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一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

□ 四万温泉(日向見) 「御夢想の湯」 (元100湯)

2005-08-13 20:56:06 | 元100湯
鄙びた湯治場としての長い歴史を持ちながら、今女性を中心に新たな人気を呼んでいる温泉地が群馬にある。
四万温泉。
小綺麗なお隠(こも)り宿やテレビドラマの舞台といった一時的な賑わいではなく、息の長いブームが続く影には、個々の旅館の営業努力のみではなく、この温泉地の持つ真の湯の実力と、それぞれ個性のある共同浴場、そして温泉街全体で一丸となって活性化について計画・実行している団結力があるのではないかと思う。
全国ネットのネームバリューを持つ草津温泉の仕上げ湯としてではなく、四万温泉ならではの良さを、ぜひとも多くの人に知ってもらいたいと思う。

四万温泉には気軽に立ち寄れる公共の日帰り温泉が二ヶ所と、同じように気軽に立ち寄れる共同浴場が四ヶ所ある。

【公共の日帰り温泉】
・四万清流の湯(四万清流の湯のレポート)
・こしきの湯
【共同浴場(外湯)】
・御夢想の湯(御夢想の湯のレポート)
・河原の湯(河原の湯のレポート)
・上の湯
・山口露天風呂(山口露天風呂のレポート)

どれも極上の湯が溢れているが、今回はその中でも四万温泉発祥の湯と伝えられる御夢想の湯について紹介したい。

御夢想の湯は四万の温泉街でも最奥の日向見地区にある。
すぐ目の前には群馬県内では唯一の国の重要文化財に指定されている寺院建築、日向見薬師堂があるのだが、それと比べずともあまりにも目立たない渋い佇まいなので、知らない人はそこに外湯があることにも気づかないだろう。
しかしなんの変哲もない古びた建物を一歩入れば、そこには木造の浴室と湯に馴染んだ木造の浴槽が極上の湯を湛えて待っている。
狭い浴槽を独り占めできれば幸いだ。
ただし朝一番に訪ねれば、ほとんどの人は掛け流されてくるお湯のあまりの熱さに仰天するかもしれない。
少し加水するのは許してもらおう。

とろりとした無色透明の湯からは淡いながら柑橘系・機械油系の華やいだ臭いが漂ってくる。ちょっと海苔の佃煮のような臭いも混じっている。
お湯の中ではきしきしとした肌触りが感じられるが、上がればオイリーなぬるぬる感が楽しめる。
床に敷かれた木の板も溢れ続けるお湯を受けてワックスでも塗ったようになっている。
湯口には最初まるめた手拭いが置いてあるのかと思ったが、近づいてみたらそれは長い時間をかけてごてごてと固まった白い析出物だった。

四万の病を治癒すると言われるこのお湯は、大江山の鬼退治をした四天王の一人、碓井貞光に、童子に姿を変えた神が授けたものと伝わる。
伝説のお湯を寸志で、快く訪問者に開放してくれる四万温泉に感謝の気持ちを忘れず入らせてもらおう。

※ なお、御夢想の湯の新施設は2005年9月竣工12月完成予定です。現在の建物は残念ながら新施設完成後、翌年3月までに取り壊しとなります。休業期間などは四万温泉協会(TEL 0279-64-2321)にお問い合わせ下さい。


文・画像 GOGO地熱愛好会新米女将@よしか

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