民主党・鳩山由紀夫代表は、「友愛民主党」の意味をもっとアピールすべきである

2009年05月17日 17時58分21秒 | 政治
◆タレントのテリー伊藤氏が5月17日昼、テレビ朝日の番組「スクランブル」で、民主党の鳩山由紀夫代表に対して「友愛などとわけのわからないことを言っている」と厳しい批判の矢を向けていた。鳩山代表よりも国民人気の高い岡田克也副代表が、16日の代表選挙で負けたことに腹を立てての発言である。だが、パッション、感覚だけの発言は、「軽薄」の謗りは免れない。
◆テレビ朝日という大テレビ局の放送で政治について評論するコメンテーターとしては、「友愛」という「政治用語」について「わけのわからないこと」というのは、無知蒙昧も甚だしく、不勉強極まりないお粗末なコメントである。
◆「友愛」という言葉は、戦乱に明け暮れたヨーロッパの統合を提唱し、EUの父と呼ばれたクーデンホフ・カレルギー伯(オーストリア・ハンガリー帝国の貴族、ハインリッヒ・クーデンホフ・カレルギー伯と青山光子の二男)が、著書「自由と人生」のなかで、唱えた「友愛革命」に由来している。鳩山由紀夫の祖父・鳩山一郎元首相が戦後、公職追放中、軽井沢に隠棲していたとき、これを読み、感銘を受け、翻訳している。
 鳩山一郎元首相は、政権奪取に奔走する傍らで、クーデンホフ・カレルギー伯が説く友愛精神を青年有志たちに広め、「友愛青年同志会」の創立に精力を注いだ。その経緯については、「鳩山一郎回顧録」(文藝春秋新社刊)に詳しい。「友愛」という言葉は、この意味で、レッキとした国際的な政治用語なのである。
◆だが、タレントの軽薄なコメントを許してしまう側にも責任がある。テリー・伊藤氏が「友愛などとわけのわからないことを言っている」とコメントしているくらいであるから、一般の大衆の多くは、「友愛」と言われて、チンプンカンプンだろう。鳩山代表は、「民主党」をただの「民主党」と命名したときから、「友愛」の意味を説明して、多くの国民に流布していく努力を怠ったとも言える。
 フランス革命の旗印「自由・平等・博愛(友愛)」に従うなら、自由民主党・社会(平等)民主党がすでにあり、これらの欠点を補う「博愛(友愛)民主党」を党名に掲げてよかった。それをただの「民主党」にしたときから、アイデンティティ(自己同一性)が曖昧で、正体不明になってしまった。いまからでも遅くはない。NHK「大河ドラマ『天地人』」で兜の前立てに「愛」の字を使っている「直江兼続」が人気絶頂の折りも折り、鳩山代表は、「友愛民主党」の意味をもっとアピールすべきである。いまはまだ独りよがりと思われている。



尚、明朝7時半頃より、また千葉のFMラジオ局ベイエフエム「POWER BAY MORNING」(5:00~8:51)で電話によるコメントの出演をさせていただく予定です。
テーマは、民主党代表選の結果についてです。

板垣英憲マスコミ事務所

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Unknown (ore)
2009-05-31 23:41:35
おそらく国民が友愛の意味を素人も問題の多い外国人参政権問題でも発言した事に国民は納得はしないし、それは単なる言葉遊びに過ぎないと思います。

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友愛とは (panda)
2009-06-16 20:56:46
ニュースZEROでの村尾キャスターと鳩山代表との対談でも思ったことなのですが、
問題は、友愛を主張することそのものではなく、その友愛精神が私たち国民に、そして、政策にどう具体的に反映させるのかをきちんと説明できていないことが問題なのだと思います。
番組中で、村尾氏からの質問にほとんどまともに答えられず、最終的に「判明してきましたど、今日は持ってきていません」「私たちは、やります。出来ます」だけでは、視聴者の方は納得しては下さらないのではないのでしょうか。
少なくとも私は、「この人は、いったい何を考えてるのか分からない」と、不安にならずにはいられませんでした。
先生は友愛の意味をもっとアピールすべきだと仰っていますが、上番組での鳩山氏の発言を見ると、あまり来たいので切るものではないと思います、残念ながら。それこそ、ほとんどパッション、感覚だけで終始していたような、お粗末極まりないものでした。
独りよがりな印象もそうでしょうけれど、私個人としては、鳩山氏自身、ご自分が何を言っているのかよく分かっていないんじゃないか、そんな印象を一番強く持つような内容でした。
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この友愛は博愛主義ではなく (Unknown)
2009-09-25 10:18:37
フランス革命でジャコバン派が提唱した
「友愛か死か」
に由来しているのではないのでしょうか?

政権と利害の一致しないものは裏切り者であると見なし
反革命分子を容赦なく粛清した。
そしてその粛清を「友愛化」と呼び、「友愛か死か」という標語を唱えた。

これまでの民主党の発言からもそれが強く伺えます。
# 政策に反対する党員には辞めてもらう、政調を廃止するなど 独裁的にしか見えません

中国の文化大革命のような方向性を強く感じるのですが、
板垣さんはこれについて何らかの良い解釈をされているのでしょうか。
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