清水町千[せんだい]代のぶどう山椒

縄文時代からの贈り物。大切にし、伝承したい。
奥深き山郷から自然豊かなリポートをお送りします。

清水町千[せんだい]代のぶどう山椒

2017-07-30 04:22:24 | 自然とともに
 山椒は小粒でもピリリと辛い というが 13
 どんな産業でも似たようなものであるが、諸々の経費の中で一番大きな
問題となるのが人件費である。

 だから何かの商売を経験された方から、協力をいただくと「コスト」に
ついてお話しいただくことがある。

 こちらは余り採算性を言わなくても、一生懸命に作業を進めてくれる。
ところが、多くの方の中には「山椒は非常に効率よいさんぶつ」とでも
思っているのか、とんでもないことをおっしゃる方がいる。

 つまり、山椒栽培は出来栄えが少し悪いと、赤字であるのだが、それに
ついて一切お構いなしで、農家にとって嬉しくないことも沢山ある。

 収穫が一時に集中するのでどうしても人手不足になる。
 結果は人件費の高騰となる。出来栄えが良くない、取り手の問題も
あって収量が少ないと、見事に赤字経営となるのである。

 固定費が高騰するばかりで、売値が下がる一方なら当然のことである。

 栽培農家の絶対数が減少する中、高齢化と承継者がいないという
悪条件に加え、地力が低下してくると投げ出したくなるのが現状である。

 旧来の栽培方法に甘んじてきたわけではないが、いくつかの問題を
クリアしなければならないことは事実である。

 椅子を温めるホワイトカラー族に農家の悲哀は理解できないだろうし、
ノウハウもデスク論で割り切れない所がある。

 JAの研究と指導に大きな期待が寄せられているが、こちらも十分では
ない。
 

清水町千[せんだい]代のぶどう山椒

2017-07-29 04:22:23 | 自然とともに
 山椒は小粒でもピリリと辛い というが 12
 自然相手の産業は、天候に左右される。そのため乏しい収入に大きく
響いてくる。

 自然相手産業を経営する企業なり個人なりその存続が危ぶまれることも
起きてくる。

 山椒栽培でもご多分にもれずである。面白いことに、四則計算を置き
忘れてきた方のほうが立派なものをつくることがある。

 なまじ肥料のN・P・Kの計算を細かく出来るとか、農薬の希釈倍数を
誰かに計算してもらうかたのほうが見事なものをつくる。

 JAなどの指導に対し、正直に従うほうが良いようである。
自治体の機関やJAは、多くの職員を擁しているために研究されつくして
いるからものを提示してくれるからであろう。

 大量の肥料を求めると、どうしても価格の安い方を求めることになる。
 かなり前のことだがJAの職員が「JA以外の業者のモノは信頼ができ
ない。」と言ったことがある。枯葉JAにちゅうじつであったのだろう。

 しかし、「成分保証や内包物に虚偽があれば、認可した都道府県知事が
製造を停止できるはずであるから、その心配はいらない」と話したことが
ある。

 本題に戻る。
 気温の変化・日照時間・降雨量・降雪量・風量・施肥時期・受粉状況
いろんな条件が整わないと収量に大きく影響する。

 去年はあまり良くなかったが、今年のそれも決して良くない。その上に
生産物が、農家の努力に反映すればよいが、まず買い手市場である。
 
 

清水町千[せんだい]代のぶどう山椒

2017-07-26 01:43:13 | 自然とともに
  山椒は小粒でもピリリと辛い  というが  11 
 昨年は、猿年であったので果樹の多くは不作であった。今年もまた
同様に梅や山椒が不作で、梅などは5倍の高値が付き「梅泥棒」さえ
出る始末とか。

 お蔭で山椒も青み山椒は割合高く推移したようである。真っ盛りの
乾燥用の収穫量を聞いてみても、少ないのと実が小さいとのことでした。

 自然と値段が高くなります。何でもヨーロッパでも山椒の人気が上昇
してきたそうで高含みです。

 これが生で食するとなると、当然無農薬栽培や減農薬栽培で採れた
ものが好まれますが、山椒の木はゼリケートですし、あれだけの実を
実らすため負担が大きいのかよく枯死します。

