耳を洗う

世俗の汚れたことを聞いた耳を洗い清める。~『史記索隠』

創価学会の野望、ほぼ成る

2007-02-21 20:20:57 | Weblog
 去る2月14日、衆議院予算委員会で国民新党の亀井静香議員が、公明党・創価学会と自民党との関係を厳しく追求した。(参考・次に動画あり「晴天とら日和」2月19日)

 現実の自公政権が創価学会に主導されていることぐらい大抵の人は知っているだろう。「郵政民営化」を政治課題としていた小泉純一郎は、亀井氏の言葉を借りれば、目的達成のために“悪魔”と手を結んだ。亀井氏が言う通り、小泉政権は創価学会という麻薬にはまり抜け出せなくなったのである。近年の各種選挙で創価学会の支援無しには自民党単独での勝利はほぼ不可能であることをみれば、いかにその症状が重いかが知れる。

 創価学会・公明党が自民党と深く結びついたきっかけを、前民主党参議院議員平野貞夫氏は自著『公明党・創価学会の真実』で書いている。

<魚住さん(『野中広務 差別と権力』の著者)がインタビューした後藤組の内情をよく知る人物については、いろいろな事情から名前や肩書きは明らかにできないようだが、この話は真実に近いと私は思っている。それにしても、「自公連立は後藤組がきっかけをつくってやったようなもんだ」という証言に、今日の自民・公明連立政治のすべてがある。私は日本の政治の奥底に慄然とするものを感じる。>

 これだけでは何のことかわからないだろうが、「密会ビデオ」が存在したのだ。
公明代表の藤井富雄都議らと暴力団の後藤組後藤中政組長との密会である。内容は、「藤井さんは反学会活動をしている亀井さんら四人(亀井静香、加藤紘一、野中広務、村上正邦)の名前を挙げ、<この人たちはためにならない>という意味のことをいったという。受け取りようでは、後藤組長に四人への襲撃を依頼したという意味にもとれる。」ものだった。早い話、「住専国会」(1996年1月開会)で苦境に立っていた自民党はこの「密会ビデオ」を使って創価学会・公明党を脅して野党を分断、自陣に引き入れたというのである。

 創価学会がいかにえげつない組織であるかさまざまな証言がある。(例えば次を参照)

 ①「創価学会ウォッチ」:http://www.toride.org/kitano1.html
 ②「Forum21」:http://www.forum21.jp/
 ③「創価学会による被害者の会」:http://www.toride.org/
 
 組合機関誌の編集人をしていた私は、1962年9月、『創価学会をさぐる』という長文のルポを書いた。学会、反学会双方を数多く訪ね、実情を探ったものである。組織にとって看過できない情勢が生じつつあったのだ。

 当時、ある炭鉱労組で「政党支持の自由」をめぐり学会員との間でトラブルが起きていた。学会員が組合推薦の候補者を支持せず、度重なる警告を無視して学会候補者の運動を続けたことを理由に組合規約に基づき除名処分にしたのである。これを不服として学会側は裁判に付して争っていた。学会は参議院と地方議会に進出し、「公宣流布の時きたる」と折伏大行進を始めた時期である。その年6月末現在で276万世帯の会員といわれていた。

 2年後、私は中央本部に選出されたが、その直後、本部機関誌にこのルポに新しい動きを加筆して掲載した。冒頭には月刊誌『現代の目』9月号(現在廃刊)から次の引用がある。

<遂に、衆議院進出を決めた創価学会が、社会に新たな波紋をなげかけている。その創価学会は昭和46年5月3日をめざしての「第六の鐘」のたたかいという新しい七ヵ年計画にとりくんでいると言われる。その目標は、「…第二には、現在の430万世帯から折伏目標を600万世帯にする。…第四には、公明政治連盟を一歩前進させて衆議院に進出する。以上の四項目が池田会長就任以来の第二期の計画になるわけである」>

 さらに同誌は、<…寄付金を集め歩くのではなくて、時と所を決めて受け付けるというシステムだったが、受け付けられないことを恐れた信者が、時間厳守で、あたかも、デパートの特売日に押し寄せる群集の如く殺到したと言われる>と書き、続けて、<…一般会員とは別に財務委員という制度がある。…財務委員は毎年はじめに希望者が申し出て決定されることになっているが、年間四千円以上の負担が課せられている。現在、この財務委員は10万人程度いると言われる>と報じていた。

 ちなみに最近では、金融機関の支店に勤める知人の話によれば、「年末財務」の時期になると百万単位の金を入金する信者が珍しくないと言う。創価学会本部は、この財務で年2,000億~3,000億集めるといわれている。

 異様な増殖を続ける創価学会が、[政教分離」の原則から身をかわし立法府に本格進出したことはかつ目すべきことであった。あの頃再度、創価学会問題を取り上げた理由は、私がこの組織に強い違和感を持ったからである。しかし残念ながら、社会的存在の労働組合に適切な対応が出来たとは思えない。紆余曲折はあったものの、日本共産党を除く他の組織のほとんどが、創価学会に懐柔され、絡め取られてしまったのだ。

 日蓮正宗の信徒集団だった創価学会は、池田名誉会長が本山から「破門」されたため、実態的には「池田教」になっている。日蓮正宗は、「日蓮大聖人の三大秘法(本尊と戒壇と題目)を守る唯一の宗教教団」といわれ、長い間、これが創価学会の教義とされていたが、「破門」されたいまも教義は変わらないらしいから不思議である。

 リンク先を見てもらえば、この教団の実態が透けて見える。だが、大手マスメディアは創価学会・公明党の実像に決して触れようとはしない。周知の通り、党・学会の印刷物請負いと広告収入に縛られているからだ。朝日新聞は「ジャーナリスト宣言」などととぼけたことを言っているが、こんな穢い「タブー」を抱えてジャーナリズムが訊いて呆れる。この組織が宗教法人を名乗っていること自体、社会常識に照らしておかしい。全国に立派な施設を作り、巨大墓苑などの運営で多額の収入を得ながら無税だという。法人格を失くし課税されれば年間数千億円の税収が見込めるということをなぜ報道しないのか。

 創価学会はタレントを上手に使って宣伝に余念がないと言われている。

(詳しくは次を参照=「きっこの日記」:http://www3.diary.ne.jp/user/338790/ の中の検索欄で「池田大作」を検索すればよい。 

 亀井静香議員の「池田名誉会長に会ったかどうか」という質問に、安部首相はあくまで否定したが、衆目の見るところ、安部首相は正直に答えていない。答えられない背景が透けて見えるではないか。これがわが国の現状かと思えば、この国の行方を憂うのは平野貞夫氏ばかりではなかろう。創価学会の野望はほぼ達成されたと言えそうである。