JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「㊙色情めす市場」

2016-02-06 | 映画(DVD)
「映画作家 田中登」

「㊙色情めす市場」1974年 日活 監督:田中登

みなが望みを捨てる街・大阪西成。裸足で路地裏を彷徨い客をとるトメ。通天閣から放たれる鶏、パートカラーで映し出される真っ赤な太陽、大音量で流れる村田英雄の『王将』・・・。日本映画界に衝撃を与え、深作欣二が『仁義の墓場』でオマージュを捧げた奇蹟の傑作。『受胎告知』という原題を持つ本作での芹明香は、まさに人間の原罪を丸ごと受け入れる聖母というべき存在である。

2008年に初観賞以来、2年に1度は観賞していることになる本作。日本映画で一番とは言いませんが、好きである事は確か。
また、東京だからこそと言えども、なかなか2年に1度観る機会がある旧作日本映画というのも少ないんじゃないか。上映がかかっていてもスルーした事だってあるんですから。

と言う事で2年ぶり5回目の観賞。蒟蒻頭にも台詞がそろそろ入って来ますかな?

やはり冒頭、通天閣の引きからの芹明香と絵沢萌子に寄って、再び引いたところで2人が歩き出すタイミング、そしてタイトルクレジットの出る階段の芹明香、タイトル文字の書体、嵌めこむ位置など完璧さ。これでいつも参っちゃうんだね。

今回はシーツの干された屋上で客をとるトメ。影から眺めている謎の指名手配男のシーンを記しておきましょう。
客の「300円くれ!」と「途中で見るのやめたら悪いと思ってな・・・」
それと干された布団に頬すりよせて「ええ感じに膨らんでるわぁ」という芹明香

どのシーンを切り取っても名場面に成りうる稀有な作品。

実はパートカラーの、サネオの彷徨はくどいし、「王将」もどうかと思う。唯一好きじゃない場面でしょうか。

毎回思いますが作家性の中にちゃんと宮下順子のエロパートを充実させているところが良いですよね。

果たして2018年に観賞機会はありますでしょうか。こうなりゃ無理してでも行きそう・・・



2008年「愛と官能のプログラム・ピクチュア 日活ロマンポルノ名作選」ラピュタ阿佐ヶ谷

2010年「官能の帝国3~田中登作品をめぐって~」シネマヴェーラ渋谷

2012年「〈ピンク映画50周年記念特集〉PINK FILM CHRONICLE 1962-2012 番外編 日活ロマンポルノセレクション-午後8時の映画祭-」新橋シネパトス

2014年「わたしたちの芹明香」ラピュタ阿佐ヶ谷




シネマヴェーラ渋谷

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