イサクの日記帳

気ままな日記帳です。

パクリ問題~これでいいのか日本の音楽産業

2009年09月06日 | 音楽
最近、古いハードロックバンドのMIXIのコミュで、B'zの「BLOWIN'」のイントロがGrand Funkの「We're an American Band」のイントロそっくりだというトピックがありました。

「BLOWIN'」のイントロをオンラインで聞けるところが見当たらず、ましてレンタルで金出してまで借りる気もしないので聴き比べはできていないのですが、レスはそっくりだということでした。

B'zの「Bad Communication」を聞いたとき、「あ、これ、Led Zeppelinそのものやん」という感じでした。

両曲とも、編曲はギターの松本孝弘氏/明石昌夫氏です。明石昌夫氏はZAADでも良くパクリをやっていたようです。

松本孝弘氏は1960年生まれ、明石昌夫氏は1957年生まれ。特に松本孝弘氏は日本のヘビーメタル界を代表するギタリストで70年代のハードロックは熟知しているはずです。今回の件を知るまではあこがれでもありました。彼のソロアルバムの中に「Spain」のヘビメタ版が入っていましたが、恐れ入りました、って感じでした。

WikipediaのB'zの記事にも、「パクリ問題」とタイトルがつけられるほど、ひどいようです。

私が問題にしているのは、B'zとファンの間で音楽的バックグラウンドが共有できていない(ファンは若すぎて古い音楽を知らない、あるいは洋楽を聴かない、など)ことです(若い子をだましているように見える)。彼自身が「~風に作ってみました」とか「自称和製~」などと名乗っていれば問題は小さかったでしょう。

また、プロとして元ネタに対して多少の創意工夫があっても良いのではないかと思います。ギタリストの布川俊樹氏のライブに行ったことがありますが、「Zeppelin風の曲を作りました」と言って演奏した曲は、確かにZeppelin風なんですが、リフなどは布川俊樹氏のものであることにプロ魂を感じたものです。

ローリーもすかんち時代にパクリ物を良くやっていましたが、彼の人柄、Rock Fujiyamaで見せた元ネタへの愛情、元ネタを知っている奴同士で分かりあおうぜみたいな感じがあって、憎めませんでした。

B'zは、そう非難されてもB'z自身が弁明をし、自ら認めればいいのですが、かわいそうなのが、元ネタを知らされずして歌っているシンガーソングライターです。アレンジャーのおもちゃにされているのです。パクリのおかげで、シンガーソングライターの評価まで落としてしまうのは悲しいです(それでもそのアーティストが生き残ってくれればいいのですが)。

これは、今に始まったわけではありません。70年代、歌謡曲は聞くけど洋楽は聴かないというリスナーが多い時代にもよく行われていました。代表的な例が、榊原郁恵の「夏のお嬢さん」とスージー・クアトロの「Wild one」です。

ここに、私と同じ意見を持った人のページを載せておきます。(未承諾ですが)

http://packyn.hp.infoseek.co.jp/pack01.html

8 コメント

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Unknown (やざわ)
2009-09-06 18:26:52
…そこ、榊原郁恵できますか。
個人的に一番悪質だと思うのは、
自分のところに書いた、これだなぁ。

http://eyaz.sblo.jp/article/18625285.html

イントロが「アイ・リメンバー・イエスタディ」のまんま、ということなんですけど。

1st.の「戻っておいで私の時間」も、何かに似てると言えば似てるんですけど、まだ「○○風」で済みそうだったところ、こちらは、ホント、まんまだからねぇ、もう、どうしようもないと思うの(失笑)。

それは時代を問わず、その手の音が好きだからやってみたい、というのはわかるんだが、まんまはいけません、まんまは、ねぇ。
コメントありがとうございます (イサク)
2009-09-06 22:11:23
早速のコメントありがとうございます。さすが、はっぴぃえんど、シュガーベイブ、山下達郎つながりと、中島みゆきはじめとするヤマハ系の造詣がお深い。(他にもあるかと思いますが)

パクリ曲と元ネタ曲を挙げればきりがないのでそれは置いておきまして。

氏の指摘する曲は、本人の作品ではないことや、彼女の初期の作品は自身の作曲が少ないようなので、シンガーソングライターとは言い切れなかったのではないでしょうか?

今は自身の曲が中心となり、シンガーソングライターを堂々と名乗れるようになって、氏の指摘する曲が、当初のアレンジのままではベスト盤CD収録に関しては、本人およびごっそり入れ替わった制作陣のプライドが、再アレンジという作業になったんじゃないでしょうか?

