石造美術紀行

石造美術の探訪記

伊行末と川勝博士

2009-02-09 20:20:03 | ひとりごと

伊行末と川勝博士(ひとりごとです)

川勝政太郎博士は昭和14年8月25日(旧暦7月11日)、伊行末忌を催されています(もっともこの当時はまだ博士号を取得されていませんが…)。行末の嫡男行吉が建てた奈良般若寺の笠塔婆の銘文から、正元2年(1260年=文応元年)7月11日に亡くなったとされる伊行末忌の集まりを開かれたわけです。金曜日の夕刻、京都市内某欧風料理店の一室を借り切り『史迹と美術』誌上での公募に応じた参加者が壁にかけられた東大寺三月堂燈籠の写真や銘文の拓本、伊派系の石大工の著名な作品の拓本を見ながら夕食を共にし、伊行末や石工に関する川勝博士の講演を聞いて、伊行末を偲びいろいろ話し合ったということです。石工としての伊行末の事跡に初めて光をあてられた博士ですが、こういう催しを開かれるあたり、センスというか、何とも発想がユニークですよね。時局厳さを増す折と推察され参加者は川勝ご夫妻を含め8名と多くはなかったようですが、さすが川勝博士と改めて感心してしまいます。小生も参加したかったなぁ…。

参考:『史迹と美術』105号、106号