ジャッピー!編集部日記

映画の雑誌「ジャッピー!」編集部の活動記録です。

ピンクパンサー

2006-03-28 23:35:42 | Weblog
いつもうつむいて歩いているので、桜が咲いていることに気が付かない池田です。
水たまりに散った桜の花びらを見つけて「ああ、そうか、桜が咲いていたのかあ・・・」なんてね、そんなですよ、僕の人生。

というわけで、桜といえばピンク、ピンクといえばピンクパンサー。
あの懐かしいヘンリー・マンシーニのテーマ曲と、オープニングのアニメーションもそのままに、『ピンクパンサー』の新作が、5月に公開されます!
ピンクパンサーといえばクルーゾー警部。ピーター・セラーズの馬鹿っぷりは面白かったですね。といっても僕も含めてテレビで見た人がほとんどじゃないでしょうか。僕も子供の頃、外国にも志村けんみたいな人がいるんだなあ、と思って見てたもんです。
ピーター・セラーズ亡き後も、何本か『ピンクパンサー』シリーズは作られたんですけど、なんかどれも今イチでした。でもね、今回は面白いですよ。試写室で手たたいて笑ってたのは僕です。

今回復活した新クルーゾー警部は、スティーブ・マーティン!!最高じゃないですか。『サボテン・ブラザース』『リトルショップ・オブ・ホラーズ』『愛しのロクサーヌ』『マイ・ブルー・ヘブン』・・・この人には何回笑わせてもらったか分かりません。近年は渋い性格俳優としてもいい演技を見せていますが、やっぱりコメディが最高です。
資料を見ると、1945年生まれというから、なんともう60才!でもこの人、映画界に登場した時から白髪だったので、印象はほとんど変わってない気がします。『ピンクパンサー』でも、身体の「動き」のギャグは健在ですよ。
この新クルーゾー警部が成功したのは、ピーター・セラーズの真似じゃなくて、「スティーブ・マーティンのクルーゾー警部」を作り上げたところだと思います。ピーター・セラーズの真似だったら、ジェフリー・ラッシュがやればいいんです(『ライフ・イズ・コメディ!ピーター・セラーズの愛し方』参照)。

スティーブ・マーティン以外のキャスティングも抜群で、上司にあたる腹黒い警視役のケヴィン・クライン(『ワンダとダイヤと優しい奴ら』なんか最高でしたね!)、マーティンを補佐する堅物警官を演じたジャン・レノ(『ピンクパンサー』って、フランスが舞台の映画ですから!)が、また笑えます。クライマックスで見せる、マーティンとジャン・レノのトカゲ・ダンスときたら・・・おっと、このくらいにしときますか。
あとはデスチャのビヨンセが出てます。ほぼ本人のセレブ役で。ビヨンセも可愛いんですけどね、おそらく多くの男性は、クルーゾー警部の献身的なメガネ秘書ニコール役の、エミリー・モーティマーにやられてしまうことでしょう。美人でメガネで秘書なんです!

僕みたいに、ウツ気味の時はコメディが一番いいですよ。もうさ、クルーゾー警部、ほっんとに馬鹿なんだもん。でも最後は、うそぉーんっていう超人的な活躍も見せてくれるんです。そういう映画、最高じゃないですか。(池田)


『ピンクパンサー』公式サイト
5月13日(土)より、日比谷みゆき座ほかにてロードショー

23号進行状況

2006-03-26 00:46:28 | Weblog
 毎週土曜日はジャッピー!編集部での編集作業日。1500円のiMacが順調に仕事をこなしてくれてるので、作業も順調! 簡単にではありますが、今週から作業の進行状況をブログで報告できればと思っております。

さて、今週の進行状況でありますが、俳優の忍成修吾さんのインタビューページと、「ヨコハマメリー」の中村監督のインタビューページが完成しました。両方とも面白い話が満載だったんですが、ページの都合により、泣く泣くカットした部分が多数でして、編集部一同、本気で泣いておりました。でも、だからこそそれだけ充実したインタビュー記事になったのだ、とも言えるわけですが。

 とにかくこれで半分強は完成したことになります。あと本当にもう少しで完成です! 今回も濃い号になりそうな予感。4月の下旬ごろまでには出したいと思ってます。請う御期待です。

さて、今から告知して、どれだけの方に届くのか分からないのですが、明日(というか、正確には本日の日曜日)の朝10時半からテレビ東京系で、森達也監督の「ドキュメンタリーは嘘をつく」という番組が放送されるそうです。番組の編集はなんとジャッピー!22号にも登場した松江哲明監督! お二方に登場していただいたジャッピー! としては見逃せない番組ですよね。こちらもチェックしてみてください。(壬生)

ま、タイトルはアレですが

2006-03-21 23:40:12 | Weblog
ジャッピー!22号の松江哲明監督インタビューを読んで、AVながら山形ドキュメンタリー映画祭で大絶賛を浴びたという「アイデンティティ」を観たいと思っていた人もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方に朗報です!

