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アルコール依存症は不治の病?その4:越行の受容限度

2006-04-17 13:08:58 | アルコール依存症

退行と越行に関しては理解していただけましたでしょうか?

簡単にまとめると、本来の欲求が充足されない場合、その代理欲求が本来よりも下位の欲求の場合を退行、上位の欲求の場合を越行と呼びます。

さて、代理欲求が退行として現れている場合は「この人には問題がある」のは周りからみて明らかです。第二子が産まれたことで第一子が赤ちゃん帰りした場合、どの母親でも第一子に何か問題が起きている事を察知するでしょう。

しかし代理欲求が越行として現れている場合はどうでしょう。たとえば第二子が産まれたことで第一子が大人びた行動を取るようになった場合、普通親は「お兄ちゃんやお姉ちゃんの自覚が出てきたのね」と思ってむしろ成長したとしてさらにこの子は放置される結果になるでしょう。

これが越行によって起こっている場合、実は第一子は方向が違うだけで、赤ちゃん帰りしているのと同じような状況にあります。余談ですが、実はAC(アダルト・チャイルド/チュルドレン)の問題はここにあると言っても過言ではないでしょう。よくACは「過剰適応」とか、「いい子の病気」とか言われますが、それは越行によって起こっていると考えられます(ACに関してはまたこのシリーズとは別途記述する予定)。

さて、越行も退行も代理欲求であり、本来の欲求を満たすことではありません。たとえるなら空腹の人間が空腹を紛らわすために水を飲むようなものです。水を飲めば一時は空腹が紛れますが、結局は食事をしない限り空腹は根本的には収まりません。水を飲むことで紛らわせるのは限界があります。同様に越行にも受容限度があり、又吉氏の観察ではおおよそ10年位が限度の目安であるようです。
たとえば3歳位で越行をはじめた場合、13歳前後が我慢の限度で、この頃から問題行動を起こすようになるようです。ちなみに又吉氏によると、順調に各種欲求が充足されていった場合、自己実現欲求が現れるのは15歳位のようです。


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