イサクの日記帳

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辞退者続出の全英リコー女子オープン。プロにはプロの事情がある。

2017年07月06日 | Weblog

女子プロゴルフ、海外メジャー「全英リコー女子オープン2017」の日本ツアーからの出場者が確定した。

辞退者が5人となった。

日本ツアーに出場する選手は内向きだとか、夢が無いという批判があるが本当なのだろうか?

賞金ランク順に並べてみる。

  1. キム・ハヌル(有資格/前年度国内リコーカップ優勝)→辞退
  2. 鈴木愛→出場
  3. テレサ・ルー(有資格/16年大会15位以内)→辞退
  4. イ・ミニョン→出場
  5. 全美貞→辞退
  6. アン・ソンジュ→辞退
  7. 上田桃子→辞退
  8. 川岸史果→出場
  9. 申ジエ→(歴代優勝者枠)
  10. 堀琴音→出場
  11. 西山ゆかり→出場

イ・ボミ(有資格/2016年賞金女王)→欠場
ペ・ヒギョン(2016年大会15位以内)→出場

ここでUSLPGAツアーと日本のツアーの日程を並べてみた(簡単にするため最終日のみ記す)

7/30 スコットランド 大東建託
8/6  全英リコー女子(スコットランド) meiji カップ
8/13 休み NEC軽井沢72

日本ツアーから全英リコーに参加するとなると、国内ツアーを最低でも2大会を欠場することになる。一方、USLPGAでは直前の大会にスコットランド入りして、次週はお休みと全英リコーに配慮したスケジュールだ。またUSLPGAツアーは、1月から11月にかけて34試合(ただし全試合が4日間大会)。日本ツアーは3月から11月まで38試合と超過密スケジュールなのだ(それでも大会出場移動の距離を考えれば日本ツアーは楽とも言えるが)。

大東建託の優勝賞金が2,160万円、meiji カップが1,620万円、NEC軽井沢72が1,440万円、合計5220万円。一方全英女子オープンの優勝賞金は2016年大会で約4500万円。全英リコー女子オープンを始め、海外での賞金はLPGAツアーの賞金には加算されない。全英リコー女子オープンは割に合わない大会なのだ。

さらに言うと、大東建託に所属している選手(渡邉彩香)や、NEC所属の選手(原江里菜)もいる。meijiも女子ゴルファーを紹介する「ゴルフの女神」という番組のスポンサーだ。

日本ツアーの選手が内弁慶とか夢がないとか批判がある。だがゴルフという競技は非常にデリケートなもので、雨やら強風やら罰ゲームに近い全英は見ていてもかわいそうになるくらいで、ここで体調を崩して、その後のツアーに影響するのは避けたい。

全英リコー女子の辞退は今に始まったことではない。2012年はロンドンオリンピックの関係で大会の日程が変更になり、日本人選手だけで5人の辞退者が出た。冠スポンサーのリコーに所属する森田理香子も辞退。出場したのは、若林舞衣子(14位)、大江香織(17位)、木戸愛(18位)、一ノ瀬優希(20位)、原江里菜(22位)と22位まで繰り下がった。

2013年は茂木宏美(5位)が辞退
2014年はイ・ボミが辞退
2015年は菊地絵理香(3位)と藤田光里(9位)が翌週に地元北海道で行われるmeiji カップに出場するため辞退した。イ・ボミ(1位)、上田桃子も辞退。
2016年は、イ・ボミ(韓国)(1位)、キム・ハヌル(3位)、渡邉彩香(4位)ら7人が辞退し、繰り下がりで賞金ランク16位の上田桃子が出場権を得た。渡邉彩香は所属の大東建託の試合を優先した。

日本の試合を欠場すると単に年間獲得賞金が下がるだけでない。その年の賞金総額が翌年度のシード権(前年賞金ランキング50位以内)を獲得できるか大きくかかわってくる。シード権が獲得できなければ一発勝負のクォリファイ・トーナメントに臨むことになる。ここでQTランクが決められ、上位30位ほどが次年度のほぼ全試合の出場権が得られる。これまで、シードをぎりぎり逃し、クォリファイ・トーナメントで下位に沈み、苦悩してきた選手を多く見てきた。

