Smallville 6-22 "Phantom" 【後半】

(【前半】からの続き)


クラークはクロエの助けを借り、レイスの新しい犠牲者らしき8歳の少年患者が病院から姿を消したという情報を得る。どうやら、レックスの手の者が拉致したようだ。

クロエは「レックスがファントム・ゾーンのレイスを追跡していて、ライオネル・ルーサーがあなたの新しい父親代わりってわけ？いろいろと忙しいわね」と言う。

Chloe: So Lex is tracking a wraith from the Phantom Zone and Lionel Luthor is your new father figure? This is a lot of excitement for one day.

だが、それだけではなかった。クラークはクロエに「ラナに全てを話した」と明かす。ラナはクラークが異星人であると知った上でキスしてくれた...と聞いたクロエは「あなたがずっと望んでいた通りになったわね」と我が事のように喜ぶ...少なくとも表面上は。もっとも、クラーク自身はまだ喜ぶわけにはいかなかった。まずは目の前の敵を倒してからの話だ。

Clark: Chloe, I told Lana my secret.
Chloe: Wow, that's a happy headline. Why didn't you say anything?
Clark: She knows everything. She knows that I'm... an alien.
Chloe: So I guess we have a new charter member of the Clark Kent Secret-Keeping Club. What did she say?
Clark: She kissed me.
Chloe: That's fantastic. You've been wanting this forever. You just... you must be on Cloud 99.
Clark: I will be as soon as I deal with this phantom.

※『The Clark Kent Secret-Keeping Club』というのは「クラークの秘密を知る人がどんどん増え続けている」という矛盾を突く楽しい表現だ。
※『Cloud 99』は『Cloud 100 (天国)』に限りなく近い場所...つまり、「be on Cloud 99」は「天国に上ったような心地がする／幸せの絶頂にある」というような意味か？
※クロエの表情からして、（クラークは気付いてないようだが）彼女はクラークをまだ慕っているようだ。

リーヴズ・ダム。ロイスはダム施設に潜入するが、警備員に咎められる。彼女は『Met U』の学生で論文の取材に来たのだと言うのだが信用してもらえず、争いになる。ロイスは警備員をどうにかノックアウトするが、自分もナイフで刺される。ロイスはナイフを胸から引き出した後、よろよろと歩きながら電話をかけ、「クロエ...」と言っただけで倒れ、死んでしまう。

※『Met U』は『Metropolis University (メトロポリス大学)』のこと。そういえば、ロイスもクラークもラナもクロエも大学2年生のはずなのだが、学校に通っている気配は今シーズンは全くなかった。
※ロイスが死ぬわけはないので、どうにかして生き返るのだろう。ただ、「時間を巻き戻す」というネタは当番組でも映画版でもすでに使われてるので、果たして、どうするのか？

ラナが携帯電話でライオネルに「レックスを去る」という意志を告げる。ライオネルは懸命にラナを落ち着かせようとする。ほどなく、ライオネルの車がラナの車が駐まっている路地に入る。ちょうど、ラナが車に乗り込むところだった。ラナはライオネルが呼び止めようとする声にも応じず、車に乗り、エンジンをかける。その瞬間、車が爆発する。ライオネルは呆然とする。

ルーサー邸。クラークはライオネルに、レックスがレイス少年を拉致した件を報告する。ライオネルは消沈した顔をクラークにゆっくりと向け、「どう言ったら良いのか...」と口ごもり、「ラナが...ラナはもういない」と、やっとの思いで声を絞り出す。
「いない...って、どういう意味だ！？」
「死んだのだよ。私の目の前で爆発したのだ」

クラークは「レックスがラナを殺したに違いない」と思い、超高速で飛び出して行く。

リーヴズ・ダムの施設内。クロエがロイスを探しに来る。入り口付近に警備員が倒れており、血塗りのナイフが落ちている。中に進んで行くと、ロイスの携帯電話が落ちている。さらに進んで角を曲がると、ロイスが倒れていた。ロイスの顔からはすでに生気が失せている。クロエはロイスの身体を抱え、泣き咽ぶ。

Chloe: Oh, my god! Lois? Come on, Lois! You're a fighter! Come on, Lois! Come on. You're the strongest girl I know. Come on! Please... you can't die. I can't lose you! I love you too much. Please....

