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哀れなるものたち

2024年01月26日 17時20分40秒 | 映画 あ行
満足度★★★★【4点】


再生→成長→再会ときてからのオチがお洒落。でもグロい。



ヴィクトリア朝時代を舞台に、1度は死んだ若い女性ベラだったが、
天才外科医ゴドウィン・バクスターの手術によって
生まれたばかりの赤ん坊の心を持って生き返る。
ベラはゴドウィンに見守られ、急速に成長していく。
次第に自我に目覚めていくベラは、やがて弁護士のダンカンとともに
未知なる世界を求めて壮大な冒険へと旅立つのだったが…。
<allcinema>



天才外科医バクスターの元に訪れた医学生の助手がベラを見てひと言
「美しすぎる痴人」
でしょうとも!体は大人でも心は幼児そのものですからね。
屋敷で軟禁しているベラの成長を観察してほしいと頼まれ受け入れる。

時を過ごすうち純真無垢なベラに惹かれていった助手はバクスターから
結婚の許可をもらい、正式な手続きをするため弁護士ダンカンと会う。
だが、この弁護士ダンカンはベラを見た途端、その美しさ故から
彼女をそそのかし駆け落ちをしてしまったから、さあ大変!ってやつですね。

この映画は大人であるにもかかわらず何故このような女性なのか
そこのところを中盤辺りでしっかり見せてくれているので
傍目には奇行としか思えないベラの行動も納得しながら追えます。
単なる女性版フランケンシュタインではありません。

駆け落ちした弁護士ダンカンのおかげで初めて外の世界を知り
見るものすべてが新鮮で、失敗しながらもぐんぐん吸収していくベラは
酒やバクチばかりのダンカンに見切りをつけ自立しようとします。
そこで偶然目に留まった娼婦の館に足を踏み入れることとなる。。。

いや、これは面白い!R18指定というのも納得です。
今やトップスターになったエマ・ストーンでもここまで描写OK?
デジタル配信ではごく普通となった露出も劇場公開ではめずらしいくらい。



【今週のひと言】

・19世紀なんだけどどこか近未来的な映像が美しい。
 ストーリー的にはダークでシニカルな絵本を見ているよう。

・天才外科医バクスターのフランケン化した顔は父親の実験体だった。

・バクスター邸で飼っている数匹のペットがグロすぎる。
 ある意味、変態的結合によって生かされてる感じがして
 映画「LAMB/ラム」の上をいく「Mr.タスク」っぽいという見方も。

・冒頭で橋の欄干から飛び降りた貴婦人がラストのオチに繋がる。

・ダンカン役のマーク・ラファロのチョットした演技が可愛い。

・自我に目覚めたベラが最初に行ったのが自慰行為で感覚的には
 純烈にジャンプ!らしい。

・頭は幼児だけに好奇心からくる情報の吸収速度はマッハの勢い。

・欲いえば足を負傷した将軍にラムの足も追加でお願いします。

・蘇生から成長期ときて最後に再会。。。からのラストが小粋。
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監督:ヨルゴス・ランティモス
脚本:トニー・マクナマラ
音楽:イェルスキン・フェンドリックス
出演:エマ・ストーン、マーク・ラファロ、ウィレム・デフォー

『哀れなるものたち』







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6 コメント

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こんにちは (ここなつ)
2024-01-29 16:12:56
こんにちは。

ご覧になりましたか!
まあ、グロかったことこの上ないですけど、そこここにFANTASYも散りばめられていたかな。
ヨルゴス・ランティモス作品なので、この程度はまだまだ序の口ですよね?

私は本作を昨年の東京国際映画祭で鑑賞しているので、ネタバレ全開のレポートになっていますが、弊ブログのヒット数が(いつもはショボいのに)この作品だけダントツのヒット数なんですよ。
それだけすごい話題作ということなんでしょうねぇ。
ここなつさんへ (ituka)
2024-01-29 18:41:25
東京国際映画祭を身近で見られて羨ましい限りです。
ワタシこうしてみるとヨルゴス・ランティモス作品は結構観ていることに気づきました。
監督さん独特の世界観があってその流れでいくと本作もこういう映画になるよね~でした。
「ロブスター」「聖なる鹿殺し」「女王陛下の~」からの本作。
ただ、初期の「籠の中の乙女」と本作が似ているというのを知り、どっかで配信してくれないかな~と期待してるんですけどね。

アカデミー賞11部門ノミネートされたのを受けもう一回行ってもいいかな~みたいな(笑)
itukaさん! (ぺろんぱ)
2024-01-31 18:56:46
これです、1月の鑑賞作品で被るかも(^^)と言ってた作品!ずっと楽しみにしていた一作でした。
いやー、観終わってからも映像が頭の中でぐわんぐわんしています。タイトルが示す“もの”をずっと考えていて、無垢な赤子の脳で観たからこその‘嘘と抑圧に満ちた哀れなものたち’なのかなぁ…と。

>近未来的な映像が美しい。
ですよね。あと、様々な「青」に魅せられました。

今年は本作が2本目の劇場鑑賞で(一作目は大好きな監督の新作「枯れ葉」)、趣は全く違う2作品なれど好作品で発進できて、映画に関してはいい年になるかもとちょっぴり期待の今です。
ぺろんぱさんへ (ituka)
2024-01-31 22:50:50
被り作品はこちらでしたか!
ワタシはてっきりステイサム目当ての傭兵軍団の方と勘違いしてましたよ~。
本作、まず印象深いのはエマ・ストーンのぎこちない動作があって、端から各パーツを繋ぎ合わせたフランケンシュタインだとばかりと思ってましたが
まさか自分の胎児の脳を移植してたなんて劇中でビックリしましたよ。
二人で一人という意味ではどこか「灼熱の魂」が頭をよぎったくらいでした。

>無垢な赤子の脳で観たからこその‘嘘と抑圧に満ちた哀れなものたち’なのかなぁ…と。
思えば、登場する男性陣に対するベラ目線だった感じですかね~

>枯れ葉
これかなり評価高いですよね!
ちらしは見たことあります。主人公カップルが美形で舞台がどこかノスタルジックな雰囲気だった感じでした。
引退撤回してまで撮りたかったアキ監督の熱意に触れてみたい!(笑)
ちなみにシネコン系じゃないのでデジタル配信待ちかな~。
Unknown (zooey)
2024-02-02 07:49:46
私はこれ、駄目でした。
「女王陛下のお気に入り」も好きにはなれなかったので
どうもこの監督とは相性悪いようです。
映像は確かに綺麗でしたね。
最後の、DV夫がヤギ男のなった所だけ溜飲が下がったかも。
zooeyさんへ (ituka)
2024-02-02 14:09:35
確かにオスカーに掛かる前は賛否ある作品とか言われてましたからそういう意見も当然あると思います。
もちろんオスカー候補になってもダメなものはダメというか受け入れられない感じでしょうかね~
この監督の映画は不条理、違和感というのをベースにすることが多くて観てて心地よいことはまったくないですね。
ワタシはこの監督さんの映画は相性良いです(笑)

>DV夫がヤギ男のなった所だけ溜飲が下がったかも。
悪に制裁という意味ではスッキリ感がありましたし、もっと残忍な方法でも許容範囲でした。

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