブと直接話せるのは私だけなのだよ」と説明する。

ベンは「私はこの島で最後に生まれた人間の1人で、他の仲間たちはほとんど、私が外界から連れて来たのだ。だから、ジェイコブは私に指示を出す…私を信頼しているのだ」と主張するが、ロックは「ジェイコブなんて奴は存在しない。あんたは嘘つきだ」と決め付ける。ベンの手が震えているのが、彼が嘘つきである何よりの証拠だ。

Ben: I was born here on this island. I'm one of the last that was. Most of these people you see... I brought them here. So Jacob talks to me, John. He tells me what to do, trusts me.
Locke: And no one else has ever seen him?
Ben: That's right.
Locke: How convenient. You know what I think, Ben? I think there is no Jacob. I think your people are idiots if they think you take orders from someone else. You are the man behind the curtain, the Wizard of Oz, and you're a liar.
Ben: And what do you base that theory on, John?
Locke: Because if you were telling the truth, your hand wouldn't be shaking.

フラッシュバック。

島の船着場。ロジャー・ライナスが息子のベン(10歳位で眼鏡をかけている)とともに潜水艦で到着する。ホラス・グッドスピードがダーマ計画の仕事を世話してくれたのだ。ロジャーはベンに「このグッドスピードさんはおまえが生まれた時にいて下さったんだぞ」と紹介するが、ベンは何も言わない。

居住区(のちのアザーズ村)の入り口には「Namaste」と書かれており、皆が「ナマステ」と言って暖かく出迎えてくれる。ダーマ・ロゴの箱があちこちに置いてあり、やはりダーマ・ロゴの青塗りのヴァンが数台停まっている。

ダーマ計画の新メンバーたちは大きな部屋に通される。ここで各自に仕事が割り当てられて制服等が支給されたり、身分証明書のための写真撮影が行われたり、予防注射を打ってもらったりするのだ。TVモニターにはオリエンテーション・ビデオも流れている。その司会は白衣のマーヴィン・キャンドル博士だ。

博士の説明によると、野生動物から住民たちを守るよう、この居住区は高周波数の音波フェンスで囲まれている。フェンスの外に出るための暗証番号は毎日更新される(相手が動物だけなら更新する必要はないはずだが、これは裏切者が出た場合に備えてか?あるいはすでに敵がいるのか?)。

ロジャーが「どんな野生動物から俺たちを守るってんだ?」と言った時、名前を呼ばれる。

ビデオのキャンドル博士は「この島には地球上の他の場所では見られない特徴があります。我々の任務はそれらの特徴を研究し、人類の進歩と世界平和の向上に役立てる事なのです。ほとんどの皆さんはメインの島で働く事になるでしょう…」と説明を続ける。

ベンが1人で周りを眺めていると、アニーという同年代の少女が話しかけて来て、Apollo Bar(ハッチことスワン・ステーション貯蔵庫にあったのと同じ物)というキャンディ・バーをくれる。いくらでも、好きなだけ食べられるのだという。

ロジャーに与えられたのは『ワーク・マン』という仕事だった。要するに、清掃&雑用係だ。ロジャーは「世界を変えるための実験をしてるっていうから来たのに…!」と怒るが、今さら、どうにもならない。

Roger: "Work Man"? What is this? Work Man? I'm a janitor?!
Opal: I'm sorry, Mr. Linus.
Roger: Goodspeed told me you people were doing experiments changing the world! I didn't come here to clean up after you!
Opal: Look, if anything else opens up, you can feel free to apply for it.

ハーリーがジャングルで見つけたヴァンの運転手の制服に「Roger Work Man」という刺繍がしてあった。

現在。

ソーヤーがビーチキャンプに戻り、まずはサイードにだけ事情を説明し、小型テープレコーダを見せる。ジャックやジュリエットに悟られたらマズイからだ。

アザーズのキャンプ。ミハイル・バクニンが走って来て、ベンを呼ぶ。ベンがテントから出て来て、「君は死んだはずだが?」と言う。ミハイルは「パイロンが致死レベルにセットされてなかったのです」と応じる。

Ben: I thought you were dead.
Mikhail: I'm fortunate; the pylons were not set to a lethal level.

