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人生の特等席

2012年11月25日 10時32分10秒 | 映画 さ行
評価:★★★★【4点】


マネーボール理論が揺らいだ瞬間とは、、、

世の中すべて情報化時代、どんな些細なことでも
データの付け方さえ間違わなければ、これが最強の武器となる。
映画『マネーボール』で緻密なデータ管理システムに於いて
球団から解雇を言い渡された選手でも再生させることができる。

これを観た時、目からウロコでしたが
今回の映画はそれらを真っ向から否定するものでした。
アナログがデジタルを粉砕する瞬間を終盤に理詰めで見せられ
これも、また目からウロコだったりして。。。(笑)



数々の名選手を発掘してきたメジャーリーグの
伝説的スカウトマン、ガス・ロベル。
しかし近年はパソコンを使ったデータ分析が主流で、
ガスのような昔気質のスカウトマンはすっかり時代遅れに。
視力も衰え、残り3ヵ月となった球団との契約も延長は望み薄。
そんな中、
ドラフトの目玉選手のスカウティングに向かったガスのもとに、
弁護士としてキャリアの大事な時期を迎えていた
一人娘のミッキーがやって来る。
すっかり疎遠になっていた2人は、
久々の再会も互いに素直になれずにギクシャクしたまま。
そんな2人の前に、かつてガスに見出され、
引退した現在では新米スカウトマンとして
再出発を図るジョニーが姿を現わすが…。
<allcinema>



そもそも、時代の波に乗った今時の彼らが言うデータって
選手が野球連盟に入っていなければ個人のデータが取れない。
そういう意味からすれば、今回のミッキー(エイミー・アダムス)の
父親譲りの野球に対する正確な嗅覚というモノの方が
連盟に所属しない無名の少年の発掘に長けている。

というよりパソコンばかり見てて現場に出ないスカウトマンって
実際に存在するんでしょうか。
『マネーボール』のときはプロ野球選手が対象だったので
莫大な個人データが当然ながらあるから、それはそれで分かる。

これは、どんなに素晴らしいデータ管理システムでも
現場の生の情報には到底叶わないということでよろしいかと。

地方の高校野球大会では目玉選手に群がるスカウトマンたち。
彼らは超高校級のスラッガーに目が釘付けとなっている。
しかし、ガス(クリント・イーストウッド)はイマイチ乗り気でない。
彼はこの大物スラッガーの弱点をいち早く見抜いていたからだ。

ガスの所属する球団ではパソコンをまったく使えないガスを
見下す仲間が引退を進めてくる。
本人も視力の低下(緑内障の疑い)があるけど医者嫌いで
専門医での検査さえ受けない頑固さでアウトローそのまま^^;

疎遠となっていた娘との関係もギクシャクしたままで
妻が亡くなってから人生を半分放棄しているかのようにみえる。
これも、頑固で不器用な彼だからなんですね。
すべては話せば分かることなんですけど、それが出来ていなかっただけ。

さて、物語りは彼の親子関係を軸に本物のスカウトマンとは。。。
そんな内容になってます。
前出の超高校級のスラッガーの自信に満ちた憎たらしい人間性とか
球場でピーナッツ売りの謎の少年の純真さが対極に位置してて
これがラストで一気に涙腺を刺激してくれます。

ストーリー自体は王道な印象を受けますが
こういうベタな内容でも手を替え品を替えて人間本来の
道徳感情を刺激する映画が作られるのは素晴らしいことです。


【今週のツッコミ】
・あのモーテルのカットで経営する母から「野球はだめよ!」と
 念を押されていた少年に、ノースカロライナは
 他にスポーツは流行ってないのかよと思ってしまった。

・その少年が高校野球の球場でピーナッツ売りをしてて
 花形選手から「ヘイ!俺にもピーナッツよこせ」と言われ
 数歩近寄った後、サウスポーから品物を選手に投げ
 その見事なコントロールに、あ、こいつ最後に来るな!と確信した。