 つまりコストが高くなることになります。

 そのままですと病害虫に負けることもあって、千[せんだい]代のぶどう
山椒もすっかり少なくなってきました。

 斜面の畑で農作業は、大変厳しいものがあって、その結果は身体の
負担をも強いられます。加えて年齢は待ってくれませんので、この頃は
栽培農家も少なくなっているようです。

 マイナーな産物は、どうしても無理が発生し、それを我慢していると
段々採算性が悪くなってゆきます。

 その結果しらずしらずに身体を蝕み、気が付いたころには歳を重ね
やむなく断念しなければならないことが起きるかも知れません。
 
  

清水町千[せんだい]代のぶどう山椒

2017-07-25 05:06:44 | 自然とともに
 山椒は小粒でもピリリと辛い   というが  10 
 人間は群れるのが好きなのか、小さな木に4人でも5人でも集って
終れば次の木に移る採り方をするグループがあります。

 大きな木に大勢集るのはわかるのですが、小さな木の収穫をして次の
木に移るのは、一日にするとかなりのロスが出ると思うのですが、一向に
お構い無く話の方が楽しみのような方もいます。

 くたびれないのかなと心配するような、一日中話を止めない方もいます。

 出来の悪い山椒を取っていただくので「経費差し引けば残らない
でしょう」と心配して下さる方もいます。

 「いいんです。あなた方にお会いできるだけでも楽しいし、JAさんや
職員の方、流通業者・運送業の皆さんに喜んでいただければ・・・・。」と
以下にも慈善者のごとく申し上げるが、皆さんがお帰りになってからが
大変なのです。

 機械(乾燥機など)に振り回され、神経を使うので夜もろくに寝る間が
ありません。

 これだけ手間ひまかけて、くたびれだけが残る悲しい。
 山椒は小粒でもピリリと辛いという
 山椒産業にお別れできるのはいつの事になるのやら。

 一日一日と体もいうことを効かなくなり、足を引きずりながら山椒の
臭いが好きなだけに貧乏暇なしを続けています。

 ピリリと辛い山椒についてはお話が沢山ありますが、なすべきことが
山ほどあって大変です。
 
 

清水町千[せんだい]代のぶどう山椒

2017-07-23 06:31:16 | 自然とともに
 山椒は小粒でもピリリと辛い   というが 9   
 次の話は、7~8年前のことです。
千[せんだい]代は、人手がありませんので90%以上を、他人様にお願い
しています。
 「近所の方が、今日はお休みですか?」という。
当方は「いや、休みではないが・・・・。」
 「でも今日は静かだから・・・・。あ、来た来た、賑やかになった」と
言ってにやりと笑ったのを思い出します。

 6人の他人さんにお願いした折、前回の3人の女性の静かな収穫情況を
話した。 この6人はどなたも唇が薄い方でした。

 細やかなことですが、休憩時にドリンクとお菓子を提供します。
たまたま大きな飴玉を用意していたので、みんなで大笑い。
 一人の方が、「千[せんだい]代さんは賢いわ。この飴玉を口に入れたら
話ができない」と言ったのが大笑いの元でした。

 最近の話を二つ。
 一つは御夫婦で、地域でも収量の多い方ですが、30mほど離れて
収穫をしている。お一人の言葉がはっきりと聞きとれないこともあるが
御夫婦で離れて静かに手だけを動かしている。

 二つ目、6人での収穫の方の話。

 新婚間もないご夫婦は、殆んどくっついて幸せそうに話をしながらの
収穫をしているが、その親御さん夫婦はお二人で別に離れた畑で離れて
収穫、長兄さんは一人離れたところで黙々と収穫。話し声が聞こえない。
 後のお一人は他人さんであったのかな。

昔から「山椒取りは歌を歌ったら山椒の木が枯れる」と言われてきました。
 一日中お口が止まらない話好きな方いますが、どんなお気持か聞く
機会がありません。                つづく