クロエの涙がロイスの顔の上に落ちると、そこから光が発し、2人を優しく包む。やがて、光が消えると、ロイスが目を覚ます。ロイスは驚き、先ほどナイフで刺された場所をチェックする。なんと、傷は全くなかった。ふと横を見ると、クロエが壁によりかかるようにして死んでいた。

※えっ！？クロエがロイスの身代わりになって死んじゃったの？それとも、しばらくしたら息を吹き返すのかな？それにしても、クロエの特殊能力がこういうものだったとは！

同じ施設内の別の場所にある研究室。レックスと科学者が強化ガラスの向こうに横たえられたレイス少年（意識を失ってるらしい）から血液サンプルを採取する。科学者は「一見、普通の血液と同じようですが、そうでない事を望みましょう」と言いながら、血液サンプルを顕微鏡の下に置く。レックスは「『望み』などという言葉は私の辞書にはない。必要なのは結果だ」と急かす。

Lex: "Hope" is not in my vocabulary, Doctor. I need results.

結果は満足の行くものだった。超兵士軍団を結成するのに十分なペプチドが入手できたのだ。

突如、眠っていたはずのレイス少年が強化ガラスを突き破り、瞬く間に警備員を殺してしまう。レックスは科学者を少年の方に突き飛ばし、自分はエレベーターに向かって走る。科学者は逃げ遅れ、レイス少年の餌食になるが、その僅かな時間の間にレックスは階上に逃れる。

レイス少年は科学者の死体をエレベーターまで引き摺って行き、その親指をパネルに当てる。保安システムが科学者の身分を指紋照合し、エレベーターの扉を開ける。

※でも、科学者はラテックス製の手袋をしている？

リーヴズ・ダムの上。ライオネルの車が到着する。ライオネルは鉛の箱にしまってあるクリプトン鉱石を確認してから、車の外に出る。そこにクラークが現れ（ライオネルの車を尾行していた？）、ライオネルよりも先にダム施設の中に入って行く。

ダム内の通路。レイス少年から必死で逃げて来たレックスは今度はクラークに行く手を阻まれる。クラークはレックスを締め上げ、「どうして、ラナを殺したんだ！？」と迫る。だが、レックスはラナが死んだという事さえ知らなかった。

その時、レイス少年がエレベーターから出て来る。レックスは「こんな所でボヤボヤしてたら、君も私も奴に殺されてしまうぞ」と警告する。クラークはレックスを先に逃し、レイス少年と対峙する。

少年に宿ったレイスは「遂にクリプトン人の身体に出会えたか」と言い、少年の口から出て来たかと思うと、クラークに向かって飛んで来る。クラークはクリスタルを掲げるが、全く効果がない。レイスはクラークを突き飛ばす。

クラークは壁を突き破り、隣の発電室（？）の床にドン！と落ちる。起き上がると、もう1人のクラークが立っていた。レイスがクラークのDNAの一部を拝借し、自らクローンとなったのだ。

Wraith-Clark: Thanks for sharing. I feel a lot better now.
Clark: What just happened?
Wraith-Clark: I took a little piece of your DNA. (Clarkの首を絞めながら) Now I'm going to take your life.

※レイス・クラークはオリジナル・クラークの赤＆青とは異なる黒ずくめの服装なのだが、服は一体、どうやって作ったのか？

レイス・クラークはオリジナル・クラークを発電装置（？）の水管に投げつける。水管が破裂し、水が溢れ出す。

ダムの上。レックスが車で橋を渡って逃げようとするが、その前にパトカー群が立ち塞がる。橋には2台の車がすれ違えるほどの幅はないので逃げられない。レックスはラナの殺人容疑で逮捕される。