・で、またまたその少年なんだけど、投球フォームは
 あちらさん独特のモノでしたが、素人ではないね。
 落差のある最初のカーブが本当によく曲がってましたよ。
 でも、ここで驚いたのはミッキーのキャッチングのほう。
 女性でしかも、初めての相手の最初のカーブって
 どんな球筋なのか分からないのにミットの真ん中で受けてたこと。

・で、またですが、この少年がメジャーのテストを受けるところ
 対する打者が自信過剰の高校スラッガーだから舞台はそろいました。
 マウンドの少年に向かって「緊張してる?」これに対し少年は
 「楽しんでますボス」←ボスって言ったか定かでないがそんなノリ。
 この台詞に、こいつ凄いこと仕出かすなと胸が高鳴った(笑)

・またもや(またかよ!)少年とミッキーをみてて
 サンドラ・ブロックの『しあわせの隠れ場所』を思い出す(笑)

・人生の三等席だっていいじゃないか!
 生きてることに価値がある!そう思って生きていこうよ^^

・主演がクリント・イーストウッドでなかったら
 他に思いつくのはアンソニー・ホプキンスくらいか
 娘には勝気な印象のジョディ・フォスターでどうでしょう。
 冒頭ではグラウンドを疾走する羊のスロー映像で決まり!(おい)
-------------------------------------------------------
監督:ロバート・ロレンツ
脚本:ランディ・ブラウン
撮影:トム・スターン
音楽:マルコ・ベルトラミ


出演:クリント・イーストウッド/エイミー・アダムス/ジャスティン・ティンバーレイク/
    ジョン・グッドマン/ロバート・パトリック


『人生の特等席』 

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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ピーナッツボーイ (オリーブリー)
2012-11-25 19:11:28
気に入りましたか(爆)
モーテルのカウンターにさり気無く置かれたグローブとか、あっ、何かあるなと、、、
観客の読みを裏切らない優しい映画でした^^

>頑固さでアウトローそのまま

イーストウッドの持ち味ですよねぇ~マカロニさんから変わないまま(笑)

目の衰えを実感しつつ、これからレイトで「カラスの~」観てきます。
カウンターで「~あしあと」と言わないように気をつけよっ^^
オリーブリーさんへ (ituka)
2012-11-25 21:35:04
こんばんは。
レイトの前に書き込みありがとう(笑)
mozoって自宅からそんなに近い場所にあるの?

ピーナッツボーイのあの真面目さ(?)をみて一気にファンになりました。
彼と家族のその後のスピンオフ映画を見たいものです(ほんとかよ)^^

オリーブりーさん、レイトってめずらしくないですか~。
『カラス~』これ巷の評価がいいですよね。
ワタシも明日、メンズデーで観たいと思っていますよ(笑)

>カウンターで「~あしあと」と言わないように気をつけよっ^^

それ、言ってもらいたいかも(爆)
ボーッとしてたらワタシもカラスの昆布巻きとか言っちゃいそう^^;
良い映画です (笛吹働爺)
2012-11-25 21:53:58
やはり☆4。
クリントを見たことのない妻と行ってきました。若い時の彼をしらない妻が「年取っててもかっこいいね」と。
最後にどんでん返しのあるところがクリント映画らしい。
僕はAmyが一緒に出てるだけで大満足です。
笛吹働爺さんへ (ituka)
2012-11-25 23:04:34
こんばんは。
クリントが関わってる映画にハズレなしですね。
地味ながらも人間の本質を鋭く見抜く感性はさすがと思います。
ワタシの妻もマカロニ時代を知りません(笑)
しかも、本作に興味がないと言い放ちましたよ^^;

エイミーさんのファンだったんですね。
いい女優さんですもんね^^
おはようございます♪ (ひろちゃん)
2012-11-27 11:01:25
>その見事なコントロールに、あ、こいつ最後に来るな!と確信した

