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台湾の友人のベトナム工場について Ⅲ

2006年05月18日 | アパレル放談
彼ら特有のネットワークを持っている台湾のK氏も最初からベトナムに工場建設という直接投資を行った訳ではありませんでした。

最初は国有工場のラインのスペース契約で1年ほど生産をしていました。
社長自らベトナムに出張し技術指導をしながら生産を行っていました。
海外でスペース契約の生産は往々にして問題が多い。

直接指導していた時は問題は少ないが、常駐するわけに行かないので帰国し現地に任せると途端に問題が発生することが多い。

中国でのライン契約でもこのようなことが多い。
K氏は半年後に自社の生産の技術者をベトナムに派遣し常駐し技術指導を行いました。

生産いついては問題は激減したのですが、ライン契約のため人事などの権利がなく、技術指導して習熟度があがってくると、他のラインに入れ替えられて、いつも新人研修のようになり「賽の河原」状態でした。

ベトナム人の労働の質は高いと判断したK氏は自社工場の建設を決断したようです。

決断した後のK氏の行動は早かった。
まずK氏の華人のネットワークを駆使しベトナム人の元役人のD氏を見つけ出しました。
D氏のベトナムのネットを生かして工場敷地の確保や建設をすばやく行いました。
ミシンなどの設備は台湾製、日本製、ドイツ製を特長ごとに調達をしてコストを抑えたようです。

日本の場合商社やジェネコンに丸投げすることが多いが、殆どの作業はK氏が自前で行っていました。

特に興味があったのは敷地の調達です。
ホーチミン市から2時間ほどブンタオです。
近くに日本の企業も入っている台湾資本の整備された団地があるのですが、あえてそこから離れた田んぼを買い取り、友人三人で工場敷地に造成してしまいました。

私がどうして団地に入らないのかと尋ねたところ「団地ではすぐに人手の調達が難しくなり人件費が上がる。ここは離れているために後10年は大丈夫だ」、「港にも近く物流はこちらのほうが有利だ」と笑っていました。

日本の海外の進出の拠点を決める時に、日本人スタッフのためのインフラが整備されていることが重要な決め手としていることが多威のではないかと思います。

上海近郊の昆山や大連の団地などを見ると、整備された日本人向けのインフラを見て、かえって羨ましく思ったことがありますが、台湾のK氏のしたたかな計算に感心しました。
(韓国の中国生産も山東省の場合でも、青島でなく煙台や威海が多いのと同じことかもしれません) 

先にも触れましたが3人の友人の各工場が共有できるインフラは共同使用しているようです。
我々では理解できない彼らの独特な合理主義かもしれません。

K氏のベトナム工場は自社の直営売り場の商品供給のために建設したものです。
トータルブランドのためニットセーター以外すべての商品を縫製する設備やラインになっています。

生産性アップでコストダウンより、品質、少量多品種生産を主眼においているようです。

台湾から派遣したスタッフは殆ど現地化した感じで、作業に当たっています。
当然住まいや生活のスタイルも現地化している感じです。

以下次回・・・・・。








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