昨日から読み直している本、
「ニューヨークのとけない魔法」
今年ベストセラーとなった書籍が発表された。
総合1位は「ハリーポッターと死の秘宝」だったが、
その他にも、
「ホームレス中学生」
「夢をかなえるゾウ」
「流星の絆」
などなど…
ドラマ化されて話題になったものも勢揃いしていた。
…が、今年イチバンの話題は
血液型本らしい。
「●型自分の説明書」シリーズだ。
新感覚血液型本「●型自分の説明書」(文芸社)
http://www.bungeisha.co.jp/campaign/setsumeisyo/index.jsp
私はまだ読んでいないが、
読まれた方、たくさんいらっしゃることでしょう。
今更ながら、「O型自分の説明書」読んでみようかなと思ったり。
…ということで、私も本の話題を。
私は書店で本を購入する際、カバーをかけてもらうことが多い。
読み終わってもカバーをつけたま保管してしまう。
そのため、本棚に並んでいるのに何の本だか分からない。
見えないところに保管しているのと一緒。
「この本何だっけ?」と中を開いてみて、
「あーそーいえばこの本買ったんだった」とそこからまた読み返す…
なんてことがよくある。
この「ニューヨークの解けない魔法」(↑)も、そんな1冊。
今年のはじめ、ニューヨークから日本へ帰ってきて、
怒涛の日々を過ごす中で見つけた1冊だった。
そのときまさにニューヨークの「魔法」にかかっていた自分にとって、
思わず手に取らずにはいられない1冊だった。
電車の中で読むのを待てずに、
書店から駅までの道のりを歩きながら読み始めてしまった。
立ち読みならぬ、歩き読み。
著者・岡田光世さんがニューヨークの生活で遭遇した
様々な一期一会が詰まったストーリー。
決してドラマチックな話ではないけれど、
ふと心が温かくなるような、
クスって笑ってしまうような、
キュンと切なくなるような…
人と人との心が触れ合う瞬間がたくさん詰まったストーリー。
ひとつひとつのシーンが鮮明に頭の前に浮かんできた。
そしてまた、
この本の中で岡田光世さんが綴るニューヨークは
私が大好きで、恋しく想い、虜になってしまうニューヨークそのものだった。
『ニューヨークは孤独な大都会のはずなのに、
人と人の心が触れ合う瞬間に満ちている。
飾ることなく、ごく自然に、笑顔や言葉を交わし合える。
だから私は、この街に魅せられる-』
【「はじめに」より】
日本での生活を再開しても
なかなかとけることのなかったニューヨークの「魔法」を
私は必死でとこうとしていた。
あのとき私は、それがニューヨークの魔法だったとは気づいていなかった。
ただ、恋しく想ってはいけない、と思い込み、
思い出さないようにしていたことは確かだった
(泣く泣く別れた恋人みたいじゃん)。
暇な時間が出来てしまうと、
ふとニューヨークのことを思い出してしまう気がして、
それが怖くて仕事だの遊びだの予定をめいっぱいに入れた。
今なら、どうしてわざわざそんなことしたんだろうと思う。
でも、あのとき。
約1年前のあのときはそうすることで自分を納得させようとしていた気がする。
もう自分はニューヨークにいるわけではないんだよ、と。
魔法をとこうともがいたが、魔法はとけるどころか、
身体を壊してしまった。
自分って、こんなに弱かったんだ。
と、そこでまた自分に失望するような日が続いた…
そんな中で見つけたこの1冊だったため、
余計に岡田さんの言葉ひとつひとつが心に響いた。
また、
魔法は無理してとこうとしなくていいのかも…!?
と、この本を読んで思った。
ニューヨークの街で遭遇したいろいろな一期一会を、
辛く苦い思いをも、ふと恋しく思う…
ステキなことかもしれない。
岡田さんは「あとがき」でこうも述べている。
『大きな悲しみや苦しみもたたえた街なのに、
ニューヨークは“子どもの魅力”を色濃く残したままだ。
-中略-
ニューヨークの魔法は、いつまでもとけない―』
【「あとがき」より】
確かに。
笑ったり、感動したり、怒ったり、泣いたり…etc
私達が本来持っている、
子どもの頃は考えることなく表現していただろう感情は
ストレートなまま、ニューヨークの街中に溢れている。
そもそも、魔法って自分でとくものでなないのかもしれない。
自然にとけるものなのかもしれないし、
何かきっかけ(呪文とか午前0時を回ったらとか…)が
といてくれるってこともあるのかも。
だから、自然にしていればいいじゃんってこと。
こう思えた(自分の中で考え方を変えられた)ことで、
ニューヨークを恋しく思う気持ちは、楽しみを含んだものになった。
今頃あの人は何をしているだろうか。
今頃きっと、あのパン屋はタイムサービスしているだろう。
今頃セントラルパークは紅葉がキレイなんだろう…
ニューヨークに行ったことのある人にはきっと、
岡田さんが綴る「魔法」の数々が手に取るように分かるハズ。
もちろん、そうでない人にも。
ぜひ、おススメです。
●ニューヨークのとけない魔法(文芸春秋)著:岡