日本裁判官ネットワークブログ
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1 先頃ある病院に10日間入院して退院し,仕事に復帰した。血液検査の結果,現代の奇病(?)「栄養失調」ということで,「蛋白質が足りないよ」というのである。昨年9月に妻を亡くした悲しみと寂しさを紛らすためと,酒に強いという過信から飲酒過多になり,肝臓疾患が原因の極端な食欲不振によるもので,総蛋白の数値が正常値よりもかなり低く,アルコール分解酵素量に関するγGTPの数値が異常に高かったということである。肝臓以外は全て異常はなく,膵臓も正常であった。高校のクラスメイトである担当医師は,「おかしいな。普通はもっと数値に異常が出る筈なんだけど。」と言った。
2 私は,日頃基礎体力に自信があって,今回も格別疲れるなどという体調の異常も感じていなかったし,体重に変化もなく,普通に仕事もしていたので,不覚にもそんな危険な状態になっているとは思っていなかった。そしてある日の午後,少し寒気がしたので,事務所で体温を測ると38・5度であったので,インフルエンザに罹患したのかも知れず,事務員に感染すると困ると思って,掛かりつけの医院で検査を受けてその日は帰宅し,翌朝検査の結果を聞くために医院を訪ねたところ,インフルエンザではなかったが,すぐ入院しなさいということになったのである。
3 その友人の医師には「死ぬつもりなのか。」と,とても激しく怒られた。東京など遠くに住んでいる子供たちからも「どんなに心配しているか分かっているの!」と怒られた。自殺する気などないが,食事に関する多少の面倒くささと,そんな危険な状態になっているとは思いもしなかったという,医学的知識の欠如も原因であったかも知れない。
4 入院後は,当初は全く食欲はなかったが,とにかく全部食べる決心をした。すると食欲も日ごとに回復し,完食状態が続き,日々劇的に回復して行ったようで,2~3日ごとの血液検査の結果は医師も驚く数値の改善があった。総蛋白も1週間で正常値になり,γGTPの数値も急速に改善しているが,まだ正常値ではない。体調もよく,入院10日間で退院し,仕事に復帰した。
5 友人の医師からは,自分がOKを出すまでは飲酒しないこと,完治後の飲酒量は酒が百薬の長とされている1日に日本酒で1・5合(270CC)を厳守するように厳命されており,厳守することを約束し,深く反省した。
6 好きな歌人である若山牧水の好きな短歌に「寂しみて 生ける命の ただひとつの 道連れとこそ 酒を思うに」というのがある。この歌と決別するのはとても不可能である。決別はせずに,飲酒許可後は日本酒のワンカップ1個を道連れとすることにした。
7 今後はかつての健康オタクに立ち返り,できるだけ長く仕事を頑張り,生きている限り頭がボケないように工夫と努力をし,「ショボクレ爺さん」ではなく,「素敵な老紳士(?)」を目指すことにしようと思っているが,果たしてどうなることやら。
8 裁判官や弁護士としての仕事を通じて,夫婦間や社会生活における国民の心のあり方には甚だ問題があると思っている。夫婦の3分の1が離婚する社会になっているが,どうして生涯を通じて夫婦間で優しくできないのだろうか。どうして平然と自己の利益ばかりを優先して,他人からの信頼を失なうことが平気なのであろうか。どうして信じられないような異常な事件がこんなにも多発するのであろうか。10日間病院のベッドで思いを巡らすと,こんな社会では到底合格点は与えられないと思った。そして心のあり方として,なるほどと心に沁みる本を1冊書きたいと強く思ったのである。(ムサシ)



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コメント
 
 
 
Unknown (はるな)
2017-04-25 15:04:01
平均的な栄養を摂るには牛乳。欲を言えば赤ちゃんの粉ミルク。哺乳瓶じゃあなく大人はコップでね
 
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