中小企業のES=人間性尊重経営のパイオニア/有限会社人事・労務 ES組織開発・人事制度改革ブログ

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暗中模索の人生(The life Exploring in the chaos)の道しるべ

2023-04-20 13:14:05 | 組織開発・社風改革

「ピーター・カーニック氏初来日」対談イベント〜お茶会編~

「ソース・プリンシプル(ソース原理)提唱者」ピーター氏と「参加型社会の自己組織化を試みる」田原真人氏の交差点 ~

 

AIに仕事を奪われ、少子高齢化が進み、環境汚染も止められず、戦争も起きていて私たちが生きる時代の未来は暗いのだろうか?

今回、「参加型社会の自己組織化を試みる」田原真人氏と「ソース・プリンシプル(ソース原理)提唱者」ピーター氏の対談は私たちが社会と個人をどう捉えていくのか、考え方の枠組みを一度新たにし、自分のバイアスを外せるような時間でした。

<ピーター氏、田原氏から見えている世界>

ナレッジマネジメントが起き、知識に価値があると思われ始めてから私たちの世界は混沌の度合いが高まり始めた。仕事の変化としては、終身雇用制が崩れ、ブルーカラーの仕事がテクノロジー、機械へ置き換わり、その後ホワイトカラーの仕事も同様に。今はプログラマーすらAI・機械に置き換わっている。

 

★ピーター氏が提唱する4象限

「知っていることを知っている」つまり繰り返すことが出来る。科学や工場、工業などがこれに当たる。「知らないことを知っている」自分が知らないことがあることを分かっている、例えば調査など。「知っていることを知らない」つまり、盲点になっていること。自分の得意やスキルを知らない。ここを掘り起こすことがソースワーク。「知らないことを知らない」これは例えるなら暗闇やカオス。

 

★田原氏はリビングシステム(=「生きているシステムとは何か」)をテーマに30年活動をされています。

世の中には、再現性で理解できるものと創発性で理解できるものがある。しかし今の解決とは世の中は再現可能性が溢れている前提で進んでいる。ほとんどの人は創発性で理解できる部分があるということを知らない。そして、創発性が起こるのは一旦自分のフレームを外してカオスに入ったとき。カオスはすぐ出てしまうと良く分からない。温泉が長めに浸かることで良さ、効果効能を感じるように、カオスも浸かることが大切。カオスを味方につけてしかるべき時間留まってみよう。

また、図にあるように前例踏襲型と前人未到型では情報の流れる向きが真逆になる。

前例踏襲型・・・頭→身体→環境

前人未到型・・・環境→身体→頭

つまり、これからは今まで通り頭で理解しようとすることが上手くいかない原因になる。環境→身体→頭で理解できるようになっていく。

<このような時代でどう生きるのか、どう人間性を発揮していくのか、

そしてAIとどのように共に生きていくのか>

私たち個人のレベルに落としても、例えば社労士の仕事だと手続きは常に再現性がありました。また何か人事の問題が起きれば法律に照らし合わせて答えを出していました。これからAI、ChatGPTの台頭で手続きはシステムが行ってくれるし、法律に回答がある問題はシステムが答えてくれるようになっていくでしょう。そのような中ではどんどん自分たちの仕事がなくなっていくのでは、という不安も感じます。

 

★田原氏

「怖い」も大切な感情。自分が一番怖い方向に進んでいく(ex:自分の仕事がなくなる)それはつまりカオスに近づいていっている。人から終わらされることと自分から終わらせることは同じ“終わり”でも全く異なる。自分から終わらせにいくと次のシステムを積極的に始められる。

前例踏襲型→前の人がやっているから大丈夫

前人未到型→自分の道を歩いているから大丈夫

これからは前人未到型、自分の道を歩いている安心感を持つ。

これからはインテリジェンスからスマートの時代。

AIとインテリジェンス(知識量)で勝負するのではなく、身体拡張といったようなスマート的な捉え方をしてみよう。社会が個人を内包するのではなく個人が社会を内包していく。

 

★ピーター氏

今の世界は混沌だとも言えるが、ある意味では人生がこれほど素晴らしいことはなかった、とも言える。皆が同時に愛してやまないことをしよう、その時“創発”が起きる。自分の人生の中で自分は何をしているかどういう人になっているか見直してみてほしい。それが本当に愛してやまないことではなければ、本当に愛してやまないことは何かを探す一歩を踏み出してほしい。その道をいくことが生きていて本当に幸せだったことになるから。あなたが本当に愛してやまないことをやっていけば、周りにいるその人たちとも創発が起きる。マジックが起きるのは私たちひとりひとりが皆がそれぞれ愛してやまないことをやっている瞬間である。ソースとなる人を中心に皆が違う楽器を演奏しているイメージ。

今回、お二人の対談を最初拝聴した時はとても抽象的な概念的な話をされていて、理解が難しいと思っていましたが、だんだんと今の自分が生きている世界で霧が晴れていくような感覚がありました。

「今の仕事を続けていて未来があるのか分からない」「今の政治が正しいのか分からない」など私たちはどうしても“正解を求めたい”“強いものに依存したい”“正しい道を歩きたい”“正しい方法が知りたい”そういった気質があるように思います。

同時にこれからは答えがないカオス(複雑系)を扱うことが仕事になっていき、それが出来ることこそ人間なんだと感じました。AIに恐れもありますが、人間もともとは斧や包丁、自転車だって身体拡張と捉えることができる。そう考えるとAIも今まで通り人間が歩みを進めてきた中の身体拡張の一部ではないでしょうか。

暗中模索人生を楽しみながら私たちひとりひとりが「自分が本当に愛してやまないこと」を見つけていきたいですね。