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評価:★★★★☆【4.5点】
女優二人の決死の演技が崇高な作品へと押し上げている。
◇
1918年、オーストラリア。
第一次世界大戦の過酷な戦場から帰還したトム・シェアボーン。
心に深い傷を負った彼は、絶海に浮かぶ無人の孤島、
ヤヌス島の灯台守となる。
3ヵ月後、正式採用の契約を結ぶために町に戻った彼は、
地元の名士の娘イザベルに一目惚れし、ほどなく2人は結婚する。
孤独で不便な孤島での結婚生活だったが、
愛する2人にとっては何者にも邪魔されない幸せな日々だった。
ところがイザベルは2度の流産という悲劇に見舞われ、
深い悲しみに沈んでしまう。
そんな時、
1人の男の死体と泣き叫ぶ女の子の赤ちゃんを乗せたボートが島に流れ着く。
町に報告しようとするトムを必死で説得し、
赤ちゃんを自分たちの子として育てることにしたイザベルだったが…。
<allcinema>
◇
すべてはタイミングの問題であって、その良否は別にして
決してイザベルを責められないと思ったのがワタシの見解だ。
2度の流産で、もう子供は諦めるしかないと塞ぎ込んでいた状況で
あの漂流ボートである。
これは天からの贈り物であるに違いないと解釈したイザベルだが
そう思いたくなる気持ちも当然分かるし、強引な屁理屈だとしても
ここは100譲って彼女の気持ちを尊重しようではないか。
それが法に触れようとも夫婦で決めた秘密なのだから
墓まで秘密を持っていく覚悟がないなら初めからやってはいけない。
しかし、この地に来た時の彼は帰還兵特有の心の傷をもち
墓前で泣く生みの母親らしき人物を見つけた時に、
ある種の罪の意識が心を揺らぎ始めてしまうのだった。
そして、法の裁きを受け子供は生みの親に連れ戻される。
この映画はいくつかの場面で究極の選択を迫られるのが怖い。
『メッセージ』で理論物理学者イアンの言っていた“非ゼロ和ゲーム”が
この映画の中で通用するなら、誰もが損をすることなく
平和的な解決法を是非見つけ出してほしいところだ。
【今週のツッコミ】
・もしも、子だくさんの大家族であったなら妻も即座に報告し
この映画の原作は生まれなかったであろう。
・もしも、死体がなかったらトムはここまで悩むこともなかった。
死体のお陰で捏造せざるを得ない事象が増えたからね(←おい)
・そもそもだが、実の父親の行為が余りにも軽率である。持病を抱え
乳飲み子と二人だけで手漕ぎボートで海を渡ろうとする大胆さに唖然。
・究極の選択が多かった作品だが、なかでも最も凄かったのが
生みの母親ハナ(レイチェル・ワイズ)の言った子を戻す代わりに
証言をして彼を投獄してほしい。これ迷うわ~(こらこら)
・ハナの夫が生前に言っていた「赦し」これがこの映画のすべて。
・鑑賞前、子の居ない夫婦生活が映画の大半を占め、最後の最後に
ボートに乗った赤ん坊が灯台にたどり着き、夫婦は天からの贈り物として
大切に赤ん坊を育てていくファンタジー映画と思っていた(アホか)^^;
・アリシア・ヴィキャンデルの肌の浅黒い健康娘から子を失う陰鬱な母親まで
若いのに中々芸達者な女優さんだ。
もちろん、レイチェル・ワイズもさすがの存在感であった。
・事件から20数年が立ち、成長した子供が訪問してきたとき
「私はルーシー・グレースです」と名乗った瞬間、隣の女性が嗚咽。
・余談ですけど、これから映画ファンになろうとしている若年層に対し
アリシア・ヴィキャンデルとルーニー・マーラーがごっちゃになってても
決してそこを突いてはいけない^^;
--------------------------------------------------------------------
監督:デレク・シアンフランス
脚本:デレク・シアンフランス
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:マイケル・ファスベンダー/アリシア・ヴィキャンデル/レイチェル・ワイズ
『光をくれた人』
女優二人の決死の演技が崇高な作品へと押し上げている。
◇
1918年、オーストラリア。
第一次世界大戦の過酷な戦場から帰還したトム・シェアボーン。
心に深い傷を負った彼は、絶海に浮かぶ無人の孤島、
ヤヌス島の灯台守となる。
3ヵ月後、正式採用の契約を結ぶために町に戻った彼は、
地元の名士の娘イザベルに一目惚れし、ほどなく2人は結婚する。
孤独で不便な孤島での結婚生活だったが、
愛する2人にとっては何者にも邪魔されない幸せな日々だった。
ところがイザベルは2度の流産という悲劇に見舞われ、
深い悲しみに沈んでしまう。
そんな時、
1人の男の死体と泣き叫ぶ女の子の赤ちゃんを乗せたボートが島に流れ着く。
町に報告しようとするトムを必死で説得し、
赤ちゃんを自分たちの子として育てることにしたイザベルだったが…。
<allcinema>
◇
