「Nešto između」IMDb(邦題「三人でスプリッツァ」)という映画を観た。これもスルジャン・カラノヴィッチ監督の作品。
アメリカからユーゴスラビアにやって来たジャーナリストの女性と、その元恋人のユーゴの医師、その友人のプレイボーイが話の中心。
医師役では若々しいミキ・マノイロヴィッチが出ている。といっても、雰囲気は今とそんなに変わらない……演技はやっぱりとんでもなく上手いし、改めて、すごい俳優だな、と。英語を喋らせたって、やはり絵になる人です。
とか考えると、ミリャナと夫婦を演じた「パパは出張中!」って、偉大。
原題の意味は「どっちつかず」。女性の揺れる心とか、ユーゴという国のありようなどの比喩になっている。それだけに限らず、「どっちつかず」はいろいろな所に見いだせた。たぶん、わたしが年をとるごとに、この意味もより深く分かることができるようになるんだろうな、と思う。そんなような、奥深い表現。
「ペトリヤ」では写真のコラージュだったけれど、この作品では冒頭でおばあちゃんが語りかけてきて、「どっちつかず」というゲームについての説明をする。それが全体を貫くモチーフとなる、という仕組み。
こういうカット、というか構成が好きな監督さんなのかもしれない。良い効果が生まれていて、なかなか素敵だと思う。
三人のやり取りの中でアメリカとユーゴがよく比較されるのが興味深かった。
東でも西でもないユーゴ。もちろんわたしはその時代にかの地に行ったことはないけれど、間接的には聞き知っている。でも、ああ、こういうことなんだな、とこの映画を観て腑に落ちた。もちろんごく一部に過ぎないのだろうけれど。
空襲訓練って、実際、あの通りにやっていたのだろうか。建物に火をつけたり、ミサイル?を処理したり。かなり気になる……。
旧ユーゴ関連の作品で、こういう軽快なタッチの男女の物語を観たのは、わたしにとっては初めてで、新鮮だった。
心理描写はすっきりしているけれど、しっかり個々の心の動きが描かれているし、展開も、落ち着いていながらも意外性抜群で、面白い。
ただ、残念なのは、音楽が少々野暮ったいこと。それと、JATのCM?というような、見事なまでの飛行機の俯瞰ショット。スポンサーだったんだろうな、きっと。
でもそれも愛嬌かな。なにせ「どっちつかず」だもの。
最後に、スプリッツァというのは、ワインとソーダを半々に割った飲み物のこと。
多民族、多文化が混じり合うユーゴという国、そして「どっちつかず」が重ねられている。
(こんな詳しい解説を見つけました。→link
ただし、ネタばれ満載なのでこれから見られる方はお気をつけて。)
アメリカからユーゴスラビアにやって来たジャーナリストの女性と、その元恋人のユーゴの医師、その友人のプレイボーイが話の中心。
医師役では若々しいミキ・マノイロヴィッチが出ている。といっても、雰囲気は今とそんなに変わらない……演技はやっぱりとんでもなく上手いし、改めて、すごい俳優だな、と。英語を喋らせたって、やはり絵になる人です。
とか考えると、ミリャナと夫婦を演じた「パパは出張中!」って、偉大。
原題の意味は「どっちつかず」。女性の揺れる心とか、ユーゴという国のありようなどの比喩になっている。それだけに限らず、「どっちつかず」はいろいろな所に見いだせた。たぶん、わたしが年をとるごとに、この意味もより深く分かることができるようになるんだろうな、と思う。そんなような、奥深い表現。
「ペトリヤ」では写真のコラージュだったけれど、この作品では冒頭でおばあちゃんが語りかけてきて、「どっちつかず」というゲームについての説明をする。それが全体を貫くモチーフとなる、という仕組み。
こういうカット、というか構成が好きな監督さんなのかもしれない。良い効果が生まれていて、なかなか素敵だと思う。
三人のやり取りの中でアメリカとユーゴがよく比較されるのが興味深かった。
東でも西でもないユーゴ。もちろんわたしはその時代にかの地に行ったことはないけれど、間接的には聞き知っている。でも、ああ、こういうことなんだな、とこの映画を観て腑に落ちた。もちろんごく一部に過ぎないのだろうけれど。
空襲訓練って、実際、あの通りにやっていたのだろうか。建物に火をつけたり、ミサイル?を処理したり。かなり気になる……。
旧ユーゴ関連の作品で、こういう軽快なタッチの男女の物語を観たのは、わたしにとっては初めてで、新鮮だった。
心理描写はすっきりしているけれど、しっかり個々の心の動きが描かれているし、展開も、落ち着いていながらも意外性抜群で、面白い。
ただ、残念なのは、音楽が少々野暮ったいこと。それと、JATのCM?というような、見事なまでの飛行機の俯瞰ショット。スポンサーだったんだろうな、きっと。
でもそれも愛嬌かな。なにせ「どっちつかず」だもの。
最後に、スプリッツァというのは、ワインとソーダを半々に割った飲み物のこと。
多民族、多文化が混じり合うユーゴという国、そして「どっちつかず」が重ねられている。
(こんな詳しい解説を見つけました。→link
ただし、ネタばれ満載なのでこれから見られる方はお気をつけて。)