東北大学などが「高性能磁石に新製造法」開発、日本の科学技術力は、捨てたものではない

2010年12月28日 16時34分59秒 | 政治
◆読売新聞が12月28日付け朝刊「総合面」(2面)で、大変嬉しいニュースを掲載している。「高性能磁石に新製造法」-「レアアース4割削減」という見出しのついた記事である。こう伝えている。
 「高性能磁石のネオジム磁石に欠かせないレアアースのジスプロシウムを4割削減しても、従来と同じ性能を出せる磁石の開発に、開発企業のインターメタリックス社(本社・京都市)と東北大学などが成功した。新エネルギー・産業技術総合開発機構が27日、発表した。製造費用は少し割高になるが、中国に100%依存しているジスプロシウムの大幅な節約で、安定した生産が可能になる。数年以内の大量生産化を目指す。ネオジム磁石は、電気自動車やエアコンなどの小型強力モーターに使われる重要な部品。ネオジムと鉄、ホウ素を主成分にした結晶粉末を焼き固めて作る。粉末の結晶サイズを、1マイクロ・メートル(1000分の1ミリ)と、これまでの3分の1から5分の1まで小さくし、結晶が順序よく並ぶように工夫した。その結果、ジスプロシウムの添加量を減らしても従来と同様の性能を発揮する磁石ができた」
◆沖縄県の尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突、中国人船長を逮捕した事件を受けて、中国共産党1党独裁の北京政府が複数の税関で、ハイテク製品の生産に不可欠なレアアース(希土類)の日本への輸出を止め、事実上の禁輸措置を取ったことから、菅直人政権ばかりでなく、日本のIT産業をはじめ各業界が大きなショックを受けた。レアアースは自動車や家電などハイテク製品の生産に欠かせない。
 中国は1980年代から鉄鉱石やウランなどから採取されるレアアースの輸出に着手、安い人件費を武器に世界各国に供給し、昨年は生産量で世界の約97%を占めていた。日本は、レアアースの総輸入量の90%を中国に依存してきたため、レアアースの禁輸は、日本が得意とするハイテク分野を狙い撃ちし、日本経済には、大打撃であった。
 そこで慌てて、大畠章宏経済産業相は9月30日、日本経団連との意見交換で、平成22年度補正予算にレアアース(希土類)の安定調達策を盛り込んだ。官民が一体となって、米国やモンゴルなど世界各地の供給源に輸入先を求め、レアアースの過度な中国依存から脱却を図る政策に転換したのである。
◆そうしたなかでの今回の読売新聞による「高性能磁石に新製造法」-「レアアース4割削減」という報道である。資源少資源国である日本は、供給源を広く分散するとともに、基礎素材の開発をはじめ技術開発で難局を切り抜けるしかない。
 磁石と言えば、何といっても東北大学である。東北大学と言えば、本多光太郎物理学科教授(1870年2月23日~1954年2月12日、後に東北大学総長)だ。鉄鋼及び金属に関する冶金学・材料物性学の研究を、日本はもとより世界に先駆けて創始、1917年に磁性鋼であるKS鋼を、さらに1934年に新KS鋼を発明し、「鉄の神様」「鉄鋼の父」など呼ばれ鉄鋼の世界的権威者として知られる。
 本多光太郎教授を磁石開発における競争相手にしていた三島徳七東大教授(1893年2月24日~ 1975年11月19日)は、鉄にニッケルを加えたニッケル鋼は磁石とならないので、さらにアルミニウムを加えた合金は永久磁石(MK磁石)に適していることを1931年に発見し、MK鋼(喜住甚平の5男=7人兄弟の末っ子=として生まれ、立教中学を首席で卒業。書生をしながら苦学して東京帝国大学に入学し、後に主任教授の三島家の養子となる。MK鋼は、養子先の三島家と実家の喜住家の頭文字から命名)を発明した。KS鋼に比べ、MK鋼は材料価格も安く、製造費用を抑えることができた。本多教授が発明した新KS鋼は、MK鋼とほぼ同水準の材料であった。
 東北大学が加わった今回の「高性能磁石に新製造法」開発は、こうした先駆者たちの優れた業績の上に成り立っている。
◆今年は、根岸英一・米パデュー大特別教授(75)と鈴木章・北海道大名誉教授(80)が、リチャード・ヘック・米デラウェア大名誉教授(79)と並んでノーベル化学賞を受賞しておいる。3人は金属のパラジウムを触媒として、炭素同士を効率よくつなげる画期的な合成法を編み出し、プラスチックや医薬品といった様々な有機化合物の製造を可能にしたことが授賞理由だった。
 大気圏に入って本体が燃え尽きた「はやぶさ」の帰還は、国民の多くに、「失敗しても最後まで諦めてはいけない」という実例を見せて、勇気を与えてくれた。
 日本の科学技術力は、捨てたものではない。「科学技術立国」を改めて、これからの日本の国家目標に掲げてもよい。