だが、日本ツアーの選手が内向きかと言うとそうではない。国内ツアーのサマンサタバサと日程がかぶった全米女子オープンには、鈴木愛が2017年5月10日時点での世界ランキング50位以内資格で出場する(笠りつ子にも資格があるがサマンサ出場を予定)。申ジエ、キム・ハヌルも参戦する。2017年7月9日時点での世界ランキング50位以内での資格もあるが、現時点で新たな有資格者はいないようだ。有資格者のイ・ボミとテレサ・ルーはサマンサに出場予定。日本女子ツアー前年の賞金ランキングの上位5名も出場資格があるが世界ランキングと重複する。また、プロ41人、アマチュア34人が参加した最終予選を通過した森田遥、葭葉ルミ、サイ・ペイイン(台湾)、川岸史果、繰り上がりで渡邉彩香が出場する。全英リコーに参加する西山ゆかりと堀琴音は予選会を通過できなかった。ちなみに全米女子オープンの優勝賞金は約1億8万円。全英リコー女子の2倍強だ。

申ジエは6月29日~7月2日に行われた全米女子プロ選手権に参加しているが、この週は日本ツアーの試合は無い。しかもこの大会で11位Tという好成績を残した。驚くことにその前の週に行われたアース・モンダミンカップ(4日間大会)にも出場しており、20位Tという成績を残している(全米女子オープンの翌週の日本ハムレディースには不参加)。アース・モンダミンカップは日本女子プロ選手権に次ぐ賞金総額1億8千万の大会で、優勝賞金は3200万という破格の大会だ。申ジエはスリーボンドと異例の3年契約を結んでいるが、申ジエはかねてから日本ツアーでの優勝を願っており、優勝賞金の高いアース・モンダミンカップに強行出場した。スリーボンドのホームページにも「申ジエプロは「日本LPGAツアー(日本女子プロゴルフ協会ツアー)」を中心に出場し、悲願の賞金女王を目指します。」となっている。

全英リコー女子はテレビ朝日が中継を行っているが、日本ツアーから出場している外国人選手はそれほど中継されない。下位に甘んじている日本人選手のみを追いかけているのを見ると、スポンサー的(テレビCMもリコーの提供)には日本人選手になるべく出てほしいのではないかと思ってしまう(うがった見方をすると、日本ツアーから外国人選手の出場を歓迎していないのか?)。おまけに民放だと日本人選手の優勝が無いと分かると、中継が途中終了することがある。ちなみに、この大会はゴルフ専門チャンネルでも放送されるが日本人選手だからといって中継を優先するという一般受けするような中継は行わず、優勝争いを中心に放送する。

スポンサーから日本ツアー枠が減らされるというのであれば、LPGAの樋口相談役や小林会長が血相変えて批判するだろう。これまで大量の辞退者が出ても、協会は何も言ってこなかった。何も言わないということは、言えない事情がありそうだ。一方、国内大会前日のプロアマ戦の辞退は再三注意がなされている。

例えば、選手個人が結んでいるスポンサー契約。グローバル企業でない限り、スポンサーは選手に国内での露出を望むはずだ。3大会も欠場されてはスポンサーも困る。海外の大会に出場するにもスポンサーの理解が必要だ。全英リコーに出場する鈴木愛、西山ゆかりの所属はセールス・フォース、アマダホールディングスという外資系や海外展開をしている企業だ。イミニョンは今季からの日本ツアー参戦で所属なし。川岸史果は加賀電子、アン・ソンジュはモス・バーガー、堀琴音は東芝、テレサ・ルーは太陽生命、イ・ボミは延田グループ(国内レジャー産業)、キムハヌルと全美貞の所属はJINROという韓国企業だ。

こうしてみると、全英リコー女子オープンには辞退者が多いこと、リコー所属の選手まで辞退するということ、全米女子オープンには大勢参戦することを考えれば、内部でしか分からない事情がありそうだ。事情もわからず選手を責めるべきではない。

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