ダム施設の中。あちこちの壁に亀裂が入り、水が溢れ出す。ロイスがクロエの身体を庇う。

発電室。オリジナル・クラークがレイス・クラークを突き飛ばす。レイス・クラークは壁を破り、さらに向こうの壁に激突する。ちょうど通りかかったライオネルがレイス・クラークを偽物だとは気付かずに助けようとする。すると、オリジナル・クラークが「そいつは本物じゃない！」と警告する。

ライオネルは用意しておいたクリプトン鉱石をレイス・クラークの胸に当てる。レイス・クラークは最初、苦しんでるように見えたが、やがて、逆に活力を得たらしく、「これこそ、俺が必要としていたものだ」と言い、ライオネルを突き飛ばす。意識を失ったライオネルの周りに水が溢れて行く。

オリジナル・クラークとレイス・クラークがお互いに向かって超高速で走り、激突する。クラークははじき返され、ダムの外に投げ出される。一瞬後、レイス・クラークもダムの外に飛び出すが、こちらは自在に空を飛べるのだった。やがて、銀白色のマスクがレイス・クラークの顔を覆って行く。

ダムの決壊が始まる。ロイスとクロエ、そしてライオネルの運命は？


(第7シーズンに続く)


------------------------------------------------

＊名言・迷言集: (順不同)

Clark: What the hell are you?
Wraith-Clark: I'm you. Only a little more bizarre.
※レイス・クラークことスーパーマンのドッペルゲンガーはBizarroとしても知られ、初登場作品はコミック版『Superboy』第68巻（1958年刊）。設定は登場作品によって異なるが、TV版『Justice League Unlimited』ではレックスのSecret Societyのメンバーとして登場する。

------------------------------------------------

＊その他の豆知識＆ツッコミ: (順不同)

第1～第5シーズンにわたり、シーズン・フィナーレの最後のカットに映るキャラは必ずクラーク・ケントだったが、今回だけはレイス・クラークになっている。もっとも、俳優は同じなのだが...。

ウェスはどうして、緯度＆経度などというまどろっこしい物を使わず、素直に「リーヴズ・ダム」と言わなかったのか？

クロエはロイスの居場所をどうやって突き止めたのか？ロイスの携帯電話の場所を人工衛星で探った？そもそも、ロイスの携帯電話の電波はダムの壁の外まで届いたのか？

ラナは映画版『スーパーマン3』に登場する（『Smallville』のマーサことAnnette O'Tooleが演じた）ので、まだ死なないはずなのだが、映画版最新作の『スーパーマン・リターンズ』では『3』と『4』は無かった事になっているので、これもアリなのかもしれない。

クロエとライオネルは『Smallville』独自のキャラなので、ここで死んでしまっても他作品とは矛盾しない。

来シーズンからスーパーガールが準レギュラーとして加わることになっている。彼女はリーヴズ・ダムの決壊がキッカケで長い眠りから覚めるという設定。ジミーとの恋愛もあるらしい...ということはクロエはやはり生き返らないのか？

ここ数話見ていて気になったのだが、リーサー邸内でのラナの立ち聞きやクラークの超高速移動等は保安ビデオに記録されてないのだろうか？また、ライオネルはルーサー邸に住んでるのか否か？

ラナの車が爆発した路地は一体、どこなのか？会話から判断すると、ルーサー邸に近いようだが、フェンスにグラフィティが描かれてるので、あまり治安の良い地域ではなさそうだ。

------------------------------------------------

＊今回の『Smallville Legends: Justice and Doom』（第5話＝最終回）のあらすじ:

これまでの4話の総集編的な場面が次々と流れ、全てはクラークという救世主を誕生させるためだったというような解説がされる。グリーン・アローらがユタ州の砂漠で超兵士を倒し、クロエがクラークにその報告をする。マーサがワシントンDCで連邦議会員に就任する。クラークがリーヴズ・ダムに到着する。マーシャン・マンハンターの両目が意味ありげに赤く光る。

------------------------------------------------

関連記事 (英語→ネタバレ注意):
- Smallville Preview: What's Chloe's Power? And Who Dies?
- John Glover: Smallville's Luthor Is a Winner as Drowsy's Loser