JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「国際秘密警察 虎の牙」

2013-09-19 | 映画(DVD)
「唱和に輝く銀幕のヒロイン [第69弾] 白川由美」

「国際秘密警察 虎の牙」1964年 東宝 監督:福田純

アラバンダ共和国の産業省次官・クリマがアラバンダのダム建設資材購入のため、日本へとやってきた。セールスマンと称しクリマと接見した北見は、彼のボディガードを務める。しかし、ダム工事とは関係のない工業用ボンべを大量に買い付けられたことを知った北見は、クリマが彼女の秘書・梨江の父親を密かに監禁し、脅迫して毒ガスを作らせていることを察知する。クリマはその毒ガスをボンベに詰めてアラバンダに送り、内乱を起こそうと企んでいた。その頃クリマも、北見の素性を密かに調査し、彼が国際秘密警察員であることを知る。

007シリーズの人気に便乗した和製アクション国際秘密警察シリーズは一応全部観ておきたいのね。
見ていて途中で気づいたんだけど、このシリーズは第2作まではシリアスな本格アクションなんだよね。「虎の牙」は第2作目。うむ、シリアス路線だとちょっとどうなのかなと思いましたが、あまり深く考えなければそこそこ楽しめる。
三橋達也のおっさんは相変わらずもっさいけど。

アラバンダ共和国という無国籍感がこのシリーズの重要なファクター。国際ですから・・・
冒頭で産業次官クリマと北見による英語劇が続いて字幕が出る。とてもヒアリングしやすい英語で安心して見ていられますが、突然、英語劇を続けるのがもう面倒くさくなったかのように、クリマが流暢な日本語を喋り出します。この日本語をしゃべるクリマが実は真相の手がかりなんでけどね。

北見のキャラクター付けは本作でもジェームズ・ボンド同様女好きのモテモテ野郎って事になってるようだけど、本部の交換手の女性との会話に片鱗を見せるのみでお色気、モテモテ路線は完全に封印した状態。
ボンドガールに当たる白川由美と向き合い音楽もロマンチックになって、さてと思ったら横槍が入る。キス・シーンさえ封印。

水野久美と久保明の純情カップル。大金に目がくらみ恋人の事業のため何も知らずに悪事に加担していた水野久美。依頼者にお金を返しに行き「無かった事にしてくれ」というお人好しぶり。当然拉致され、美人の水野久美は始末する前に犯されそうに・・・白いシミーズとブラが一瞬眩しく見えますが、そこを主人公北見が助けに入り、ハイ、それまでよ。あくまでシリアス本格アクションなのです。

中丸忠雄と三橋達也の終盤の鬩ぎ合いから格闘シーンは見応えありましたね。
陸軍中野学校の先輩後輩だったとか戦争屋として戦争、人殺しがないと生きていけない男になったクリマとかのなんたらかんたら・・・

中丸忠雄は今まで見た作品の中でも本作は出色。
主人公を食うほどのカッコ良さです。主人公があまりカッコ良く見えないからこそですけど・・・
もう一人、三橋達也よりカッコ良いガイが居ます。
クリマの手下で運転手のサバト・黒部進。ドウランで黒い肌に鬚が似合う。
でも車を運転するシーン、引いて走るシーンになると明らかに吹き替えの人になってます。カーアクションがあるわけでもないのに。当時、免許を持ってなかったんでしょうか。

白川由美は美しいけれどすでにおばさん顔。小皺も気になる、当時28才。

60年代当時の電車の見えるロケ地風景がめちゃくちゃカッコ良いです。梨絵の実家とか。

お色気路線の3作目以降に期待。

ラピュタ阿佐ヶ谷


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