今日は大学院の入学試験の勉強をしようと思って研究室に行った。というのは僕は自分の部屋で勉強するのは非常に苦手なので、そういう勉強できる場所を常に求めなければいけないのだ。研究室にある自分の机は結構勉強するのにも適した環境になっているので良い感じだ。
だが、今日は他のB4(4回生)のみんなは来てなくて、M1(大学院の一回生)の人たちも授業で休み時間以外ずっといなかったし。小柴さんとM2(二回生)の人たちに囲まれて線形代数やら有機化学やらをやっていた。
すると上田先生が研究室に来られて、僕に卒論で僕が何をやらないといけないのかということを説明してくださった。なんか知らないけどUSBフラッシュメモリももらって先輩方の卒業論文やら修士論文のデータをいただいた(パワーポイントのファイルで)。
その内容をかいつまんで言うとこうだ。
僕の卒業研究のテーマは色素増感太陽電池についての研究だ。これが従来のものとどう違うのかというと、従来の太陽電池がシリコンを使っているのに対して、僕が研究しようとしている太陽電池は有機化合物(色素)を介して発電を行うという点だ。色素を使うメリットは大規模な装置を使用しなくても太陽電池を製造できる、材料が安価である、などが挙げられる(コストが削減できるということは、環境負荷もそれに応じて少なくなることを意味する)。また、この発電システムは植物などが行う光合成に近い発電といわれている。しかし、光合成のエネルギー変換率がほぼ100%に近いのに対して、色素増感太陽電池のエネルギー変換効率は現在たかだか7~8%にすぎない。理論的には33%までは到達可能らしいがその辺はまだよく分かっていないという。とは言え、今のところは従来のシリコンを用いた太陽電池のエネルギー変換効率よりも低い。
従来の太陽光発電もそうだが、太陽電池の原理というのは「光電効果」がもとになっている。(高三の物理で習う光を当てたら電子が飛び出すっていうアレだ)
まず、光エネルギーを与えることにより、色素の電子が励起され飛び出す。そしてその電子は半導体であるTiO2(チタニア)に受け継がれる。これは従来の電池と同じく負極で酸化反応が起こっている。電子を失った色素にはホール(正孔)が出来る。その、ホールは溶液中のI-(ヨウ素の)イオンをI3-イオンに酸化する。一方、正極では(白金電極らしい)導線を伝わってきた電子が先ほど出来たI3-イオンをI-に還元する。このようにヨウ素イオンが酸化還元を繰り返すことによって電気が流れる。
で、僕がやることになっている研究では、半導体をTiO2からZnOに変えたら、どうなるか?っていう研究らしい。ZnOにするのはもちろんそこにメリットがあるという予測があるかららしいが、その辺は今のところ消化不良だ。実際、よく分かってない。明日、先輩の卒論読んで勉強しよっと。
ていうか太陽電池、自分で作って評価しないといけないんだよな、これって。発電効率やら表面の形状やら。うーん大変そう。でも、面白そう。
先生に定価65000円の専門書を借りて読み出す。…難しいって。でも、頑張って読む。…わからん。まあ、最初はそんなもんなんでしょう。
今日は、そんな感じで一日が過ぎてしまった。まあ、でも楽しかったけど。