「セキ★ララ」のタイトルで、6月からシネマアートン下北沢での上映が決まったようです。かくいうオイラも未見の作品なので、楽しみにしておるのであります。

そうそう、今回の号からシネマアートン下北沢でもジャッピー!を販売していただいているので、「セキ★ララ」共々是非ともよろしうお願いします。(壬生)

バイバイ、ママ

2006-03-20 00:49:28 | Weblog
どうも。街を歩いてて、ティッシュも上手く貰えない池田です。

ケヴィン・ベーコンの監督デビュー作『バイバイ、ママ』を観ました。
ベーコンが監督をやろうと思ったのは3年前。たぶん『ミスティック・リバー』で共演していたショーン・ペンやティム・ロビンス(共にヒジョーに優れた映画監督です!)、そしてもちろんクリント・イーストウッド大師匠に影響されたんでしょう。そんな時に出会ったのが、この『バイバイ、ママ』の原作だったそうです。

これは、チラシなんかには「シングルマザーの暴走を描いた衝撃作!」とか書いてあるんで、僕は勝手に「血の匂い」を感じてしまい、悲惨なことになったらいやだなあ、と思ってたんです。
でもね、ケヴィン・ベーコン監督は優しい人でした。実際、愛情が深すぎるために子離れ出来ない母親が、最後に選んだ道はキビシイ結末です。おそらく、これをテレビのニュースかなんかで見たら「まったく酷い母親もいたもんだ」なんて言ってしまうタイプの話ですね。
でも、そんな母親を決して「狂人」のように描かず、映画はユーモアたっぷりに展開し、ちょっとしたスキ間スキ間から、異常さと哀しみが滲み出してくるというニクイ演出ぶり。そして、観終わった後には、意外にも温かい気持ちになるんです。

主演のママ役には、ベーコンの奥さんのキラ・セジウィック。息子役はドミニク・スコット・ケイ君なんだけど、この子が黒目がちでとても可愛いです。そして、ママの回想シーンに出てくる両親は、父がケヴィン・ベーコン、母がマリサ・トメイ。この二人はまさに怪演です。
他にもマット・ディロン(出番は少ないけど、近年で一番イイ役かも)、サンドラ・ブロック(なぜかいつもジミ・ヘンドリクスの「リトル・ウィング」に乗って現れる!)と、普通に考えたらかなり豪華キャストですが、そこは友だち価格で出演しているんでしょう。
また音楽担当はマイケル・ベーコン。そう、兄貴です。家族をテーマにした映画にふさわしく、家族で作っています。
4月1日より、シアター・イメージフォーラムにて公開。(池田)

『バイバイ、ママ』公式サイト

時代は変わる

2006-03-16 23:25:22 | Weblog
今さらではありますが、さきほどヤフオクで古いiMacを落札してしまいました。しかも値段は1500円! 映画の入場料よりも安い! ITは人間の暮らしを変えるといいますが、すごい時代になったモンです。

ありがたやありがたや。

ジャッピー!編集部は今まで2台のパソコンで作業をしていたわけなのですが、どうにも物足りなさを感じていたんです。でも、テキスト打ちレベルだったら、古いiMacでも対応できるだろうし、充分な戦力になるような気がするんです。

これでジャッピー!の編集作業も少しはスピードアップ出来るといいなぁ。ブログの更新ももう少しマメに出来るといいなぁ、なんてワクワクしている雨の夜なのです。(壬生)

人生たまにはいいこともある

2006-03-15 12:24:59 | Weblog
あのですね。
とある出版社の方と打ち合わせをしてたんです。
そのときに『ジャッピー!』の話が出て、
僕がその編集者とわかると、
その方はいきなり「あれはいい雑誌ですね!」と言われたんですよ。