ミハイルは驚く。彼を殺そうとした当のロックがいるからだ。ベンは「我々の仲間になったのだよ」と言う。

ミハイルはデズモンドたちに遭遇した時の顛末を報告をする。「女がパラシュートで降りて来た」と聞かされたベンは驚くが、「明後日、ビーチキャンプの襲撃時に対処しよう」と言う。ミハイルは「今すぐ行くべきです!」と主張する。

Mikhail: I encountered several of his people in the jungle. They had an injured woman with them. Apparently, she had just parachuted onto the island.
Ben: What?!
Mikhail: Her helo crashed in the water. She says her ship is approximately 130 clicks to the west of us. She has a radio telephone.
Ben: Where is she now?
Mikhail: I assume they have taken her back to their camp.
Ben: We'll be visiting their camp the day after tomorrow. We'll take care of it then.
Mikhail: Day after tomorrow? We have to go now!

すると、ロックが「ベンはこれから、私と一緒にジェイコブに会いに行くところなんだ」と割って入る。アザーズたちは明らかにショックを受けた様子だ。

Mikhail: Please tell me this isn't true, Benjamin?

ベンはロックを睨みつけ、「悪いが、君との遠足は後回しだ」と告げる。ミハイルは「なぜ、そんな余所者に対して弁解する必要があるのですか?」とまたもや驚く。

Ben: I'm sorry. I have to deal with this now, John. Our excursion will have to wait.
Mikhail: Since when do you explain yourself to him, an outsider?

ロックはミハイルを思い切り、ぶちのめす。ベンはトムとリチャードにミハイルを助けるよう頼むが、2人とも何もしない。

ロックはミハイルを完璧にノックアウトした後、「じゃ、いつ出発しようか?」と言うのだった。

Locke: So when do we leave?

ベンとロックは小川のほとりで話す。ベンは「ミハイルをあそこまで痛めつけなくても良かったのに」と言うが、ロックにしてみれば、それは必要な事だった。

Ben: You know, you didn't have to beat Mikhail senseless to make your point, John.
Locke: Yes, I did.

アレックスが現れ、「ジェイコブに会いに行くんですってね。それなら、これが必要よ」と言って、拳銃をロックに渡す。そして、ベンに「パパ、誕生日おめでとう」と言って去って行く。

フラッシュバック。

昼間。教室。オリヴィアという教師が火山活動に関する説明をしている。ベンは無言で聞いているが、アニーはハキハキとした声で質問したりする。この島でも昔、噴火があったという。オリヴィアは火山の模型に水を注ぎ込む実験をしてみせる。

突如、大きな音がして、建物が揺れ始め、警報が鳴り響く。オリヴィアは「皆、所定の位置に着きなさい。アニー、後ろのドアに鍵をかけて!」と指示し、ショットガンを構える。ベンはわけがわからず、席に着いたままだ。窓の外では人々が走り回っている。アニーがベンに「心配しないで。『敵対者』(The Hostiles)が来ただけだから大丈夫」と囁く。

夜。ロジャーの家。ベンの寝室。ベンがベッドに横になり、白ウサギをなでている。居間からロジャーとホラスの話し声が聞こえて来る。今日、ロジャーらがザ・フレイムから戻る途中、大きな爆発があり、気がついたら撃ち合いの真っ只中にいたのだという。

ホラスは「実は原住民とモメていてね」と明かす。しかも、その相手の正体もよくわかっていないらしい。ロジャーは「それじゃ、話が違う!」と怒り、ビール(ダーマ印)の空き缶を投げる。

Horace: Look, we're having some skirmishes with the natives.
Roger: What do you mean [by] "natives"?
Horace: Well, we're not exactly sure who they are.
Roger: Well, this ain't what I signed up for!

ベンは立ち上がり、居間の様子を窺う。

ホラスが「好意で仕事を世話してあげたんだぜ。それに、ベンだって、ちゃんとした教育を受けさせてもらってるじゃないか」と恩着せがましい態度を取ると、ロジャーは「ベンの教育なんか、どうだって良い!危険手当を寄越せ!」と怒鳴る。

Horace: Roger, I did you a favor, man. You were having trouble finding work and don't forget about Ben. He's getting a quality education.
Roger: I don't give a damn about his education! If I'm gonna get shot at, I want hazard pay. I want another thirty grand.
(※1 grand = $1000)

