前述したように、この予測には関東大地震(1923年)、元禄関東地震(1703年)タイプのM8クラスの地震はのぞかれている。当分来ないから、という理由からだ。これらの巨大地震は相模トラフが一挙にずれて起こる地震だが、これらの発生頻度についてもこの数年で研究が急に進んだことが、シンポジウムを傍聴してみて分かる。
会場ロビーの展示の中に、房総半島海岸でみられる隆起の繰り返しパターンから、相模トラフがずれて起きた巨大地震の発生時期と周期を割り出した図があった。海溝型と呼ばれるこのタイプの地震が起きると、陸側はひずみを解消して跳ね上がるため隆起する。こうした地震は何度も起きているから、海岸近くに段差のある地形として、巨大地震の跡が記録されているわけだ。巨大地震ごとに海岸線が海側にずれ、陸が広がる。房総半島南端の太平洋に面した海岸沿いには、こうした何段にも段差が見られる地形がはっきりしており、隆起により干上がった昔の岩礁に残された生物の遺骸(がい)から、隆起した(地震が起きた)年代が割り出せる。
こうした研究が進んだ結果、1703年の元禄関東地震(M8.1)の前に、約2,000-2,300年の間隔をおいて少なくとも3回、同規模の巨大地震が起きていることが分かった。
興味深いのは、元禄関東地震から220年後に起きた関東大地震は、元禄関東地震の仲間には入らない、“小ぶり”の巨大地震ということだ。確かに元禄関東地震の8.1に比べ、関東大地震のマグニチュードは7.9と小さい。海岸隆起量が元禄関東地震型ほど大きくないこともこれを裏付けている。元禄関東地震型の巨大地震は、約2,000-2,300年という極めてまれにしか起きないのに対し、関東大地震規模の海溝型巨大地震は、平均400年の間隔で繰り返し起きていることが、房総半島南端の海岸地形が物語っているという。
南関東は、東海から四国沖にかけての南海トラフ沿いに比べて巨大地震の危険は小さいというのは“過去の常識”ということのようだ。ちなみに極めてまれにしか起きない元禄型関東地震の規模が飛び抜けて大きいのはなぜか。「相模トラフは房総半島の南方沖で、南向きから南東向きに曲がっていると最近、考えられている。元禄型関東地震は、ずれた断層の南端が関東大地震でずれたところで終わらず、さらに南東方向へ曲がったトラフ部分も同時にずれたためと考えられている」(武村雅之・鹿島建設小堀研究室プリンシパル・リサーチャー)という。
これまで繰り返し巨大地震を起こしている南海トラフでは、東海地震、東南海地震、南海地震など個別の地震と、これらが続けざまないし一度に起きる連動型地震の発生パターンがあることが注目されている。首都圏を直撃する相模トラフで起きる海溝型地震でも、関東大地震型の単独タイプと元禄関東地震型の連動タイプがあるということのようだ。
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会場ロビーの展示の中に、房総半島海岸でみられる隆起の繰り返しパターンから、相模トラフがずれて起きた巨大地震の発生時期と周期を割り出した図があった。海溝型と呼ばれるこのタイプの地震が起きると、陸側はひずみを解消して跳ね上がるため隆起する。こうした地震は何度も起きているから、海岸近くに段差のある地形として、巨大地震の跡が記録されているわけだ。巨大地震ごとに海岸線が海側にずれ、陸が広がる。房総半島南端の太平洋に面した海岸沿いには、こうした何段にも段差が見られる地形がはっきりしており、隆起により干上がった昔の岩礁に残された生物の遺骸(がい)から、隆起した(地震が起きた)年代が割り出せる。
こうした研究が進んだ結果、1703年の元禄関東地震(M8.1)の前に、約2,000-2,300年の間隔をおいて少なくとも3回、同規模の巨大地震が起きていることが分かった。
興味深いのは、元禄関東地震から220年後に起きた関東大地震は、元禄関東地震の仲間には入らない、“小ぶり”の巨大地震ということだ。確かに元禄関東地震の8.1に比べ、関東大地震のマグニチュードは7.9と小さい。海岸隆起量が元禄関東地震型ほど大きくないこともこれを裏付けている。元禄関東地震型の巨大地震は、約2,000-2,300年という極めてまれにしか起きないのに対し、関東大地震規模の海溝型巨大地震は、平均400年の間隔で繰り返し起きていることが、房総半島南端の海岸地形が物語っているという。
南関東は、東海から四国沖にかけての南海トラフ沿いに比べて巨大地震の危険は小さいというのは“過去の常識”ということのようだ。ちなみに極めてまれにしか起きない元禄型関東地震の規模が飛び抜けて大きいのはなぜか。「相模トラフは房総半島の南方沖で、南向きから南東向きに曲がっていると最近、考えられている。元禄型関東地震は、ずれた断層の南端が関東大地震でずれたところで終わらず、さらに南東方向へ曲がったトラフ部分も同時にずれたためと考えられている」(武村雅之・鹿島建設小堀研究室プリンシパル・リサーチャー)という。
これまで繰り返し巨大地震を起こしている南海トラフでは、東海地震、東南海地震、南海地震など個別の地震と、これらが続けざまないし一度に起きる連動型地震の発生パターンがあることが注目されている。首都圏を直撃する相模トラフで起きる海溝型地震でも、関東大地震型の単独タイプと元禄関東地震型の連動タイプがあるということのようだ。
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