とにかく関係者以外で『ジャッピー!』を知ってる人って、
今まであまりお目にかかってないものですから、
すごーく感激しちゃいました。

その方と、日本映画関係の企画の話をしてたんですが、
「『ジャッピー!』の方と日本映画の話をするなんて
おこがましいです。すみません!」と言われちゃいました。

その方は山下敦弘監督の本を作るときに、
21号の赤犬アキラさんの記事を参考にして
いただけたみたいです。すみません。あんな記事で良かったですか?
あやまりたいのはこっちの方です。

なんか、でもすごく嬉しかったですよ。
日頃、世間から後ろ指さされている僕ですが、
こんな感じで『ジャッピー!』をやってて良かったと思う瞬間が
あると「もう少し頑張ろう!」と思うわけです。ほんとに。(中島)

中南米マガジンが出ました!

2006-03-10 07:51:02 | Weblog
先日「タモリ倶楽部」にも出演して、ブレイク中の「中南米マガジン」最新号が編集部に届きました。
今号では「三大雑誌てい談」という記事が載っているのですが、三大雑誌とは「少年ジャンプ」でも「文藝春秋」でも、ましてや「LEON」でもあるはずがなく、「中南米マガジン」と「酒とつまみ」、そして我らが「ジャッピー!」なのです(笑)。

まあ内容は、僕らのような「リトルマガジン」ならではの苦労話を、面白おかしく語っているわけですが、「酒とつまみ」さんも「中南米マガジン」さんも、「タモリ倶楽部」に出演したりして、知名度、発行部数とも、我らが「ジャッピー!」とは、かなり差がついてしまっているわけです。鼎談中も感じていたのですが、改めて記事を読み返してみると、「ジャッピー!」はいかに営業努力をしていなかったか、というのが分かり、反省させられました。「ジャッピー!」は他の二誌より長くやっているのですが、そこが逆に恥ずかしいというか、色々と勉強させてもらった鼎談になってます・・・。

他にも「ジャッピー!」19号で、ホラー映画について書いていただいた土方さんによる、「ホラー映画にみる国境の北と南」という、新しい視点のホラー映画に関する記事も、大変興味深いものでした。
あと僕も、後ろの方のページをチョロっと2ページもらって、ブラジルのミュージシャン兼俳優のセウ・ジョルジについて書いていますので、そちらもひとつよろしくです。(池田)

「中南米マガジン」のブログ
「酒とつまみ」のブログ

イーオン・フラックス

2006-03-06 21:08:02 | Weblog
アカデミー賞が発表になりました。今年はけっこう番狂わせが多かったんじゃないでしょうか。実は昨日、いっちょアカデミー賞の予想でも書いてやるか、と思ったんですが、改めてノミネートをみると、半分くらい、まだ観てない映画だったので止めました。
ちなみに主演女優賞のリース・ウィザースプーン以外、大ハズシでした。ああ、書かなくてよかった。

今年のアカデミー賞でも、『スタンドアップ』で主演女優賞にノミネートされていたシャーリーズ・セロンの新作、『イーオン・フラックス』が今週末から公開されます。これは正直いってアカデミー賞にはカスリもしないSF娯楽映画です。見所はシャーリーズ・セロン。以上。ぴっちぴちのコスチューム。完璧なボディラインのアクション・シーン。他に何がいる?
ストーリーは少々難解です(徐々に分かってくる仕掛けなので、前半は設定が飲み込めないまま進んでいきます)。でも、いいじゃないですか、ストーリーなんかどうだって。とにかくシャーリーズ・セロンが美しい。他に何がいる?

そりゃあね、アカデミー賞を獲った『モンスター』も、今回ノミネートされた『スタンドアップ』も、女優根性を見せた素晴らしい作品ですよ。でもね、僕が好きなのは『イーオン・フラックス』です。ジェーン・フォンダの映画の中で、一番好きなのが『バーバレラ』なのと同じ理由です。美しい女優は一番美しい時期に、美しく見える映画に出て欲しいんです。
シリアスな映画の役作りのために、体重を増やしたりメイクをしたり、という演技は評価されますが、アクション映画のために、身体を鍛えて体重を落としたり、ハードなスタントを自ら演じたりというのも、同じくらい凄い女優根性だと思います。

あとそうだ、『イーオン・フラックス』には、ピート・ポスルスウェイトが凄いメイクで出てきますんで、それも見所に加えておきます。(池田)

