試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成200形206F 更新車 晩年仕様 助士側前面窓内運行番号表示器設置編成 (2両編成暫定出場)

2018-01-27 21:30:54 | 京成線出場
苦節。

第二次整備を終えTOMYTEC製京成200形206F更新車晩年仕様(206F)が出場した。
まだモハ206+モハ207のみの竣工で暫定的に2両編成となった。
回着見込みの立っていないモハ206,モハ207(二代目)が竣工し4両編成化が達成され次第正式出場を迎える。




京成200形206F 更新車 晩年仕様。
206F:[206]-[207]。
※助士側前面窓内運行番号表示器設置編成:暫定出場。

京成200形は1931年9月に青砥~日暮里間延伸用としてモハ200~モハ209が登場した。
製造当初は左右非対称窓配置車体が特徴の所謂[京成スタイル]を有していた。
1954年8月から特別修繕が施工されたが側面見付は乗務員室扉設置以外原形配置を維持している。
左右非対称車体は100形の更新修繕でも引き継がれ1987年7月に新京成100形が形式消滅するまで健在だった。
旅客流動等から考案された模様だが大手私鉄他社では見られない独特の配置である。
側扉の対面は座席が配され当初は強烈な違和感を抱いた。
京成形式の更新修繕は1956年より100形から順次開始された。
特別修繕を終えていた200形も1965年3月~1966年5月の間に施工され2100形と類似の車体へ置き換えられている。
1964年12月までに更新修繕を終えた220形以前の形式に近い車体であるが運転台側の床板が嵩上げされた。
これにより凸形が特徴的だった運転台側前面窓下部が一直線状に改められている。
以降の更新修繕形式は全て200形更新車と同様の車体が採用され形式を見分る箇所となった。
200形全車が更新修繕の完了を迎えた頃には3両編成若しくは4両編成が主力になっていた。
同時に誘導無線アンテナの取付推進が図られ外観の小変更が続く。
4両固定編成化は3M1T組成とされ200形は主に2000形と組み4編成に集約された。
200形は10両の在籍で相方が不足したモハ209だけは600形及び2000形との編成に組み込まれている。
この時モハ202,モハ203,モハ208,モハ209は中間組込車へ変わり運転台機器とパンタグラフが撤去された。
誘導無線搭載車は送受信用アンテナ諸共撤去されパンタグラフ台と歩み板だけが残る。
1970年代前半から運行番号表示板に変わり助士側前面窓内上部に運行番号表示器設置が進められ前面の印象が変化した。
ようやく小変更が落ち着いた矢先に新京成への譲渡が開始される。
先ずモハ206,モハ208が1976年12月に除籍となった。
1978年3月に入るとモハ209以外の7両も集中譲渡されている。
唯一京成籍で残ったモハ209は晩年に510形,2000形との組成へ組み替えられた。
しかし1980年4月30日付で廃車され京成200形は形式消滅した。
モハ514-モハ209_クハ2012-モハ513は京成最後の一般旅客用吊掛駆動編成で事実上新性能化も達成されている。
※旅客車の完全新性能化は1600形モハ1602が廃車となった1981年11月30日。
一方新京成200形は1990年7月30日を以て除籍された。
最後まで運用されたモハ204は1990年8月に北総線経由で宗吾検車区へ回送され約12年半振りに京成へ還ってきた。
1996年から更新修繕完了当時への復元工事が開始され1997年2月より宗吾車両基地入口に会社遺産として保存されている。


痛恨のメーカーエラーだった[モハ206]標記(山側)。

206Fは正式出場まで捲り式行先表示板の追設を先送りした。
そのため表示類は[93    ]のみと製品仕様を維持している。
青電形式の中間組込車は助士側前面窓内に運行番号表示器が追設されなかった。
薄め液での印刷消去は3500形3556F朱帯色後期仕様(3556F)で失敗しておりこのまま存置すると思う。
TM-05R動力ユニットはモハ206に搭載している。
動力車化の決定打は山側の[モハ206]標記印刷位置が大きく乱れていた事に拠る。
先頭に立たせる気になれず4両編成組成時に中間組込車となる配置を採った。
これ以外に気になる箇所は見当たらず惜しまれる。
今後正規の車両番号であるモハ208への改番を検討中である。
◆206F:[206]-[2003]_[208]-[207]。


時間を要したTM-05R動力ユニットのTNカプラーSP化。

TOMYTEC製TM-05R動力ユニット(17m級)は採用例が無くモハ206で初登板になった。
TM-06R動力ユニットとは構造が異なりTNカプラーSP装着に大苦戦している。
未加工では取り付けられないとは考えておらず落とし穴に嵌まった。
一時はTNカプラーSP化を諦めようかとも考えた。
しかしグリーンマックス製京成3150形運転台付車に施したTNカプラーSP前進取付を逆転させる手法を思い付いた。
MサイズスペーサーとTNカプラーSPに手を加え後退取付にて何とか206FのTNカプラーSP化を実現させている。