これって、観た人みんなが確信しますよね(笑)
って感じで予想通りに展開する王道ものでしたが、
やはりこういう作品は、心地よいです♪

>人生の三等席だっていいじゃないか!
 生きてることに価値がある!そう思って生きていこうよ^^

あはは~。ウケました!ですよね~3等席だっていいじゃん!
・・・でも、できれば、やっぱり、特等席のがいいな(笑)

この映画で、まさか「羊たちの沈黙」が出て来るとは!本当に、おいっ!ですよ(笑)

TBは東京国際映画祭のもつけさせて頂きますね(^_-)-☆
ひろちゃんへ (ituka)
2012-11-27 20:06:29
こんばんは。
お!東京国際映画祭に行かれたのね!TBありがとう!
いいな~!こういう映画祭の雰囲気を一度は味わいたいと思っています。
ということは、かなり前にこの映画をご覧になってたんですね^^

クリント監督の映画は自分の出演映画も含め、善悪がハッキリしてて
溜まりに溜まった不満をラストで一気に爆発させるパターンが多い気がします(笑)
主人公に派手なカッコよさはありませんが、見てる者に感情移入させる腕はさすがです。

唯一の弟子にもこのテクニックが伝授されてたことが嬉しいです。

>・・・でも、できれば、やっぱり、特等席のがいいな(笑)

そうですよね!ワタシもです。何かの特権がありそうで
でも、今って特等席という言葉を聞くのはめずらしいですよね(笑)
『人生のVIPシート』←これだと、なんか雰囲気違ってきますもんね(爆)
Unknown (ぺろんぱ)
2012-11-29 21:02:33
こんばんは。
遅ればせながら観てまいりました。

「本当のプロ」とは、ということを考えさせられました。

そして、やっぱり“分かっていた展開でも”しみじみとさせてくれるものがありましたね。

ピーナッツ・ボーイくんの展開は、今か今かと待っていました。(*^_^*) 最後の最後に自分の中でガッツポーズでしたよ!(*^_^*)

ぺろんぱさんへ (ituka)
2012-11-29 21:20:23
こんばんは。
鑑賞映画が久しぶりに被りましたね。
『マネーボール』のときのパソコンおデブくんのノウハウもカッコ良かったけど
今回のガスの耳とミッキーの目という二人三脚はさらにカッコ良かったです(笑)

序盤で出てくる登場人物を見渡せば展開は読めましたね。
でも、期待通りの流れでも間の取り方(編集)が巧いので
感動できましたよ。

ピーナッツくんの出番がかなり最後の方だったので
途中で(ありえないけど、まさかこれでお役御免?)なんて思ってしまいました(笑)
Unknown (あみ)
2012-12-05 09:05:32
【今週のツッコミ】が見事にピーナッツボーイ一色ですね(笑)

「緊張してる?」の件、最後にきちんと「マム」を付けるところに彼の真面目さが表れていて良いシーンでしたね。

ところでミッキーは6歳でガスと別れたはずなのに、あの見事なキャッチングとビリヤード、いつ誰から覚えたんでしょうか?(笑)
あみさんへ (ituka)
2012-12-05 22:06:00
こんばんは。
ピーナッツくんの謙虚さに胸を打たれました。
母の言うことをきちんと守り、親孝行で立派な子に見えてしまって(笑)
球場で売り子をバカにされてたところから注目でしたよ。

>「緊張してる?」の件、最後にきちんと「マム」を付けるところに彼の真面目さが

あ、マムって言ってたんですね。
逆に「楽しんで!」と言ってたら「イエッサー!」なんですかね~^^
どちらにしても、スラング使わなかったのが正解でした(笑)

ミッキーのキャッチングとビリヤードの件、不思議ですよね(笑)
6歳でガスと別れてから1年後に再会してるようです。
そして13歳まで(ココから全寮制の学校へ)の数年間で野球の基礎を教え込んだ可能性ありますね(笑)
ビリヤードは弁護士になってからというのが一番しっくりくるんだけど
これもガスから学んだとは思えないので、たぶん同僚たちと嗜むうちに腕をあげたのかな?(笑)
おなじ球体使うゲームだし(爆)

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