大いなる勘違い ~ 早稲田MBA奮闘記

早稲田大学ビジネススクール(WBS)での入学から卒業までの記録 + その後

心に残った震災ボランティア

2011年03月21日 | 東日本大震災

 

阪神大震災の時、心に残ったボランティアがある。

ある若い美容師が、避難所を回りながら無料で髪を切るボランティアをしていた。

避難生活が1ヶ月、2ヶ月と続くと、当然髪は伸びるし、切りたくなる。

女性であれば、それなりにオシャレもしたくなるだろう。

その美容師は、水も整髪料もない中で、ほぼハサミとクシだけで、子供から老人、若い女性まで、どんな要望にも応えて、美容師らしい軽快なトークとリズムで髪を切っていった。もちろん無料だ。

次第に長蛇の列ができ、朝から切り始めて、切り終えたのはもう夜中、終わると「また来ます」と軽く挨拶をして、次の避難所に行った。

東北の震災後、テレビでは素人のボランティアが来ると返って迷惑になる、と言った論調を盛んに耳にする。確かに、震災直後には、避難所は混乱するため、勝手のわからないボランティアが行くと足手まといなるケースもある。

ただ、ボランティアは必ずしも“プロ”がいいかというと、そうではない。地方自治体やNGO/NPOだけでは、カバーできない部分が実はたくさんある。

避難生活は長期化すればするほど、衣食住が満たされれば良いと言うものではなくなる。長期の集団生活の中で、被災者は個々の欲求は極力抑えて過ごしている。溜まっているストレスは計り知れない。

お年寄りの話し相手になるだけでもいい、子ども達と遊ぶだけでもいい、そう言った細かなニーズに応えるのは、むしろ素人ボランティアの役割なのだ。

だから、何かやろう思う人は、恐れず、やればよいと思う。その行動は必ず誰かの役に立つはずである。

避難所がある程度落ち着き、ボランティアの受け入れが可能なったら、実際に足を運ぼう。

僕は、何かできると思うから、行くつもりです。

 

Ken Murakami
creativethinking.jp