モハ207+モハ206 (非動力車+動力車)。

もう一つの課題は前面車体裾と運転台側TNカプラーSPカバー前端の干渉対策だった。
これはTOMYTEC製京浜急行1000形1005F冷房改造車を編入した1000形1029F後期仕様(1029F-5)の失策で折り込み済みだった。
モハ206,モハ207共にジャンパ連結器切り落としに注意を払いカバー前端部を削り車体不等沈下を防止した。
非動力車と動力車の車体高統一は難しいと思えたが結果的に大凡同等に至り余り気にならない。
しかしTNカプラーSPの後退取付を採用したモハ206の連結器突き出し長はモハ207に比べ僅かに短くなった。
そのため運転台側,連結面側とも連結中心位置はモハ206寄となる。




モハ206+モハ207 (動力車+非動力車)。

原因はTNカプラーSP後退取付の詰めが甘かったためだろう。
但し逆コ字形に整形した嵌合部立ち上がりを現状より細くすると牽引力や推進力に耐えられないと思われる。
そうなるとTNカプラーSPの固定は全面的にゴム系接着剤へ頼らざるを得なくなる。
ビス固定も慣れていないため見切った箇所となった。


誘導無線アンテナが未設置のモハ206。

今回はあくまで暫定出場でありモハ206への誘導無線アンテナ取付は敢えて見送った。
ただモハ206(二代目)と屋根板を振替えれば不都合は無く施工しても良かったと思える。
4両編成への拘りが余裕を失わせたらしい。
誘導無線アンテナの取付は至って容易である。
2両編成が長期化するようであれば追設するかもしれない。


流れで輪心黒色化を施したモハ207。

モハ207の第二次整備で3H-67非動力台車に装着する金属車輪の輪心黒色化を行ってしまった。
これに連動しモハ206の輪心も黒色化へ至った。
よってTOMYTEC製京成3500形グループのFS-389,FS-089に近い雰囲気となっている。
輪心黒色化未施工の3H-67は仮装着すら行っておらずどの様な印象になるのか分からない。
恐らく3H-67の軸受周囲成形からすると銀色が目立ったと推測する。
加えてTM-05R動力ユニットの動力台車集電板の仕上げを考えれば間違いではなかったと思う。


3300形3356F,206F (復活青電色,青電色)。

プロトタイプは4両編成化から新京成へ譲渡されるまでの1971年4月頃~1976年12月とした。
製品は灰色成形の3H-67非動力台車を履き付属する3H-67動力台車枠も灰色成形品である。
サックスブルーへの塗装変更は1966年6月から開始されており検査周期を考えると齟齬になってしまった。
敢えて灰色成形KS-116化したグリーンマックス製3150形3162F現行色晩年仕様(3162F-5)等が在籍するため経年の汚れと解釈する。
なお[]種別板再現を見送ったのは誤りで1970年代前半には貫通扉種別板差しが設けられたらしい。
ここは4両編成化時に捲り式行先表示板掲示と共に整備対象とする。
同時にヒューズボックスを黒色塗装し屋根板にコントラストを与えるつもりでいる。
当然ながら離合に相応しい編成は存在しない。
雰囲気重視ならマイクロエース製3300形3356F復活青電色前期仕様(3356F)が筆頭だろう。
但し青電色の再現が全く異なるため何れにせよ違和感は拭えない。
マイクロエース製3500形3504F朱帯色後期仕様(3504F)を登場時仕様へ戻すのが近道かもしれない。


206Fサイドビュー(モハ207)。

2M組成の2両編成も運用実績が確認出来なかった。
そのため2両編成でも4両編成でもイメージ編成に留まる。
しかし200形の製品化自体が喜ばしく全く気にならない。
引き続き青電形式のリリースに期待を寄せている。
台車をFS-28へ履き替えれば500形,510形が仕立てられる。
KS-104を用い非電装屋根板を新規に興せば1600形クハ1603まで繋げられるだろう。
その際はブラインドパッケージではなくオープンパッケージでの製品化を並行してほしい。

206Fは1976年3月に京成線から姿を消し実際の活躍が記憶に残るのは新京成線内だけだった。
自前の記録が一切無くプロトタイプ設定には各種資料を探り出場まで結び付けた。
参考文献は以下の通りである。

◆RP誌:#276,#486,#622,#632,#787。
◆RP誌AS:#36。
◆RML誌:#153,#154,#164,#184,#185,#186。

何れも200形更新修繕後の動向を掴む要素を得られた。
モハ206,モハ207への特定は難しかったが小変更への追随に大きく貢献している。
206Fは千葉線系統への投入が確定している。
仮に本線系統なら資料で強く印象に残った[特急 東中山]を選択しただろう。

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