「私って友達からアホアホ言われるんですよー」
関西の学生さんが辟易した顔で嘆いてきた。
そんなことないだろ。
ボクは今まで数え切れないほどアホな人々と出会ってきた。
アホを超越して恐怖すら感じるアホ。
アホをこじらせて生死に関わるほどのアホ。
アホが平和をもたらし村の英雄となったアホ。
そういったアホこそ真のアホであり「アホ」と呼ぶに値する、愛すべきアホ達である。
キミはそのアホとされる言動が原因で、誰かを怖がらせたり、死を招いたり、ヒーローと称された事はあるか?そうだろ。無いだろう。つまりキミはアホなんかじゃない。
逆に、アホという誉れ高き称号を軽々しく使わないでいただきたい。
だからキミは今日から「ただのアホっぽい子」として前向きに生きて行きなさい。
ってボクなりにフォローしてみたんですけど、全然納得していない様子の彼女。むしろちょっぴり怒ってらした。
しょうがないな。
じゃあ今からボクが問題を出す。
そしてキミに答えてもらう。
その答えをもってキミがアホじゃないことを証明しようじゃないか。
ボクの提案に、彼女がうんうんと頷いた。
よし、じゃあね、関ヶ原の戦いで勝ったのは?とボクは彼女に尋ねた。
別に、間違えればアホという訳じゃない。ボクも歴史なんて全く詳しくないし。例えば彼女が「豊臣秀吉」と答えたとしても、それは普通の間違えの範囲であって、アホな間違えとはならない。ボクからしたら、そんな普通の間違いに「アホ」と言うのはただのつまらない悪口でしかないと思うのだ。アホという言葉は学力という物差しで計って使うべきでは無い。物差しで計れない力を持ったひとに対して使うべきなのだ。
関ヶ原の戦いで勝ったのは?
ボクの問いかけに、彼女は「えー!私歴史弱いからな…」と困惑しながらも必死に考えだした。
「えっとね、確か…イエ、イエ…」
なんだ、普通に答えれるじゃねぇか。
「イエ…イエ、スギ…」
え?い、いえすぎ!?
「う~ん、イエスギ………ゲンパク!」
え?え?えええーーー!!
イエスギゲンパク!?
家杉玄白!?
もうね、驚愕のあまり久々の太字にしたし色も付けた。
誰だよそいつ!
明らかに混ざってるじゃない!
百歩譲って混ざるとしても2つまでだよね。3つて。欲張り過ぎ。
関ヶ原の戦いってそんな三つ巴の戦いだったっけ?
それに、ひとつだけ何か混ぜちゃいけないものが入ってるし。
玄白だけはね、混ぜるな危険。
最初の弓矢で死んじゃう。
家杉玄白
すごい。すご過ぎる。一体どうやったらこんなショッキングな答えが思い浮かぶのだろう。ボクは恐怖すら感じた。笑い過ぎて死ぬかと思ったし…。この瞬間、彼女はボクの中でヒーローとなったんだ。前述したアホの条件を3つ全て兼ね揃えてるひとに、初めて出会った。
なぜ「知らない」と言わない?
次に浮かんだのは素朴な疑問だった。ボクなら、知らなかったら「知らない」と言う。普通のひとはそうするはずだ。そうすればアホと言われずに済むだろうに。なのになぜだ!なぜなのだ!?なぜキミは「知らない」と言わない?そしてなぜ言ったのだ?誰も知らない家杉玄白を!
いやしかし「知らない」と言ってしまえばそれまでだ。そこには何も生まれない。彼女は凡人がつくり得ない奇跡を生んだのだ。そしてきっとこれからも生むだろう。数々の作品を。第二の家杉玄白を。感動と、幸福を。
ボクは呼吸を整えた後、彼女に静かにこう伝えた。
キミはアホなんかじゃない。天才だ。ジミー大西的な意味合いで。
あと、いつかキミの頭ん中を解体新書してみたいもんだ、と。
腹抱えて笑いました。
最後の解体新書が本文に出るのではないかとヒヤヒヤしました。
「アホと天才は紙一重」なぁんて言葉ありましたかね(*´ω`*)
いんすくんもその類いですか(?_?)笑
ははは!やっぱ読まれますわな、解体新書は。これが凡人どまりのオチやで!
すももさん
ボクは凡人ですぜ凹だからいつもすももさんみたいな天才たちのお力を借りて記事のヒントをいただいておるのですよ凸笑
めぐみさん
いくらボクが凡人でもそんな手には引っかからないぜ凸にしても回りくどい業者だな凹笑
お前、面白いな。この匂いは…女子では無いな。明らかに男子的な面白さだな凸