某TV局の番組テーマで貴女は死後夫と同じ墓に入り
ますか ? のデーターでは入らない人の割合は約60%
この数字は何を物語っているのか、その理由は様々だ
が現代の夫婦間の思いや夫の両親親戚に対する確執に
よる原因が多いようである、墓制に関するものも若干
あって墳墓形の共同墓地や樹木霊園の紹介もあり選択
肢は増えているようだ、私も若いころは代々当家が筆
頭檀家である寺に存在する墓地や、そこに並ぶ父母の
墓に入ることが当然の事としてで何の疑問も抱かなか
ったが、先代住職が亡くなり息子である若い住職に替
るやいなや自寺の都合で別の場所に移動させられたり
菩提に関する考え方の相違から信仰とは別に墓制とは、
菩提とは、寺社とは、を深く考えるようになった、住
職とて霞を喰って生きている訳でもなく家族もあり寺
の維持に関わる費用の確保が優先するのは当然至極な
ことで理解出来るのだが若さ故か何か違和感を覚えた、
丁度その頃、小笠原諸島に行く機会を得て、そこで見
たものは人間社会に毒されていない壮大な自然世界で
あった、例えようもない美しい海には微細な生物から
見たこともない魚類が遊弋し海岸から続く原始林に生
息する生物の営みを体感するや、その延長線上にいる
自分を発見、体験した事のない感動に包まれすっかり
考え方が変わってしまった、文明社会に生きてその恩
恵を享受するには或る程度の窮屈さはやむを得ないと
しても己の終焉の方法くらいは選びたいものである、
白州次郎に感化された訳でもないが( 葬式無用、戒名
無用、墓、位牌無用 )に決めている、又流行に媚びる
積りもさりとて無いが、どちらが先に逝こうとも夫婦
して大海原に散骨して貰い無限?の宇宙へと回帰したい
と思っている。