『イーオン・フラックス』3月11日より公開

『ヨコハマメリー』

2006-03-03 23:01:00 | Weblog
忍成修吾さんに続き、
『ヨコハマメリー』の中村高寛監督にも取材してきました。
ドキュメンタリー、と言われていますが、
この作品は、いわゆる世間一般で思われている
ドキュメンタリーではない、という話から始まって、
実に濃いインタビューとなりました。

ドキュメンタリーをめぐる言説は、実にさまざまです。
でも、肝心なのは、面白いか面白くないか。感動するかしないか。
それに尽きると思います。シンプルでいいんじゃないでしょうか。

そんな意味で、公開中の、『スティーヴィー』と
『送還日記』(これは明日から公開)はお薦めです。
本物の迫力、といいますか。重みが違います。ひたすら凄い。
観てるうちにこれはドキュメンタリーだ、ということを忘れます。
そういうのが「いい映画」の条件だと思いますので。

なんだか、宣伝部のまわし者みたいですが(笑)、
いい映画はいい映画、ということで。どうかひとつ。(中島)

『送還日記』公式サイト
『スティーヴィー』公式サイト

忍成修吾さん取材敢行!

2006-03-03 22:22:04 | Weblog
なんと、忍成修吾さんの取材が急遽決まり、
早速ご本人にインタビューしてきました。
4月にポレポレ東中野で公開される『ブレス・レス』の
プロモーションで、お会いできたんです。

忍成さんというと、『リリィ・シュシュのすべて』とか『青い春』
『バトルロワイヤル2』『犬猫』『アニムスアニマ』などなど、
今の日本映画に欠かせない若手俳優さんです。
繊細でナイーブな青年役がハマる人ですよね。

こちとら男子ですから、それほど思いませんでしたが、
女性に熱狂的な人気なのもうなずける美青年ぶりでした。

忍成さんは淡々と、そして誠実にこちらの質問に答えていただきました。
インタビュー時間は30分ぐらいでしたが、そこそこ充実した
記事になると思います。皆さん、どうかお楽しみに!(中島)

『ブレス・レス』の詳細はコチラ

キャッチコピーのこととか

2006-03-01 01:19:16 | Weblog
伊坂幸太郎さんの『陽気なギャングが地球を回す』(祥伝社文庫)という本を読んで、大変面白かったのですが、同時に、読んでしまったことを後悔しました。
なぜかというと、これは映画化されて5月に公開されるわけですよ。もちろん、映画が楽しみなのは間違いないのですが、物語が二転三転、四転五転するというタイプのものなので、何にも知らない方が楽しめるはずです。だからみなさん、いま書店でこの文庫は平積みになってると思いますが、映画を観るまで読まないことをオススメします。こんなこと書くと祥伝社の人に怒られそうだな。えーと、だから大変面白い本です。買ってもいいよ。買って下さい。でも、映画観るまでは読まない。これでどう?各方面、丸く収まってない?
映画は、大沢たかお、佐藤浩市、鈴木京香、松田翔太主演の期待作です!

ここまで書いて思い出したのが、かつて角川映画が『犬神家の一族』公開時に、大キャンペーンを張った
「観てから読むか、読んでから観るか」
というキャッチコピー。おそらく30代半ば以上の人は、ほとんどトラウマ化してるような名キャッチコピーですね。
何が凄いって、よく考えれば選択肢の中には「オレは本も読まないし、映画も観ねーよ」とか「映画は観てもいいけど、本まではどうも」というのも当然あるわけですよ。しかし、きっぱりと「観てから読むか、読んでから観るか」と言い切られてしまうと、「じゃ、じゃあボクは読んでから観ようかな」となるわけで、映画は大ヒット、原作本はベストセラーの大ブームになったわけですよ。天才的な広告です。

ついでに書いておきますが、映画のキャッチコピーで名作といえば、『サスペリア』(77)の
「決してひとりでは見ないでください」
ですね。これも30代半ば以上の人は、トラウマ化してることでしょう。
「すっげえ怖えーぞ」と言いながら、「皆様お誘い合わせの上お越し下さい」とも言ってるわけですよ。これまた天才的な広告です。

話は全く変わってしまうのですが、「ジャッピー!」誌上の連載「映画館へGO!」も大好評の片岡礼子さんが、ブログを始めています。「ジャッピー!」に連載の4コマ漫画を描いてて、徹夜になってしまったそうで、編集部としては申しわけないやら、嬉しいやら。(池田)

片岡礼子 日記帳