実はこの記事には隠されたメッセージが込められています。それはこのブログのブックマークのアーティストさん達の作品に見つけてしまったことです。

作曲は本人のものではありますが、普段は路上やイベントでの弾き語りによる活動を行っています。というのも、インディーズレーベルであるため、CD販売は路上ライブによる手売りする方法しかないためです。

一方のCDはフルバンド形式で、アレンジは所属レーベル専属アレンジャーが担当します。

ここでメジャーレーベルと大きな差が出てきます。アーティスト本人は路上やイベントでの活動に時間が費やされるため、スタジオワークの段階やアレンジの段階で主導権を持てないことです。おそらく仮歌録りと本番の歌録りしかスタジオに入っていないように思います。

アーティストは20代そこそこ、専属アレンジャーの年齢は一回り、2回り上では、何も言えないですよね。これじゃ70年代アイドルと構図は変わりません。

一部パクリをどうしてもやりたいのであれば、自分のバンドのライブで「ちょっとやってしまいました」の方が株が上がりますよ。それなら私もそのアレンジセンスに拍手を送ります。

救いは、日本の洋楽リスナーの耳は非常にチェックが厳しいことでしょうか?

榊原郁恵を持ち出したのは、スージー・クアトロは当時の洋楽ファンには衝撃的、かつ絶大な人気を得ていたこと(おそらく史上初の女性ベーシスト)、榊原郁恵にとっては代表曲であることが理由です。(つい最近まで、元ネタ曲しか知らなかったため、パクリの事実を知ったのも最近です)

ところで、B'zのWikipediaのパクリ問題に関して、「大滝詠一や奥田民生など他のアーティストなら「リスペクト」や「オマージュ」として好意的に解釈されるのに、なぜB'zだけが叩かれるのか、という点について、様々な分析がされており」と書かれてありますが、大滝詠一でそんなんありましたっけ?
そうなんだ~~! (たっくんのママ)
2009-09-09 11:27:16
このように、広い視野を持って洋楽邦楽界を眺め続けている方って重要ですね。

私はそんなに詳しくないけど、学生+OL時代はずっと洋楽しか聴きませんでしたよ。日本武道館ってところに何度通ったか・・・!!

そうそう、昔はリンダ・ロンシュタットやビリー・ジョエルのナンバーをバンドのお兄様方に付き合って頂き、歌っておりました。なつかしい!!

今は日曜日に賛美歌うたうだけよね!!
また、チャンスがあったら、ボーカルしてみたいですね
たっくんのママさんへ (イサク)
2009-09-10 07:28:55
>学生+OL時代はずっと洋楽しか聴きませんでしたよ。

それは、たっくんのママさんが東京に住んでいたからです。

外タレがまずコンサートをやるのは東京。

民間FMが、4局(東京、名古屋、大阪、福岡)しかなかった頃、地方では質の高い洋楽を聴くことは不可能だったんです。NHKはクラシックばかり。ポピュラー音楽は不良扱いで、モノラル放送。ハードロック好きの人は、AM放送でやっていた渋谷陽一の「若いこだま」が唯一の情報源でした。
(私は、土曜の午後、FM東京ネットのFM大阪で歌謡曲ベスト10、ポップスベスト10を聞きながら、ビー玉をやる変な小学生でした。)



テレビは、歌謡曲しか流さないし。


70年代は、地方に洋楽の情報が届かなかったのです。

今でも同世代の地方出身者と洋楽の話をしても、当時の話をしてもかみ合わないことがあります。

リンダ・ロンシュタット。私が、たっくんのママさんの娘さんと同じ病気で入院していたとき、NHKのFM放送で「Lose Again」を初めて聞きました。友人に「リンダ・ロンシュタット、ええぞ~」って話したら、彼の方がはまってしまいました。その友人は私の結婚式に大阪から来た友人の中で、唯一クリスチャンでない友人です。

リンダ・ロンシュタットの1976年リリースの「Hasten Down The Wind」は名作です。「Lose Again」はこのアルバムの最初の曲です。この曲のギターソロ、秀逸です。完全コピーしました。かつ青年会の伝道会特別賛美で、ザ・メッセンジャーズの曲のギターソロでパクッちゃいました(ああ、私も犯罪者だあ)

1977年リリースの「Simple Dreams」もお勧めです。
"It's So Easy (To Fall In Love)" 、"It's So Easy (To Fall In Love)"  がおさめられています。