すべてはタイミングの問題であって、その良否は別にして
決してイザベルを責められないと思ったのがワタシの見解だ。
2度の流産で、もう子供は諦めるしかないと塞ぎ込んでいた状況で
あの漂流ボートである。
これは天からの贈り物であるに違いないと解釈したイザベルだが
そう思いたくなる気持ちも当然分かるし、強引な屁理屈だとしても
ここは100譲って彼女の気持ちを尊重しようではないか。
それが法に触れようとも夫婦で決めた秘密なのだから
墓まで秘密を持っていく覚悟がないなら初めからやってはいけない。
しかし、この地に来た時の彼は帰還兵特有の心の傷をもち
墓前で泣く生みの母親らしき人物を見つけた時に、
ある種の罪の意識が心を揺らぎ始めてしまうのだった。
そして、法の裁きを受け子供は生みの親に連れ戻される。
この映画はいくつかの場面で究極の選択を迫られるのが怖い。
『メッセージ』で理論物理学者イアンの言っていた“非ゼロ和ゲーム”が
この映画の中で通用するなら、誰もが損をすることなく
平和的な解決法を是非見つけ出してほしいところだ。
【今週のツッコミ】
・もしも、子だくさんの大家族であったなら妻も即座に報告し
この映画の原作は生まれなかったであろう。
・もしも、死体がなかったらトムはここまで悩むこともなかった。
死体のお陰で捏造せざるを得ない事象が増えたからね(←おい)
・そもそもだが、実の父親の行為が余りにも軽率である。持病を抱え
乳飲み子と二人だけで手漕ぎボートで海を渡ろうとする大胆さに唖然。
・究極の選択が多かった作品だが、なかでも最も凄かったのが
生みの母親ハナ(レイチェル・ワイズ)の言った子を戻す代わりに
証言をして彼を投獄してほしい。これ迷うわ~(こらこら)
・ハナの夫が生前に言っていた「赦し」これがこの映画のすべて。
・鑑賞前、子の居ない夫婦生活が映画の大半を占め、最後の最後に
ボートに乗った赤ん坊が灯台にたどり着き、夫婦は天からの贈り物として
大切に赤ん坊を育てていくファンタジー映画と思っていた(アホか)^^;
・アリシア・ヴィキャンデルの肌の浅黒い健康娘から子を失う陰鬱な母親まで
若いのに中々芸達者な女優さんだ。
もちろん、レイチェル・ワイズもさすがの存在感であった。
・事件から20数年が立ち、成長した子供が訪問してきたとき
「私はルーシー・グレースです」と名乗った瞬間、隣の女性が嗚咽。
・余談ですけど、これから映画ファンになろうとしている若年層に対し
アリシア・ヴィキャンデルとルーニー・マーラーがごっちゃになってても
決してそこを突いてはいけない^^;
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監督:デレク・シアンフランス
脚本:デレク・シアンフランス
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:マイケル・ファスベンダー/アリシア・ヴィキャンデル/レイチェル・ワイズ
『光をくれた人』
私だってイザベルと同じ行動とってましたよ。
そして墓まで秘密を持っていきました。
(そこは強情な私です!)
>「私はルーシー・グレースです」と名乗った瞬間、隣の女性が嗚咽。
それ、私です!(苦笑
トムも最後まで貫き通さないとダメですよね~。
今や、一般の誰もが一つは持ってるとされる明かせない秘密ですが
トムは善良主義者なんですかね~(笑)
いくら戦争のトラウマ持っていても妻の希望でそうしたなら
迷ってはいけませんな。
お!えふさんもラスト10分で嗚咽したのね。
ワタシは若干ウルっときたかな。
女優さん綺麗でしたし(おい)
イザベルを愛するがゆえトムはとんでもない行動にでるわけですが、ワタシ的にはイザベルに迫られるトムが可哀想でした。
もちろん一番可哀想なのはハナですが...。
そして心臓疾患抱えているのにルイーズの父親の行動は許せませんね。
結果一番悪いのはルイーズの父親??
彼女には何の落ち度もないのに心臓疾患ありながら数百キロも小さなボートで。。。
生きてたどり着けるわけないのに無謀もいいところですよね。
しかも、実子は懐かないし、もう踏んだり蹴ったり(笑)
ここで、ふと思ったんですけどハナもハンナも“Hannah”の綴りなんですね。
『メッセージ』じゃなけど、この名は不吉な感じがする今日この頃だったり^^;
涙腺ゆるい目な私も、終盤潤んだ程度でしたが
コレは好きな作品となりました❤
女ですが、、トムの究極の選択に、いちいち共鳴。
なんだか胃が痛くなりましたよ^^;
それにしても赤ん坊の母親の実家が名家でなければ、また状況は違っていたかも
最後の再会シーン、あれは相当綺麗な俳優じゃないと絶対にブーイングきますよね。
メリッサ・マッカーシーだったらと思うと、それはそれでまた別の感情が沸き上がってきそうです。
トムの選択は本意ではないけど愛する妻のため仕方なかったですね。
でも、ネタを小出ししていくなか心のどこかで見つかってほしい感情も見えました^^