本日の「板垣英憲(いたがきえいけん)情報局」
小沢一郎元代表が政倫審に出席の意向を鳩山由紀夫前首相に伝えたので、菅直人首相は、仙谷由人官房長官のクビを切れるか否かを問われ、新年早々から苦境に立たされる

◆〔特別情報①〕小沢一郎元代表が12月28日、「政治資金問題について弁明したいので政倫審に出席する」と鳩山由紀夫前首相に伝えたという。
 「板垣英憲情報局」12月27日付けのこの「有料ブログ」で以下のように「解釈予測」していた通りの動きになってきた。
 「これらを総合すると、『小沢一郎元代表が政倫審に出席する』と決めれば、党内的には、障害の1つが処理され、それで一件落着とする道を小沢一郎元代表に開いたとも解釈できる。これを受けて、次には、仙谷由人官房長官と馬渕澄夫国土交通相の更迭に伴う内閣改造に進む。この際に小沢一郎元代表の処遇も可能となるというシナリオを描いているらしい。そうなれば、『脱小沢路線』を転換できる。小沢一郎元代表が20日に菅首相に要求していた通り、通常国会運営の環境が少しずつ整ってくる。いまは、そのプロセスにある。

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第1章 小沢一郎が描く日本のリーダー像

第4節 なぜ四人のリーダーを手本にするのか

小沢の心の自画像

 大久保、伊藤、原、吉田の四人のリーダーたちは、「強力な権力者」を志向する小沢の願望と理想をみごとに体現してくれている心の自画像でもある。小沢は、ときに大久保、伊藤になり、あるときは、原、吉田になる。そうしたスーパー・パワーをもった最高権力者に変身した自分の姿を心の鏡に映し、おそらく、自己陶酔しているにちがいない。権力的なナルシストである。

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『カルロス・ゴーンの言葉』 第6章 改革を成し遂げる言葉―言葉59 ブランド・アイデンティティを明確にしなさい

第6章 改革を成し遂げる言葉

言葉59 ブランド・アイデンティティを明確にしなさい


ブランド・アイデンティティを明確にしなさい。日産自動車の凋落は、「Z」を封印したために起きたのではないか。それならば「Z」を封印から解き放てばよいではないか。

◆「日産らしさ」を表現している車

 企業とは、そのアイデンティティにもなる商品というものを必ず持っているものである。そうした商品には、創業者の精神が「志」とともに込められており、その商品の名前を聞けば、どこの会社でつくっているかが、すぐにわかるというような商品である。
企業と商品とが一体になり、不可分の関係にさせているもの、それが「アイデンティティの本質をなしているのである。
 そういった意味では、「フェアレディZ」は日産のアイデンティティを象徴する商品であった
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事業仕分けで廃止判定の「JAXAi」閉館 (愛信)
2010-12-29 08:54:35
http://sankei.jp.msn.com/science/science/101228/scn1012282035004-n1.htm
閉館に先立つセレモニーには約500人が参加。
予告無しで登場した宇宙飛行士の星出彰彦さんや、
小惑星探査機「はやぶさ」計画を率いた川口淳一郎
JAXA教授らに大きな拍手を送り、宇宙開発をめぐる
最新の話に耳を傾けた。

日本の科学技術を荒廃させて、支那へ技術提供や研
究開発資金援助を行い朝鮮へ仕事を外注する。 
これが日本人社会の破壊者売国政党民主党の政策
である事に日本国民は早く気が付いてください

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