リンダ・ロンシュタットは、他人のカバーをやって、自分の名曲にしてしまう人です。

"Lose Again" 、"Someone to Lay Down Beside Me"は、オリジナルはKarla Bonoff
"That'll Be the Day"、"Tumbling Dice" は、50年代の Buddy Holly
"Tumbling Dice" はThe Rolling Stones
"Love Has No Pride" はEric Kaz(ただし、この曲は、ボニーレイット、リタ・クーリッジなど多くの人がカバーしている)

といった感じです。

特に可哀そうなのは、Karla Bonoff。"Lose Again" はLindaの代表曲になってしまい、年下で同じ女性シンガーとしては複雑な心境でしょう。アレンジも Karla のピアノ弾き語りに対し、Linda はフルバンドでカバーしてきましたから。

人は、同じ曲でも先に聞いた方がいいという場合が多いので、私の場合は、

"Lose Again" は Linda
"Someone to Lay Down Beside Me" は Karla

の方が好きです。また、自分がギタリストなので、同じ曲ならギターソロの有り無し(あるいは良し悪し)が決め手になってしまいます。

Linda の "Lose Again" 、Karla の "Someone to Lay Down Beside Me" は、ともにアルバムのトップを飾っているので、彼女ら自身の気合の入れ方も聴き手に影響を与えているかも知れません。

youtubeに、1976年頃の"Lose Again"を歌っているLindaを見ることができます。
Lindaのアルバム収録曲 (イサク)
2009-09-10 07:41:09
Hasten Down the Wind

1 Lose Again (Karla Bonoff)
2 The Tattler (Ry Cooder, Russ Titelman, Washington Phillips
3 If He's Ever Near (Karla Bonoff)
4 That'll Be the Day (Jerry Allison, Buddy Holly, Norman Petty)
5 Lo Siento Mi Vida (Linda Ronstadt, Kenny Edwards, Gilbert Ronstadt)
6 Hasten Down the Wind (Warren Zevon)
7 Rivers of Babylon (Brent Dowe, Trevor McNaughton, S. McNaughton)
8 Give One Heart (John Hall, Johanna Hall)
9 Try Me Again (Linda Ronstadt, Andrew Gold)
10 Crazy (Willie Nelson)
11 Down So Low (Tracy Nelson)
12 Someone to Lay Down Beside Me (Karla Bonoff)

Simple Dreams
Side 1
1 It's So Easy (To Fall In Love) (Buddy Holly, Norman Petty)
2 Carmelita (Warren Zevon)
3 Simple Man, Simple Dream (J.D. Souther)
4 Sorrow Lives Here (Eric Kaz)
5 I Never Will Marry (Traditional)

Side 2
1 Blue Bayou (Roy Orbison, Joe Melson)
2 Poor Poor Pitiful Me (Warren Zevon)
3 Maybe I'm Right (Waddy Wachtel)
4 Tumbling Dice (Keith Richards, Mick Jagger)
5 Old Paint (Traditional)
Bonnie Raitt,Give It Up (イサク)
2009-09-10 07:49:43
Bonnie RaittのGive It Upの記事にも収録曲をコメントしておきました。
竹内まりやとか大瀧詠一とか (やざわ)
2009-09-13 20:25:31
本業の執筆物に時間を取られて一週間経ってしまいました。

「ヴァラエティ」までの竹内まりやは、おっしゃるとおり、あくまで歌い手ですので、前回のコメントは、あくまで時期として、榊原郁恵に匹敵するものの一例ととらえていただければ幸いです。

ベストアルバムの件は、少々誤解されたかと思いますが、昨年リアレンジしたのではなく、「昨年、二十数年ぶりに問題のアレンジが収録された」のでして、リアレンジはことの発覚直後で、問題のアレンジがずっと封印されてきたわけです。だから、それは、当時のスタッフの逆鱗に触れたと言うことなのでしょう、おそらく。

大瀧詠一は…引用がたくさんある(爆)。
ただ、やると断ってからやってるか、パロディの中にわざとそれとわかる形で入れるか、イサクさんが「プロ魂」と表現されているのと同じ域に達しているか、そのいずれかなので認めてもらえるのでしょう。

あと、もうひとつあるとしたら、往々にして、引用元が有名どころではないからでしょうかねぇ。売ろうとしてやっているのなら、そんなもの引用してこないだろ、という。だから、ソロになってから「A LONG VACATION」まで、ずっと売れなかったんですけれど(笑)。
Unknown (あ)
2022-06-20 23:53:09
ジミーペイジもパクリで有名だけどねw

編曲畑の人間は他人の曲ありきでずっと仕事してるから、そうなりやすいんですよ

松本とかもそんな感じするな

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