July 08のAkiroです。フランスと言えばワインが思い浮かぶ人は僕だけではないと思います。そんなワイン好きにとってはフランスでは普段の食事から日本よりも安くて良いワインを楽しむだけでなく、そのワインを作っているワイナリーに行ってみたいと思うのは自然なことです。そこで今回はフォンテーヌブローから手軽に行けるワインの生産地を紹介したいと思います。
・ブルゴーニュ
ワインの王様であるブルゴーニュワインの故郷であるブルゴーニュはフォンテーヌブローから最も近いワイン生産地です。フォンテーヌブローから車で行くとブルゴーニュの北に位置するシャブリ地区周辺は約1時間、ブルゴーニュの中心に位置するボーヌまでは約2.5時間、南にあるボージョレー地区までは約3時間で行くことができるので日帰りか1泊2日で出かけるのにちょうど良い距離です。
まずはボーヌにあるMarche aux vins(ワイン市場)に行くと、地下のワインカーブを回りながらブルゴーニュの各地区のワインを10種類以上試飲できます。これでブルゴーニュワインの特徴や自分の好みの地区などが分かります。ボーヌからはいくつかのワイナリーを訪問するツアーも企画されているのでこれに参加すると手軽にワイナリーをまわることができます。
ブルゴーニュには1,000以上のワイナリーがあり、ツアーで訪問する大きなワイナリー以外にも良いワインを作っている小規模で魅力的なワイナリーがたくさんあります。観光案内所でワイナリーリストをもらい、そこで気に入ったワイナリーを選んで回ることも出来ます。ブルゴーニュを車で走るとワイナリーの看板がたくさんあり、入っていくとワイナリーのオーナーが出迎えてくれます。そのワインをつくったオーナーにワイン造りの様子を聞きながら試飲させてもらい、気に行ったワインはその場で買って帰ります。
ブルゴーニュのワイナリーはワイン農家の雰囲気があります。代々続いているワイン農家では農薬も使わずに昔ながらの方法でワインを作っていたり、自分たちのワインがパリや海外の市場でどのような高値がついているかにはそれほど興味がなく地道にワイン造りに専念している人たちがいます。こういうワイナリーはフランス人に紹介してもらいながら足で探すしかないのですが、見つけられるとフランスに住んでいる甲斐があったと思います。
またブルゴーニュにはミシュランの三ツ星レストランが多くあり、食事がおいしいことでも知られています。エスカルゴや牛肉をワインで煮込んだ料理が有名で、ブルゴーニュワインとあわせて楽しむことができます。また宿泊施設にも魅力的なところがたくさんあります。フランス中でどこにでもある大規模ホテルチェーンのホテルだけでなく、シャトーホテルもたくさんあります。またワイナリーが経営しているChambre d'hotes(フランス版ベッド&ブレックファスト)があり、ワイン生産者の生活の様子を見ることが出来るのもワイン好きにはうれしいです。
・シャンパーニュ
フォンテーヌブローからだとシャンパーニュには車で約2時間で行くことができるので、こちらも日帰りか1泊2日で行くことができます。
シャンパーニュにはモエシャンドンやヴーヴクリコなどの日本でも有名なワイナリーがあります。約15あるこれらの大手ワイナリーでは観光客向けのツアーが用意されており、これに参加するとシャンパーニュの歴史や生産方法の説明、カーブ見学のあとで試飲をさせてくれます。シャンパンのイメージ通りの優雅なサロンで試飲をさせてもらうとシャンパンの味もさらに引き立ちます。
また大手のワイナリー以外にも良いシャンパンを作っている小さなワイナリーもたくさんあります。観光案内所でワイナリーリストをもらい、シャンパーニュを車で走っているとワイナリーの看板を見かけるので、これを見て入っていくとそこで作っているワインの試飲をさせてくれます。大手とは違って個性的なワインを作っている生産者を探していくのも楽しみであります。
このシャンパーニュのワイナリーはブルゴーニュと比べるとマーケティング志向が強いように思います。世界の人がシャンパンというと高級で特別に幸せな時に飲むものというイメージを持っているとの調査報告もありました。大手のワイナリーではシャンパンに関するおしゃれなグッズがたくさんあり、広告もたくさんだしています。ワイナリーもこのイメージを発信する場と位置付けられています。シャンパンのおいしさだけでなく、マーケティングのうまさもMBAの学生として学ぶことが多くあります。
この地域にはあまりシャトーはないのですが、大規模ホテルチェーンのホテルはに加えてワイナリーが経営しているChambre d'hotsはたくさんあるのでこれもお勧めです。
この他にももうちょっと足を延ばすとアルザス(車で約5時間)、ロワール(車で約3-4時間)やボルドー(約5時間)にも行けるので、また違った魅力のワインを楽しむことができます。例えばアルザスのワイナリーの人はもっと謙虚です。ブルゴーニュやシャンパーニュのワインが自分たちのワインよりも高く評価されていることを理解した上で戦略をたてています。具体的にはブルゴーニュやシャンパーニュと自分たちのワインとの違いを見出して自分たち独自のポジションを取りその価値をアピールすることを考えています。フランスではアルザスでしか使わないブドウを使った独特の香りや甘みのあるワインを作っており、それらがブルゴーニュやシャンパーニュよりもぴったりとあう料理やシチュエーションをどんどん提案してくれます。
このようなワイン生産地に行って季節ごとに変わっていくブドウ畑の様子を見て、ワイン生産者と話をしてそれぞれの気候や土地、人柄がワインを作っており、まさに“神の雫”の世界が広がっています。そこで自分好みのワインを見つけていけるのはフランスに生活しているからこそ出来ることであり、INSEADに留学してよかったなと思える大きな理由でもあります。