寝室の窓を軽く叩く音がする。ベンは振り返る。誰もいない。

ロジャーがホラスを追い出す声が居間の方から聞こえて来る。

ベンはドアを閉め、再び振り返る。すると、今度は死んだはずの母が立っていた。ベンは驚いて後じさり、椅子にぶつかって転んでしまう。物音を聴きつけたロジャーが部屋を覗き、「寝ろって言っただろう!?」と叱る。

ロジャーが去った後、ベンは窓の方をあらためて見遣る。母はいつの間にか、いなくなっていた。ベンは机の上に飾ってある両親の写真を手に取る。

現在。

ビーチキャンプ。サイードとソーヤーはジュリエットを探す。だが、ケイトによると、彼女はジャックとともに出かけているという。サイードはケイトがジャックとジュリエットにナオミの事を話してしまったと知り、「どうして、そんな事をするんだね?」と苦い顔をする。ケイトは「ナオミは怪我してて、ジャックは医者だし、それに彼にも知る権利があるからよ」と答える。

「それで、ジャックは今、どこにいるんだね?」
「知らないわ」
「そりゃ、そうだ」

サイードはケイトの脇をすり抜け、どこかに向かって早足で歩いて行く。

ケイトは「ナオミの事、他の皆にも言うべきじゃないかしら?」と言う。サイードは振り返り、ソーヤーに「テープを聴かせてあげてくれ」と頼む。

(ソーヤーの「ナオミって誰だよ?」というセリフが笑える。最近、なぜか、彼が知らない間に登場人物がどんどん増えているのだ。)

アザーズのキャンプ。ベンはロックに、ジェイコブはきっと怒るだろうと警告する。先ほど、手が震えていたのもそれを怖れたからだという。ジェイコブはこちらから会いに行くような相手ではない。ジェイコブがこちらを呼び出す立場にあるのだ。ロックは「まあ、何にでも初めてって事があるからな」と動揺しない。

Ben: There's something you should know, John, before we go. Whether or not you think he's the Wizard of Oz, I can assure you that Jacob is very, very real. And we're gonna go see him... and he's not gonna like it. In fact, I have a feeling he's going to be very angry. And that's why my hand was shaking because this is not a man you go and see. This is a man who summons you.
Locke: Well, I guess there's a first time for everything.

アザーズたちはベンとロックを黙って見送る。

フラッシュバック。

昼間。ベン(まだ子ども)とアニーがブランコに並んで座っている。アニーはリボンの付いた箱をベンに渡す。箱を開けると、2つの木彫りの人形が入っている。男の子と女の子が一体ずつだ。男の子はベン、女の子はアニーなのだという。アニーは男の子の人形を取り、「これで、あたしたち、ずっと一緒よ。誕生日おめでとう」と微笑む。ベンは「ありがとう」と言い、自分の手の中の女の子の人形を見つめる。

夜。ベンが帰宅すると、ロジャーは飲みかけのビール缶(ダーマ印)を握ったまま、ソファの上で眠っていた。ベンはそっと、その缶をロジャーの手から取ってテーブルの上に置き、靴を脱がせてあげる。ロジャーは目を覚まし、リボン付の箱に気付く。

ロジャーは「おまえの誕生日だったか。悪い。忘れてたよ。おまえが母さんを殺した日を祝うのは辛いしな」と言い、エミリーがまだ妊娠7ヶ月の時に、ベンが生まれて来なければならなかった…そして、今はベンと一緒にこんな島で過ごさなければならなくなってしまったという事実を呪う。最後に「ハッピー・バースデー」とは言ってくれるが、ベンはいたたまれなくなり、泣きながら外に飛び出す。

Roger: It's your birthday. Sorry, I forgot. Kinda hard to celebrate on the day you killed your mom. She was just seven months pregnant [when] we went for a hike, but you had to come early. Now she's gone and I'm stuck here on this island with you. (ビールを飲み) Happy birthday, Ben.

ベンはジャングルの中を走り続け、やがて、居住区を取り囲む音波フェンスに辿り着く。木々の間から囁き声のようなものが聞こえて来る。ふと気付くと、フェンスの向こうに母エミリーが立っていた。ベンが近付こうとすると、エミリーは「やめなさい!まだ、その時ではないのよ」と言い、ジャングルの中に消えて行く。

現在。

夜。ジャングル。ベンは灰のような粉のラインを慎重にまたぐ。ロックは灰(?)を手に取り、匂いをかいでみる。何のおまじないなのだろう?


(【後半】に続く)


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